転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
リルゾールがこれまでの四体の身体的特徴を身体に発現させられるという事実は、何よりもブレイブの精神を動揺させた。
アギラの翼が、煌焔の刀が、ボルガーの牙が、ネシアの鱗が依然として自分に襲い掛かって来る。その脅威がまだ終わっていないという事実がブレイブに圧し掛かった。それに比べれば刀の突きを受け止めるなど造作も無かった。
「~~~~~~~~!!!」
「はっはっは!!! 此れが儂の奥の手じゃよ!!! 此の力を以て貴様を完膚無き迄に叩き潰す。儂の目的は彼の辺境の時から其れ一つよ!!!」
事実として、ブレイブはこれまでフォラスの能力の数々に翻弄されて来た。ツーベルクの初戦でも強力な消化液や酸の究極魔法、分身能力など多彩な能力を駆使しブレイブ達を追い詰めた。
そしてこの
「さぁどうする!!? 又新たな能力が目覚める事を期待するか!!? 其の様なか細い天運に賭けるのも悪くなかろうて!!!」
「……………良かった」
「?」
「その姿が奥の手って事は、今の貴方に勝ちさえすればもう怖くないって事でしょ……………!?」
「はっ!! 其の様な減らず口は儂に一撃でも入れてから利くが良い!!!」
「!!!」
ブレイブの挑発に反応するように、リルゾールは掌から伸ばした煌焔の腕、その手が握っている刀を振り上げた。リルゾールの肩と掌という二つの関節が織りなす動きは通常よりも強烈にブレイブの防御を弾き飛ばした。言うまでも無く次の一秒を数えるよりも早く、リルゾールの追撃が飛んで来る。しかしブレイブはその与えられた僅かな時間を最大限活用して思考を働かせた。
(落ち着いて!! いくら姿が変わってもどんな能力を使っても、思考回路は同じ一匹のスライムなんだ!!
私がこんな状態の時、フォラスはどんな攻撃をして来る!? 振り上げた刀を頭に振り下ろす!? いや━━━━!!!)
「其のか細い首、へし折ってくれる!!!!」
(!! 来たッ!!!)
フォラス、正確には彼と同じ思考回路を持つ分身達は一斉に攻撃を仕掛けたり、出来る限り手の内を隠しておこうとする傾向があった。ならばこの状況でリルゾールは既に判明している攻撃より新たな方法を試みる可能性が高いと考えた。
結論から言うと、その予測は当たっていた。リルゾールの追撃は脚の部分をネシアの鱗と筋肉に覆われた強靭な尾に変化させた、不意打ちの蹴りだった。
「《
「ぬっ!!?」
ブレイブは自然な形で下げていた手の平に特殊な肉球を発現させた。それは向かって来るあらゆるものを弾き飛ばす性質を持つ。それを発現させた掌でリルゾールの
「はぁっ!!!!」
「っ!!?」
リルゾールの蹴りを受け止め、その状態から掌底を繰り出す要領でブレイブは迎撃した。ネシアの強固な鱗と強靭な筋肉、それらが総合した攻撃力がそのままリルゾールを吹き飛ばす衝撃に転化する。片脚が空中にかち上げられ、ブレイブを前にして隙を晒す。
間髪入れずにブレイブは追撃を試みた。片脚を斜め前に出して身体全体を軸回転させ、その遠心力を全て乗せて渾身の蹴りを見舞う。その蹴りには更なる能力も付与されていた。
「《
「!!!?」
ブレイブが叫んだその
眩い光を発し、大砲の一撃とも見紛うその蹴りはリルゾールの身体を吹き飛ばした。
「………成程な。蹴りを
「!!!」
シャルディアが育て上げた巨大な植物、そこから数十メートル程離れた高い木の上にリルゾールは着地し、ブレイブに向き直った。その腹部にはブレイブの蹴りによって風穴が開いている。
通常ならば戦闘は疎か生命維持すらままならない程の重傷に見えるが、リルゾールは涼しい顔をして立っていた。いくら人間に近しい見た目をしていようとも、敵は変幻自在のスライムなのだ。ブレイブの健闘を否定するように、その風穴も元通りに閉まる。
「じゃがまぁ、シャルディアの首を容易く取れそうじゃと言った事は撤回してやろう。シャルディアは満身創痍じゃとしても、貴様はその目的を阻むに十分な力を持っている。そう認めてやろう。」
「………………何が言いたいの!?」
「もう既に
「!!!!!」