転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ダクリュールとディスハーツは、先程の謎の木の根の攻撃が誰によって行われたのか見抜いていた。その人物は滅多な時にしか姿を現さず、そして非常に傲岸不遜な性格をしている。
二人はこの攻撃によってレオーナとハニを纏めて一網打尽にできるかもしれないという望みが潰えた事に加え、攻撃してきた張本人が周囲に自分達という仲間がいるにも拘らず平然と攻撃してきたという事実に憤っていたのだ。
「━━━━なぁどうする?
「必要ないでしょう。確かに巻き添えを貰いかけたのは腹立たしいですが、キュアレオーナを虫の息にしてくれたのです。それで手打ちとしておきましょう。」
「お前がそう言うなら別にいいか。ならこの胸にわだかまってるモン全部ぶつけて、今度こそこいつらをズタズタのひき肉にしてやるぜ!!!」
「!!!」
その言葉とともに、ダクリュールの砂の鎧。その両腕から何本もの棘が生えた。言うまでもなく砂を凝縮、硬質化させたものだ。その光景を前にしてハニは、彼のひき肉にするという啖呵も比喩表現や物の例えではない、文字通りの宣言なのだと理解させられた。
「『こいつら』ですって? 何を堂々と独り占めを宣言しているんです。」
「ア? どういう意味だ?」
「あの
幾度も私の面子を潰し、この顔すらも傷物にしてくれた高い高い借りは、この場で耳を揃えて清算しなければならないのです!! この私の
「!!!!!」
ディスハーツの両腕に雷が迸り、ハニ達に向けられている。その直後の光景が頭に過り、ハニは咄嗟にレオーナを抱えるフェフミリアの前に移動して剣を構えていた。つい先程、命が潰える最後の瞬間まで絶望しないと誓った、その決意を更にルべドの存在が支えていた。
「…………何のつもりですか。今すぐそこをどきなさい。」
「どいたらどうするの!!? ミーアちゃんを殺すんでしょ!!!?」
「どかなければ貴方も纏めて消し飛ばしますよ。何を勘違いしているのか知りませんが、その矮小な剣一本で受け止められる筈が無い。躯が二つこの場に倒れて、それで終わりです。」
「それでも下がる訳にはいかない!!! 私は
行って!!!!!」
『!!!』
その瞬間、ダクリュールとディスハーツの意識は上空で起こった異変に集中していた。視線を上げると、後方上部へ飛び立っているフェフミリアの姿があった。その光景を見て反射的にディスハーツは
「小癪な!!!」
「《
「ッッ!!!!?」
フェフミリア目掛けて
左肩の負傷で、反射的に構えが緩む。それによって雷魔法で強化された磁界が歪み、雷は四散し、その中心にあった弾丸である金属塊は地面へと落ちる。
「勘違いしてるのは貴方の方!!! 多少特別な力を手に入れたって人間なのには変わりない!! 剣が通らない筈は無いの!!!」
「………………そうですか。ならばその愚かしいまでの騎士道に敬意を表して、人間の貴方を叩き潰してあげますよ!!!!!」
その時、ハニは己の死を悟った。勝負を投げた訳でも、命を粗末にした訳でもない。しかしキュアレオーナを、ミーアをこの場から助け出して命を繋ぎ止める可能性を少しでも残す、その為に自分の命を使い果たす覚悟はあった。
レオーナはつい先程、横槍を受けて決定的な負傷を負った。それは言葉では表現しきれない程の不運だったと言える。或いは天がハニに味方をしたのか、或いはこの場の幸運不運の勘定を調整する働きの結果か、兎にも角にも次の瞬間に起こった事はこの
『ビュゴォッッッ!!!!!』
『!!!!?』
それはハニ達の上空を切り裂いた赤い彗星のように見えた。それが何者かが高速で移動した結果の現象である事は全員が即座に理解したが、迸る魔力の量が凄まじいが故にその中心に居る筈の人物の姿は視認出来なかった。更にその速度は周囲の空気を巻き込み、突風を巻き起こし、全員の動きを強制的に制止させた。
この一瞬こそがハニとレオーナの命を救う契機となる。それを引き起こしたのはリルアことキュアグラトニーだった。