転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ハニ達の頭上を凄まじい速度で通過した謎の赤い物体。その正体にいち早く気付いたのはダクリュールとディスハーツだった。その理由は先程の木の根の攻撃が誰によって放たれたのかを知っていたからであり、そこから推理する事が出来たからだ。
攻撃の張本人はフォラスの分身体の一人、嘗ての魔王の娘 リルゾール・ミストルテインの遺伝子情報を盗み取って己が力と変えている。そしてその行為は魔王リルア・ナヴァストラを激昂させるものだった。だからこそ先程の赤い光の中心にいたのが彼女であるという推測に至る事が出来たのだ。
そして二人は更にもう一つの事実を知覚する。魔王リルア・ナヴァストラ、現
『なぁ、リルアがあいつに向かったって事はコキュートスは自由って事だよな?』
『カイという男を計算に入れないならそうなりますね。そうでなくとも動きやすくなっているのは間違いないでしょう。』
『だな。で、あいつは
『えぇ。では自ずと
その十数秒の会話で二人の次の行動は決定した。その際、ハニは先程の赤い光が何なのか、自分を取り巻く状況が変化したという事実、これでレオーナが助かるかもしれないという可能性、そして次の二人の行動など、様々な情報を脳内で処理する為に一瞬 硬直した。その一瞬の隙が、情報戦での差が明暗を分けた。
『キュアレオーナは取り逃がしましたが、見方を変えればこれで相手は手負いの
『おうよ。しぶとい女に違いはねぇがあんな奴一人出し抜けねぇ俺じゃねぇよ!!』
『その言葉、くれぐれも忘れないで下さいよ。これでも私は貴方を信用しているんですからね。』
「《
「!!!?」
ディスハーツが重力で身体を引っ張り、高速移動を行った。しかしその方向はハニに向けてではなく、先程自分が殴り飛ばされてダクリュールの砂の恐竜に激突した方向と逆方向だった。それはまるで自分が元居た場所に向かっているようだった。
そう考えた次の瞬間にはディスハーツの行動の意図、そして自分が大局的な判断を見誤った事を理解した。ディスハーツに向けて再びはためかせ伸ばした剣を振るうが、既に遅かった。
「《
「!!!」
ダクリュールが地面を踏みしめて能力を伝え、土を練り固めた壁を形成した。ハニの剣はその壁に阻まれる。それによってディスハーツは完全にハニの射程圏外に逃れた。
「…………………ッッ!!!」
「ハッハッハ!! 判断見誤ったなノロマが!! レオーナを助けられて満足したか!!? すぐに俺達の全力をぶつけてお前もレオーナも骨ごと粉々にしてやるから楽しみに待ってろ!!!」
この場でディスハーツを取り逃がす。それは即ち彼等が配置に就く事で起こる謎に包まれた奥の手が発動する危険性を高めるという事だ。その事実がハニの背筋を凍り付かせた。
***
ブレイブはリルゾールの言葉を聞くまで、
敵も味方も誰一人として指摘はしないが、
(す、すっかり忘れてた!!
それにあのリルゾールはフォラスの分身体だから発動には関係ないし、それにグラトニーが相手させられてるのが何より━━━━!!!
どうする!? グラトニーの方に行く!? でもシャルディアさんをこのままにしておくわけには━━━━!!)
「!!」
自分の思考を判断しかねているブレイブの視界の端に、自分の方向へ向かって来る者があった。最初、ブレイブはそれが敵の援軍では無いかと考えて剣を構えた。その理由はその者がブレイブにとって見ず知らずの大きな鳥だったからだ。
しかし即座に敵では無いという認識に至る。それはその見ず知らずの鳥が良く知っている人間を背負っていたからだ。
「レオーナ………………!!?
!!!」
その鳥はキュアレオーナを背負っていた。そして鳥が自分の方に近付き、レオーナの詳しい状態がブレイブの視界に映る。レオーナは全身、特に口から血を流していた。満身創痍である事は一目で分かった。