転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
鼓膜を破ってしまいそうな強烈な爆発音、耳を劈く無数の打撃音。そして拳と拳のぶつかり合い。それだけの音が重なって響いている理由は、西区という狭い場所に何人もの人間が入り乱れているからだ。
方やは漆黒の肉体を持つ蟲人族の格闘家 ゼシオンと紫色の悪しきスライム フォラス、更に彼等が召喚した大量のチョーマジン。それだけの人間が入り乱れる、西区は正に修羅場と化していた。
「ぬあああああッッ!!!」
「何度やっても無駄な事だ。お前のような若輩者に此の防御は破れん!!!」
キュアフォースの独自の武器の
それはハッシュやヴェルド、フェリオも同様だった。大量のチョーマジンを、その素体の生命の消失をある程度割り切っていても、ハッシュとヴェルドの二人では一向に数を減らせないし、フェリオに至っては彼女の
更に、その突破口を見出せない現実に追い打ちが掛かる。それはリルゾールの鶴の一声。敵の奥の手を今度こそ発動させるという宣言だった。
「ほほぅ。流石は
「フォラス!! 能書きは良い。お前は本来の場所に行け!! 此処は私の担当だ!!」
「ハッ!! 貴様に言われんでも分かっておるわ!!!」
フォラスがそう得意気に宣言した瞬間、真っ先に行動を起こしたのはフェリオだった。フォースもハッシュ達も手一杯の現状、自分こそがフォラスを止めなければならないという使命感、或いは強迫観念に駆られていた。
それに気付いたフォラスは、だからこそ不敵に口角を歪め、フェリオの決意をせせら笑った。
「必死こいた面をしても無駄じゃよ女狐が!! 貴様の能力では儂の命には断じて届かん!! 尤も、馬鹿正直に殴り合ってやるつもりもないがな!!!」
『ドパァンッ!!!!』
「!!!?」
フォラスの身体が弾け飛んだ。目の前の現象を言い表すならその表現以外に無いだろう。
しかしそれはフォラスの生命の喪失などでは決して無い。それは分身、或いは分裂だった。その行動が持つ恐るべき意味を瞬時に見抜いた。
「ハッハッハ!!! 惑え惑え!! 儂は儂の中の一人でも持ち場に就けば貴様らに引導を渡せるのじゃぞ!!!」
フェリオやフォースの背筋が凍り付く中、フォラスの得意気な宣言が声高に響いた。
***
しかしそれには一切の薄情さは無く、純然たる信頼だけがあった。
「リルゾールの力を手にするとは、目が高いと言ってやろう。だが俺の仲間に手を出し、その尊厳を踏み躙った代償は高く付く。お前の命では頭金にもならないくらいにな!!!!」
嘗ての魔王ギリス。彼は憤っていた。彼にとってもリルゾールは妹も同然の大切な存在だった。その彼女の尊厳を侮辱し、その力を今の仲間達に向けられた。寧ろ憤って正常と言うべき反応だった。
ギリスが相対しているのは襲撃した敵の中で最強の大男 オオガイ。彼の膂力と今のギリスの実力は互角だった。しかしそれはギリスが力を抑えているからだという事を、他でも無いオオガイが一番良く理解していた。
「ハッ!! 大昔ならいざ知らず、今の衰え切ったお前に何を言われようが屁の河童だぜ!!」
「何?」
「そうだろう!!? お前龍の里でどうなった!!? 大技一発かましただけで寝込んだんじゃないのか!!?」
「━━━━成程な。お前達の情報は随分古いらしい。
確かに俺は衰えたが、ブレイブが力を付けるに連れて俺も力を取り戻しているんだ。それで聞くが、あいつは今どれくらい強くなっていると思う? 新しい能力を何回見た?
今の俺が龍の里と比較になるかどうか、その身で確かめてみろ!!!」
「!!!」
その言葉と共にギリスはオオガイとの距離を一気に詰めた。その手には赤黒い光が込められている。
「《
「!!!!?」
それは嘗て、龍の里でヴェルダーズを撃退した一撃。当時よりも更に強化されたそれがオオガイの胴体に炸裂した。