転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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439 フォラスの悪魔的奥義!! リルゾール=ミストルテイン=タタルハザード!!! その①

嘗てその最強の力で魔界を統べ、風妖精(エルフ)の里にも赴いて種族融和の為に奔走した魔王 ギリス。

嘗て人類の希望を一身に託され、仲間と共に魔王ギリスと全面衝突を繰り広げた最初にして最強の勇者 ルベド。

 

現在、彼等は風妖精(エルフ)の里にて肩を並べて戦っている。その相手は風妖精(エルフ)の里を襲った集団の中心人物にしてヴェルダーズの配下の中でも一目置かれる存在であるオオガイ。今この里で最も力を持つ三人の決戦が繰り広げられている。

 

「━━━━今何考えてるギリス。まぁきっと僕と同じ事考えてると思うけどね…………。」

「あぁ。今丁度自分の力の衰えを嘆いていた所だよ。」

 

結論から言うと、その戦いは拮抗していた。ギリスもルベドも明確な負傷は受けていない。しかしそれはオオガイも同じだった。互いに攻撃を凌ぎ合う膠着状態から抜け出せずにいた。

ギリスもルベドも全盛期ならば、単独でオオガイを容易く下す事が出来ると確信している。それは慢心や大言壮語では無く、単なる事実である。

その二人が束になってオオガイと互角の戦いしか出来ないという現実が二人に力の衰えを実感させていた。

 

「━━━━ふっふっふ。天下の魔王や勇者が雁首揃えてこの俺の首一つとれないとは、随分と落ちぶれたものだな!!!

お前等二人の一秒でも長く足を止める。それが俺に与えられた役割だ!!!」

 

オオガイはギリスとルベドを前にして笑いながら声高に言った。その身体は傷に覆われているが、明確に意識を保って立っている。それが二人の衰えを証明していた。

 

「連中に偉そうな口を利いていた割には与えられた役割をこなすだけか。お前も所詮ヴェルダーズの操り人形でしかないらしい。」

「はっ!! だったらさっさと刀剣系を出してみろよ!!! 俺が操り人形だってんなら手足に繋がってる糸を切ってみろ!!!」

『!!!』

 

この世界でたった五つしかない最強の究極贈物(アルティメットギフト) 刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)

ギリスにはその内の一つ《破滅之剣(イヴィルノヴァ)》が、ルベドには《七星之剣(グランシャリオ)》が与えられている。しかし二人はオオガイとの戦いの中で一度もそれを発動していない。その理由は偏に体力の消耗が激しいからだ。

 

「ギリス、つまらない挑発に乗るんじゃないよ。」

「分かっている。俺達に求められるのは刀剣系を使わずにこいつを━━━━」

『!!!!?』

 

その瞬間、ギリスとルベドの背筋を凍り付くようなものが走った。一言で言うならばそれは《気配》だった。その気配に反応した理由はその主が強力な力を持っていたからではない。その気配に覚えがあったからだ。

 

「おいルベド、これをどう思う(・・・・)………………?」

「…………信じられない、と言いたいね。だけどこれは確かに……………」

 

ギリスとルベドの動揺、そして咄嗟に彼等が向いた方角。オオガイはその両方に心当たりがあった。それを理解したオオガイは口角を上げた。

 

(ふっふっふ。どうやらフォラスの奴も本気を出した(・・・・・・)ようだな。やはり流れは俺達の方に向いているらしい。あいつの究極贈物(アルティメットギフト)がこの里で発動すれば、状況はあっという間にひっくり返る……………………!!)

 

 

 

***

 

 

 

「リ、リルゾール…………………!?」

 

シャルディアの口から漏れ出たその名前を、ブレイブは誰に言うでもなく反芻した。

その名前は明らかに目の前の、フォラスの分身体が再び合体して生まれた女性のような外見をしたスライムを示していた。ブレイブは何故シャルディアが今日初めて会った筈の目の前の敵の名前を知っているのか、そして何故ここまで狼狽えているのか、理解出来なかった。

 

「どういう事ですか!? 何でシャルディアさんがあの敵の名前を知ってるんですか!!?

それに、リルゾールって一体━━━━」

「いや済まない。少々狼狽えてしまった。今この時代に彼女が生きている(・・・・・)筈は無いんだ。

だがあの顔は間違い無い。彼女はかつて次世代の魔王になる筈だった人間だ………………!!!」

「……………!?」

 

*

 

ギリスが風妖精(エルフ)との種族融和を実現させた頃、魔王を父に持ち、自分も魔王となるべく研鑽を積んでいた魔人族の少女が居た。

彼女の名はリルゾール=ミストルテイン。シャルディアはリルゾールとも関係を持ち、何時しか二人は種族も世代も超えた友情を結んでいた。

 

ヴェルダーズの襲撃を受け、気の遠くなるような時間が流れ、シャルディアはリルゾールは既に死んだものと思っていた。その彼女が今、シャルディアの前に立っているのだ。

 

*

 

「そんな人が居たんですか…………!!」

「あぁ。君には関係無いと思って言わなかったんだ。私は至って冷静だ。彼女が卑劣な偽物である事は分かっている。」

「はい。フォラスはさっき魔物や鬼の分身を生み出したりしていました。それがもし他の種族の情報をコピーしたものだとしたら……………………!!!」

「正解じゃ 勇者よ。」

『!!!』

 

リルゾールの姿をした分身は女性の声でありながらフォラスの口調でそう言った。ブレイブにはその光景が極めて不自然に映った。

 

「儂がミストルテインの墓を掘り起こし此の娘の骨を食し、此の魔人族の身体を手に入れたのじゃ!!

故に儂の事は《リルゾール=ミストルテイン=タタルハザード》と、そう呼んで貰おう!!!」

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