転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

447 / 518
447 砂と恐竜 牙を剥く!! ダクリュールの本領発揮!! (前編)

世界樹とは風妖精(エルフ)の里の中心地に聳え立つ巨大な樹木である。正確には妖精族が世界樹の根元を生活の拠点に選んだという表現が正しいが、それには明確な理由がある。世界樹には魔力を浄化させる特殊な蒸散作用がある。妖精族はその側で生活する事により傷付いた身体を癒し、その寿命を更に伸ばす事が出来るのだ。

また、ギリスは言った。世界樹を破壊する事は何者にも出来ない と。しかし、世界樹を破壊する事は出来ずとも世界樹を機能停止(・・・・)させられる存在が風妖精(エルフ)の里に現れた。その人物の能力は植物を魔界の植物へと変化させる事が出来る。その能力を今、世界樹に向けて行使しようとしているのだ。

 

*

 

「せ、世界樹を、魔界の植物に…………………!!!?」

 

そのたった一言に秘められた意味は、ブレイブの想像を絶する程の脅威を秘めていた。世界樹は妖精族の心身の拠り所となっているだけでは無く、魔力の循環にも作用している。その世界樹が魔界の植物に変えられる、その影響は計り知れない。

下手をすればその一手だけで世界が文字通り壊滅する可能性すらあるのだ。

 

「そんな!! と、止めないと━━━━!!!」

「それは私がやる!!! お前は他の所に行けと言ったろう!!!」

「!! グラトニー!!!」

 

グラトニーのその目は只管にリルゾールへ向いていた。その眼光だけで相手を絶対に仕留めるという強い意思がひしひしと感じられた。

彼女の手には変身アイテム(フェデスタル)を中心に展開された魔法陣が握られている。魔力を練り上げて一点に放出する彼女の十八番だ。

 

「撃ち落とされろ!!!!」

「はぁっ!!!」 「!!?」

 

グラトニーの光線は空を切った。リルゾールは瞬時に肩からアギラの翼を生やし、大気を叩いてその勢いで舞い上がった。通常のグラトニーならば問題無く見切る事が出来ただろうが、初見の能力に出し抜かれた形だ。

 

「何だ、あの翼は……………!!?」

「そうだグラトニー!! フォラスはリルゾール以外の分身も持ってるの!! 鳥と鬼と猛獣と魚が!!」

「食らって遺伝子情報を奪ったという訳か。だが問題はない!! 直接あの手羽を斬り落としてやれば良いだけの話だ!!!」

「はっ!! 気の長い連中よ!! 何故儂が世界樹に着く迄安全じゃと言える!!?」

「!!?」

 

次の瞬間、リルゾールの口から発せられた言葉はブレイブ達の意識から抜け落ちていたものだ。世界樹を魔界の植物に変える、それ以上に不穏な策だと言うのに、当の昔にやり過ごしたかのように錯覚していた。

 

「オオガイが先程何と言うたか覚えておらんか!!? 彼の小生意気な小僧に一度は阻まれたが誰一人として諦めてはおらん!! 儂の究極魔法の発動こそが其の合図(・・・・)よ!!!」

『!!!!!』

 

オオガイはつい先程、『配置に就け』と言った。ニトルの起点によって各個撃破の状態に持ち込めた事でその策は未然に封殺出来たと誰もが思っていた。リルゾールの言葉によってそれが甚だしい思い違いだったと理解させられる。脅威は何一つとして去っていないのだ。

 

「聞こえておるな虚け共!!! 今こそ好機じゃ!!! 今度こそ配置に就き、召喚を完了させろ!!!!」

「!!!!」

 

 

 

***

 

 

 

リルゾールの究極魔法が発動する数分前、ある場所で劇的な戦況の変化が起こっていた。

 

「ぐぅっ……………………!!!」

「ガッハッハ!!! もう立ってる位が限界か!!? やっぱり聖騎士(パラディン)が調子に乗って俺達に喧嘩を売ったのが間違いだったんだよ!!!」

 

戦ウ乙女(プリキュア)達と協力関係にある聖騎士(パラディン)の騎士団 《星聖騎士団(クルセイダーズ)》。その九番隊隊長を務める女性 ハニ・ミツクナリ。彼女は全身に生傷を携えながら、苦悶の表情で片膝を突いた。

そこまで彼女を追い詰めたのは戦ウ乙女(プリキュア)の敵の一人であるダグリュールという男。彼は成り行きでハニとの一騎打ちに縺れ込み、ハニを追い詰めている。自分の目的を阻む者には性別という概念は無いのだ。

 

「……………他の奴等は立派にテメェの仕事をやってるってのに俺がこんな女騎士一人に時間を稼がれてるってなったら面子が丸潰れだなァ。

仕方ねぇ。ちょっと体力削っちまうが、全力でお前を挽き肉に変えてやるか。」

「!!!!」

 

ダクリュールの表情が歪に綻ぶ。その宣言にハニの背筋に何度目かも分からない緊張が走る。

 

「なぁ、知ってるだろうが俺の究極魔法(アルティメットギフト)は二つある訳だが、その内の一つじゃお前を倒し切るのは厳しそうだ。ならどうすりゃ良いと思う?

簡単だ!!! 俺の二つの究極魔法(アルティメットギフト)を二つ使ってお前を叩き潰す!!!!!」

(!!! 来るっ!!!!)

 

瞬間、ダクリュールの周囲の砂や土や石が不自然に巻き上がり、彼の全身を覆った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。