転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
その時、背後に居たブレイブが辛うじて視認出来たのはシャルディアの影から刃が伸びたという事だけだった。
シャルディアの安否、襲撃者の正体、影を使用した謎の能力。一瞬の内に夥しい量の疑問符がブレイブの脳内を埋め尽くした。しかし意識はシャルディアの救済だけに向いていた。
シャルディアを突き刺した刃が抜かれ、それと同時に影から一人の人影が姿を現す。その人影が刃を振りかぶり、シャルディアの首を狙っている一連の光景をブレイブは見ていた。一刻も早くシャルディアを助けなければならないと警鐘を鳴らすが、身体はそれを受け付けない。
だが、シャルディアを救済しようとしていたのは隣に居たニトルもまた同じだった。
(シャ、シャルディアさん!! このままじゃ………………!!!)
「うらぁっ!!!」
『ドゴッ!!!』「!!」
シャルディアの首を狙っていたその人物をニトルが背後から蹴り飛ばした。意識が攻撃に集中していたのか、その人物はその蹴りを無防備に食らい、数メートル程飛ばされた。
その時、ようやくシャルディアを襲った人物の姿が鮮明になった。その人物は
敵も味方も謎の少女に意識が向いている中、ニトルは目を盗んでブレイブに小瓶を手渡した。
『ブレイブ、今の内にこれを飲め。』
『えっ これは……!?』
『この里で作ってた回復のポーションだ。こんな時の為に一本貰っといたんだよ。
どうせまたあの時みたいに体力使い果たしてヘトヘトになってたって、そんな所だろ。それにあいつ、とても味方には見えねぇしな…………。』
『………………!!!』
瀕死のフォラスの分身とブレイブ達という圧倒的有利な状況は一人の襲撃者によって一変した。背後からシャルディアを突き刺したというその行為が何よりも雄弁にブレイブ達に敵対する意図を物語っていた。
それが分かっているからこそブレイブは瓶の中のポーションを一息に飲み干し、シャルディアの元へと駆け寄った。
「シャルディアさん!! 大丈夫ですか!!?」
「あ、あぁ。大丈夫だ。辛うじて心臓は外れた。この程度なら回復魔法で十分に対応出来る。」
口ではそう言ったものの、シャルディアの表情は目に見えて苦悶に歪んでいた。唐突に背後から刺されて苦痛を意に返さない人間などそうそう居る者ではない。
「あの人の事、知ってますか…………?」
「何者かは知らないが、
しかし有り得ない。あの特徴は、《
「!!?」
スプリガン
それは、
シャルディアの困惑に応えるかのように、襲撃者の少女は振り返って顔を見せた。
「そうだ。シャルディア=ティアーフロル=フェルナーデ。お前を殺しに来た……………!!!!」
「!!!」
振り返ったその少女の顔に、ブレイブはひたすらに息を飲んだ。
その少女の顔が醜かった訳では無い。寧ろ手放しで美少女と形容出来る程にその顔は整っていた。しかし、その表情は憎悪の一色に染まっていた。躊躇い無くシャルディアを突き刺した、それだけの凶行が出来た理由がその顔に浮かんでいた。
その表情への恐怖心を押し込み、ブレイブは口を開いた。
「あ、あなた一体なんなの!? ヴェルダーズの仲間なの!!?」
「いや、そうとは言えなさそうだぜ。」
「!? ニトルさん、どういう事!?」
「考えても見ろよ。あいつが
「その通りだ。お前達の事など知らないし毛程もどうでも良い。だが名前くらいは教えておこう。シャルディアの首を取ったその事実を証言して貰わなければならないからな。」
「私は《スキュア・ノックストランド》。お前達
「!!? 滅ぼされた!? そんな訳無いよ!!!
だってシャルディアさんもその、
「ふざけるなぁ!!!!!」
「!!!!?」
スキュアと名乗ったその少女の怒りが爆発した。
無論、ブレイブはシャルディアの発言を疑ってはいない。しかしスキュアの言動に嘘があるとも思えなかった。
「残念がっていただと!!? まるで自然消滅したみたいな言い方は止めろ!!!!
お前達が私達を迫害したんだろうが!!!! あいつが、ユリウスが首謀者になってな!!!!!」