転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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435 影妖精(スプリガン)の生き残り!? スキュアが語る絶滅の真相!! その④

シャルディアの究極贈物(アルティメットギフト)豊穣之神(フレイヤ)》。自分の周囲の植物に力を送り込み、自身の支配下に置く能力。

この能力によって育った植物はシャルディアの力を全体に送り届けられ、高い栄養価を持つ。この時、その特性がブレイブ達にとって裏目に出てしまった。ブレイブがその持てる体力の全てを費やして撃破寸前まで追い込んだフォラスの分身体がその植物を食してしまったのだ。

 

*

 

『………………!!!!』

「者共、皆一様に心から礼を言うぞ。

貴様等が儂から意識を逸らしてくれたお陰で腹一杯に食す事が出来た。栄養価の高い植物の数々。この年でベジタリアンになるのも吝かでは無いかのぉ!?」

 

ブレイブ達の前に、赤、黄色、緑、青色が混ざり合った体色を持つ巨大なスライムが現れた。頭部と見られる部分には鬼、鳥、魚、獣の頭蓋骨を模した仮面がはめられている。その口から四人分の声が同時に発せられている。ブレイブと戦う以前よりも体力が回復しているようにすら見えた。

 

『…………すまないホタル君。虫を倒して奴の供給源を絶ったつもりだったが、迂闊だった………………!!!』

『いや、目を離したのは私も同じです。それに、フォラスの本体は今フェリオと戦ってるんです………!!』

 

ニトルのポーションで多少なりとも回復したとは言っても、状況は微塵も改善していない。寧ろ突然のスキュアという横槍の存在で悪化していると言える。

 

「しかし、野良に此処迄の究極贈物(アルティメットギフト)の使い手が居るとは思いもしなかったぞ。

貴様、確か名をスキュアと言ったか。よもやあの影妖精(スプリガン)に生き残りが居ようとは、長生きはしてみるものよのぉ!!」

「…………人を珍獣のように言うのは止めろ。お前達が七人組でこの里に来た事は分かっている。お前達は一体何なんだ。こいつがさっき言っていた『プリキュア』とかいうものと関係があるのか。」

「…………部外者に教える事など無い、と言いたい所じゃが、儂の食事の隙を作ってくれた恩に免じて教えてやるとしよう。

戦ウ乙女(プリキュア)とは、儂等に敵対する者共の事じゃ。そして妖精族共は疎かにも其奴等の肩を持つと抜かしおった。故に今日此の場で殲滅する事に決めたのじゃ。」

「……………………成程な。」

「!!!」

 

その時、スキュアの口角が目に見えて上がった。ブレイブはそれを見て即座にある可能性に至った。現状を決定的に悪化させる可能性だ。

 

「では私がこれからシャルディアの首をへし折ったとして、お前は何も問題無い訳だな?」

「そうじゃな。其れに儂等が本当にスライム一匹かどうか、彼奴に思い知らせてやる必要があるしな!!!」

(!!! 来る!!!)

 

スキュアとフォラスの分身体が一斉に向かって来る。

相手は謎の能力を持つスキュアと体力が万全にまで回復している魔人粘性生命体(イフリートスライム)。対するこちらの戦力は体力が消耗しているブレイブと片腕を負傷しているシャルディア、そしてニトルという乏しい戦力だ。とてもこの場を凌ぎ切れるとは思えなかった。

 

「ま、待て!!! 俺が相手だ!!!」

「!? ニトルさん!!?」

 

ブレイブとシャルディアを押し退けてニトルが前に立った。彼には申し訳ないがとてもこの状況を打開出来ないと、ブレイブには思えた。

 

「またお前か。火遊びしか能の無い人間に用は無い。」

「否、彼奴が用があるのは儂等じゃよ。つまらん意趣返しのつもりじゃろう。今度こそ其の味の悪い肢体を残らず食い尽くしてやろう。」

「はっ!! どいつもこいつもどうして俺をナメて掛かるかねぇ!! 本当にそうかどうか、お前の身体で確かめてみろよ!!!」

「!!」

 

ニトルはスキュアに向けて一発、炎魔法の弾丸を発射した。先程容易に避けられた攻撃でこの状況を打開など出来る筈が無いと、スキュアは思った。しかし、その慢心にこそ付け入る隙があった。

 

「こんなもの、何発撃って来ようが」

「うらっ!!!」『ドゴッ!!!』「!!?」

 

ニトルは《転換之王(ベリアル)》の能力で自分と炎の位置を入れ替えた。ニトルの身体は弾丸の運動速度を引き継ぎ、その勢いを乗せたままスキュアに蹴りを見舞った。すかさず両手から更なる炎を噴き出し、一気に蹴り飛ばす。

 

「ニトルさん!!!」

「こいつは俺が相手をする!! お前は族長さんを守れ!!!」

「!! 分かった!!」

 

その言葉を最後に、ニトルはスキュアを足蹴にしたまま森の奥へと消えた。

 

 

 

***

 

 

「だらぁっ!!!」

「!!!」

 

ブレイブ達から十分に距離を取ったと判断したニトルは足を振り上げ、スキュアを蹴り飛ばした。周りを木々に囲まれ、ニトルとスキュアは一対一となった。

 

「…………ここなら存分に暴れられるだろ。ほら、さっさと掛かって来いよ!!」

「…………一体どういうつもりだ。まさか命を賭してシャルディアを守るとでも言うのか?」

「こっちは一宿一飯ただ酒の恩があるんでな。それにあいつには仮があるし力を貸してやるって大見得まで切っちまってんだ。これくらいの事はしねぇと寝覚めが悪いんだよ!!」

「……………それで良いんだな? お前がここで死ぬ理由は。」

「お生憎様。どっかのクソスライムの吠え面見るまで死ぬ気はねぇよ!!!」

 

場所は風妖精(エルフ)の里の森深く。ニトルとスキュアの一騎打ちが始まろうとしていた。

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