転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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432 影妖精(スプリガン)の生き残り!? スキュアが語る絶滅の真相!! その①

シャルディアの主張では、影妖精(スプリガン)という種族はヴェルダーズの反乱によって絶滅したという事になっている。しかし、目の前の影妖精(スプリガン)の少女 スキュアの主張はそれと真っ向から対立しているものだった。

彼女は影妖精(スプリガン)は迫害されたと言った。その首謀者として挙げた名前はブレイブが初めて聞くものだった。

 

「ユ、ユリウス………!!? ユリウスだと……………!!?」

「シャルディアさん!? その人知ってるんですか!?」

「知っているも何も、ユリウスは私の弟だ。尤も、度し難い愚弟だったがな………!!」

「!? 愚弟!?」

 

*

 

ユリウス=ハーレークイン=フェルナーデ

 

それがシャルディアの実弟の本名である。シャルディアが彼を愚弟と酷評する理由は彼の思想にある。

ギリスとルベドが激突し、人間族と魔人族の意識が種族融和へと向いた。程無くして風妖精(エルフ)は当時の魔王ギリスとの対談に応じ、友好関係が実現した。それが蛍の知る歴史である。

その歴史に偽りは無いが、ギリスの知らない事実があった。それこそがシャルディアの実弟、ユリウスの存在である。

 

シャルディアは多少の警戒心はあれど魔王ギリスとの交渉の席に立った。それは即ち魔人族と接触する意思があったという事である。ユリウスはそれを真っ向から否定していた。

彼は保守派を通り越して、風妖精(エルフ)至上主義を掲げていたのである。

 

*

 

風妖精(エルフ)至上主義………………!!?」

「閉塞的な価値観によって生まれた愚かな思想だ。ギリスとの対談が始まる時、里は今のように種族が固まってはいなかったし、族長も私とユリウスがその座を争っている状態だった。その時魔人族の実情を証言し、世論を私の、即ち種族融和へと傾けたのが、当時の影妖精(スプリガン)の族長だった。

私が族長に就任しギリスとの対談が正式に決まって、ユリウスは姿を消した。あいつの下に就いていた保守派の連中数人を連れてな。

そしてヴェルダーズの襲撃の被害が落ち着いて調査が始まって、元々影妖精(スプリガン)の拠点だった場所でユリウスや大量の影妖精(スプリガン)の白骨死体が見つかった。だから━━━━」

「だから影妖精(スプリガン)も弟さんも皆ヴェルダーズの襲撃で死んじゃったって………………!!」

「誰もがそう信じて疑わなかった。だが、どうやらそれは間違いだったらしいな…………。」

 

シャルディアの口から語られた風妖精(エルフ)の覇権争い、そして弟の死や影妖精(スプリガン)の絶滅の経緯。それらは状況証拠から類推してヴェルダーズの襲撃によるものだとシャルディアは信じて疑わなかった。しかし目の前に立っているスキュアの存在がそれを真っ向から否定している。

 

「━━━━言い訳は終わったか?」

「!! い、言い訳なんかじゃないよ!! シャルディアさんは何も嘘なんか言ってない!!!

だから教えてよ!! 影妖精(スプリガン)に、あなたに一体何があったの!!?」

「何故お前にそんな事を教えなければならない…………」

「えっ!?」

「そもそもお前は一体何なんだ。何故人間族がそんなふざけた格好でこんな場所に居る。余所者の、しかも大物でもなさそうな子供の立ち入りを許す程、シャルディアは焼きが回ったのか……………?」

「!」

 

ブレイブは戦ウ乙女(プリキュア)の事を知っている人と会う機会が多く、それ以外の人間と会う事はかなり少ない。後者に分類されるスキュアにとってブレイブの姿は奇怪に映っているのだろう。

 

「わ、私は戦ウ乙女(プリキュア)のキュアブレイブ。で、本名は夢崎蛍(ホタル・ユメザキ)っていうの!」

「私が何時お前の名前を聞いた? それにプリキュアだと? そんな肩書きが何処にある。話が通じなければ身も心もふざけた奴だな……………!!」

「私は訳あってこの里に来て、昨日シャルディアさんから影妖精(スプリガン)の事を聞いたの。てっきり災害(・・)で皆死んじゃったとシャルディアさんは思ってた。でもそれは間違ってるんでしょ!?

だから教えてよ!! 影妖精(スプリガン)に一体何があったの!!?」

「…………どうやらシャルディアの洗脳が解けていないらしいな。だったら正しい歴史でも学んでいけ。」

「!!」

 

*

 

ここに一人の歴史学者が居る。人間族の《マルク・テルノート》。彼は異種族に関する歴史の研究に力を入れている。

ある日、彼は既に絶滅した妖精族の影妖精(スプリガン)に関する研究発表会を行った。以下はその議事録である。

 

「結論から申し上げますと、影妖精(スプリガン)の絶滅は人為的なものです。私達が生まれるより遥か昔、影妖精(スプリガン)は迫害を受けたものと考えられます。

これは様々な文献の記載を読んで得た、その情報を繋ぎ合わせて私が辿り着いた一つの筋書きです。

まず、影妖精(スプリガン)の迫害を行った張本人は風妖精(エルフ)のユリウスという人物であると考えられます。彼の発言と思える内容が三つありました。

影妖精(スプリガン)に断罪を』『風妖精(エルフ)の栄光を取り戻せ』『魔人族の侵略を阻め』の三つです。そしてこれらはかの有名な《勇者列伝》が記された時期と近い年代であると判明しました。

この事から類推して私は、風妖精(エルフ)と魔人族の種族融和に影妖精(スプリガン)が関係し、それが迫害の原因になったと考えました。」

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