転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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428 フォラス戦 最終局面!! ブレイブに目覚める悪魔の力!!! (中編)

フォラスはブレイブの《肉球之神(バステト)》の発現を不服に思ってはいない。彼女が刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)に目覚めた以上、早かれ遅かれブレイブに新たな能力が目覚める事は分かっていたからだ。そしてその瞬間も、彼女の身が危険に晒され、その危機感が引き金になったのだとフォラスは考えていた。

 

しかし一方で、同じ轍を踏む気は無いとも自分に言い聞かせていた。仮にまたブレイブに新たな究極贈物(アルティメットギフト)が発現した時は必ずその場で息の根を止めると決意していた。その時は彼の予想よりも早く訪れた。

今この時、煌焔達四人はブレイブに目覚めた新たな能力、《怠慢之王(ベルフェゴール)》を攻略する事に全神経を注いでいた。

 

*

 

「ヌゥッッ…………………!!!」

 

煌焔達が次に選んだ攻撃は手に持った刀の一撃である。刀は既に射程距離に入り、ブレイブの首を切断する事が可能となっている。しかし、それを実行するには不可欠な要素が一つ欠けている。刀を振り抜く、その速度(・・)である。

煌焔の脳は身体に刀を振り抜く事を命じ、身体はそれを実行する為に全力で駆動している。しかし身体の動きは時間が引き延ばされたかのように遅くなっている。それがブレイブの新たな能力、《怠慢之王(ベルフェゴール)》である。

 

(此れは、意識は通常通りに働いておるのに身体の動きだけが極端に鈍くなっておる……………!!!)

(凄い!! これだけ遅ければ何発撃って来ても当たらない!! 勝て━━━━━━)

「ッ!!!」「!?」

 

揺るぎない自分の勝利を確信した途端、ブレイブの頭を激痛が走った。直後、煌焔の動きが通常通りの活力を取り戻す。《怠慢之王(ベルフェゴール)》の能力が解除された事を理解したと同時に刀を振るっていた。

 

「うあっ!!!」

「ぬっ!!」

 

ブレイブはよろける足を強引に動かし、身を引いて刀の一振りを躱す。自分の鼻から血が垂れている事を、その直後になってようやく気付いた。そしてその消耗の原因も即座に理解した。

 

(……そうか。あの文(・・・)にはそういう意味が………………!!)

(ふっふっふ、成程な。やはり儂の有利に変わりは無いか。)

 

怠慢之王(ベルフェゴール)》の能力解説文にはこう記してあった。『範囲・減速度は体力の消耗に依存する』、と。

それは即ち減速(能力)の強度や範囲は自分の意思で調節する必要があるという事である。そして今自分はそれを考え無しに最大強度で発動していたのだ。

 

(━━━━って事はつまり、能力の強さを自分で調整しないといけないって事か…………………!!!)

「今ので確信したぞ、勇者キュアブレイブ。やはり貴様はギリスやルベドに並び立てる逸材では無い。」

「!!?」

「貴様に目覚めた刀剣系《女神之剣(ディバイン・スワン)》の脅威は認めよう。ダクリュールやガミラの猛攻から生き残った其の悪運の強さも認めよう。

じゃが、貴様には決定的に足りぬものがある。其れは究極贈物(アルティメットギフト)を使いこなす、其の技量じゃよ。其の能力も貴様にとっては唯のじゃじゃ馬に過ぎん。今度こそ其の鼻っ柱を叩き折ってくれる!!!」

「!!!」

 

煌焔は地面を蹴り飛ばし、ブレイブとの距離を詰める。それはブレイブの《怠慢之王(ベルフェゴール)》の前には意味の無い行為に見えたが、煌焔達にはそうでは無いという確信があった。

 

「(今度は効果を抑えて範囲はそのままに………………!!) 《怠慢之王(ベルフェゴール)》!!!」

「無駄じゃ!! 行くぞアギラ!!!」

「!!?」

 

その瞬間、煌焔の肩からアギラの翼が生え、猛烈な音と共に空気を叩いた。それは彼が《怠慢之王(ベルフェゴール)》の範囲内に入り、速度を落とされた直後だった。

通常のアギラの速度より遥かに遅いが、速度が変化していない訳では無い。煌焔の攻撃はブレイブの予測していた速度よりも速く、回避が一瞬遅れた。

 

「はっ!!!」

「んぐっ!!!」

 

煌焔の蹴りがブレイブの腹部を捉えた。速度は通常の蹴りよりも遅く、威力は低減されているが、ブレイブの身体を数センチ仰け反らせるだけの威力はあった。

 

「………………!!!」

「辛うじて《堅牢之神(サンダルフォン)》で受けたか。だがやはり能力を使いこなせてはいないようじゃな。

貴様が儂を遅くすると言うならば、儂が速く動けば良いだけの事。速ければ速い程貴様は強い能力を儂に掛けざるを得ん。能力を過信した貴様の慢心と言う訳じゃ!!」

 

煌焔達の狙いは一言で言えば、ブレイブの消耗にある。実際にブレイブは《怠慢之王(ベルフェゴール)》の効果を強めれば体力を消耗し、弱めれば攻撃の速度に対処出来ないというジレンマに陥っている。

 

「分かっておるじゃろうが敢えて宣言しよう。其の新たな贈物(ギフト)に慣れるよりも早く、貴様を屠る!!!」

「!!!

(ど、どうする!? 効果を変えてもダメなら、今度は範囲を変える!? いや、それも予想してるかも……………!!

せめて、せめて一瞬でも隙を作れれば……………………)

!!」

 

その時、ブレイブの頭に一つの策が浮かんだ。根拠は無いが、その策で煌焔達を確実に仕留められるという確信があった。

 

(そうだ。これなら勝てるかも………………!!!)

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