転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

430 / 518
430 戦況急変!? シャルディアを狙う黒い影!!! (前編)

それは元々、戦ウ乙女(プリキュア)になって日の浅い蛍が乏しい解呪(ヒーリング)で確実に相手を下す為に編み出した技である。相手の体内に直接解呪(ヒーリング)を流し込み、確実な勝利を狙うのだ。

《プリキュア・ブレーブ(・・・・)インジェクション》と名付けたそれをしばらく使っていなかった。力を付けていくに連れて解呪(ヒーリング)の総量も増え、態々武器の刃を相手に突き刺さずともチョーマジン達を元に戻す事が出来るようになったからだ。

 

そして今、キュアブレーブ(・・・・・・・)からキュアブレイブ(・・・・・・・)となり、その技も彼女の知らない間に進化していた。本来、体表を切り付けるだけでチョーマジンを倒す事が出来る程強力になっている解呪(ヒーリング)魔人粘性生命体(イフリートスライム)の体内で炸裂した。

 

 

***

 

 

 

「《プリキュア!!!! ブレイブインジェクション》ッッッ!!!!!」

「!!!!!」

 

ブレイブの身体に残っていた僅かな量の解呪(ヒーリング)。その全てを身体の中へ流し込み、炸裂させる。ブレーブ(かつての自分)を超えたブレイブ(現在の自分)に出せる全力を繰り出した。

 

『ボゴォンッ!!!!!』

「!!!!! グアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

(!!! や、やった………………!!!)

 

煌焔達の体内で解呪(ヒーリング)が炸裂すると、彼等一体(・・・・)の身体はそれに誘爆するように破裂し、紫色のスライムの破片を周囲に撒き散らした。自分の攻撃が確かに成功した、その事実を認識した途端緊張が途切れ、ブレイブは地面に膝を突いた。

 

「ハァッ ハァッ ハァッ ハァッ…………!!!

お、おのれ……………………!!!」

「!!!」

 

攻撃は確かに炸裂したが、まだ状況は完全な状態では無い事をブレイブは即座に理解した。

周囲に散乱したスライムの破片は解呪(ヒーリング)によって蒸発しつつある。それに交じって動く小型のスライムが四体居た。言うまでも無く、その四体がブレイブの攻撃から辛うじて絶命を免れた煌焔達だ。

 

「━━━━ふっふっふ。」

「!!?」

「儂等に此処迄辛酸を舐めさせらるとは、手放しで称賛してやろう。だが詰めが甘かったな!!!

来い!!!!」

「!!!?」

 

その瞬間、ブレイブの鼓膜を震わせたのは大量の羽音だった。ブレイブはその音に聞き覚えがあった。先程フォラスが召喚した大量の虫を素体としたチョーマジンの大群。それが一斉に押し寄せて来た。

そしてブレイブは、即座に彼等の意図を理解した。それはブレイブへの攻撃では無く、自らの回復だと見抜いた。

 

(まさかあの虫を食べて回復を!? 止めなきゃ━━━━)

「!!! ンガッ………………!!!」

 

何としてでも煌焔達の回復を阻止しなくてはならない。精神がそう発起しても身体がそれに着いて行かなかった。既に解呪(ヒーリング)を絞り尽くし、足一本動かせなくなっていた。

 

「はっはっはっはっは!! 貴様が毛嫌いした虫も有用な蛋白源!!! あれだけ食えば全快へ戻る事も夢では━━━━」

「《豊穣之神(フレイヤ)》!!!!!」

『!!!!?』

 

その時、虫のチョーマジンの大群が一斉に攻撃された。生物のような動きで木の蔓が伸び、チョーマジンの大群を纏めて両断した。それを実行した者達は次の瞬間にはブレイブの視界の前に姿を現した。

 

「シャルディアさん!! ニトルさん!!」

「「!! ホタル君!?」ブレイブ!!」

 

風妖精(エルフ)の族長にして究極贈物(アルティメットギフト)豊穣之神(フレイヤ)》の使い手、シャルディア。そしてその背後を着いて行くようにニトルが森の奥から姿を現した。

二人は疲労困憊のブレイブの姿を見、即座に彼女の元へ駆け寄った。

 

「シャルディアさん、どうしてここに………!?」

「私は里の郊外で怪物の侵入を阻んでいたのだが、その時この青年と合流した。そして状況を聞いてこちらの方向へと向かって来たんだ。他の警備団達は郊外に残って貰っている。ホタル君、今の状況は!?」

「私は、フォラスっていうスライムと戦っていて、そしたらフォラスが四人になって、今まで戦ってて……………!!」

「!? フォラスの分身!? これ(・・)がそうだってのか………………!!!」

 

ブレイブの前方で蒸発しつつあるスライムの破片、そして小型の四体のスライムを見てニトルは顔を顰めた。自分を徒に殺そうとした怨敵が醜態を晒している。その事実を嘲笑すべきか否か迷っているようにブレイブには見えた。

ニトルのその心情を察してか否か、シャルディアがスライム達の前に出た。

 

「シ、シャルディア=ティアーフロル=フェルナーデ………………!!!」

「…………君等の事情など知らんが、私に一つ言えるのは敵に回す相手を間違えたという事だな。

私達に仇成す者は全て排除すると決めている。スライム一匹には過ぎた待遇だが、私の手で引導を渡してやろう!!!」

 

「━━━━お前がな。」

『ドスッ』

「……………………………えっ……………」

 

シャルディアの止めは放たれなかった。一瞬先の未来にその光景を思い描いたブレイブの視界に映ったのはシャルディアの胸部から黒く染め上げられた刃が伸びている、その光景だった。

 

「……………………!!!! ゴハッ!!!」

「!!!!! シ、シャルディアさん!!!!!」

 

シャルディアが背後から刺された。彼女のくぐもった声を聞いてブレイブはそれを理解し、そして叫んでいた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。