転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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460 風妖精(エルフ)の里に降臨する悪夢!! 厄災大魔人バサラ!!! その②

厄災大魔神 バサラ

それがギリスの前に立っている怪物の正式な名前だ。バサラはオオガイの後ろに立っていながらギリスが見上げなければならないほど、即ちオオガイを大きく上回る巨体を誇っていた。

 

因みにギリスは知る由もない事だが、チョーマジンの強さはヴェルダーズの力の純度(・・)で決まる。

ブレーブ(・・・・)が戦った生物や物体を素体とした通常のチョーマジンは力の純度が一番低く、故にヴェルダーズから力を与えられた者なら誰にでも確実に召喚が可能となる。

その上位種である影魔人(カゲマジン)は、ヴェルダーズの力に適性を持つ人間を素体とした時に低確率で発現する。その力の消費の際の損失は通常種よりも低く、より効率的に戦闘能力を発揮出来る。

 

そして、オオガイ()が召喚したバサラは素体が存在しない、言わばヴェルダーズの力そのもの(・・・・)である。その為召喚の条件は困難を極めるが、その力は今迄のチョーマジンとは比較対象にすらならない。

何の判断材料も持ち合わせていないギリスだったが、自分がこれから何を相手にしなければならないか、その力の程は即座に理解した。

 

*

 

(完全に読み違えた!! これは言い訳のしようも無い俺の落ち度だ!!!)

 

敵が思い描いた策を発動させてしまった事実を目の当たりにして、ギリスは自分が心の何処かで慢心してしまっていた事を理解した。

かつて最強の魔王だったという事実が心の奥底で今でも深く根付いていた。警戒すべきはヴェルダーズだけで、その配下は自分の脅威にはなり得ない と。

つい先程までオオガイを追い詰めていた事が、逆に自分を追い詰めてしまっていたのだ。

 

(いや、そんなことは今はどうでも良い!!! あいつが何者だろうと何もさせるな!!!

残る体力は考えるな!! 渾身の《混沌之王(アスタロト)》で骨も残さず消し飛ばす!!!!)

 

ギリスは目の前の敵を排除する事だけに意識を集中させた。それこそが自分の失態を精算する唯一の方法だと理解した。

眼前に指を伸ばし、一気に力を込める。この一撃に残る体力の全てを注ぎ込む勢いだった。

 

『ドゴォッ!!!!!』

「ッッッ!!!!?」

 

眼前の空間に力を注ぎ込んで歪めるその一瞬は、敵には十分すぎる隙だった。バサラは一歩でギリスとの距離を詰め、その鳩尾に渾身の蹴りを叩き込んだ。

 

『ズドォンッ!!!!!』

「!!!!!」

 

目の前の新たな脅威を、決して侮ってはいなかった。しかしバサラの脚力はギリスの予測の遥か上を行った。

その蹴りは、ギリスの身体を遥か遠くまで一気に吹き飛ばした。

 

 

 

***

 

 

『ズビュウッッッ!!!!!』

「ッッ!!!!?」

 

上空で敵の秘策の正体が魔法陣による刺客の召喚であると真っ先に理解したブレイブの視界に、超高速で吹き飛ばされる物体の、その残像が辛うじて飛び込んで来た。

その物体の運動の始点が、紫色の巨大な魔法陣の中心(・・)だった場所だと気付き、ブレイブはある最悪の可能性に至った。

 

(ま、まさか今のって、ギリス・・・・・・・・・・!!!!?)

「!!!」

 

魔法陣の中心だった場所に視線を向けて、ブレイブはそこに立っていたオオガイの姿を認めた。彼は一言で言えば満身創痍であり、特に右腕は骨も破壊されている程の重症だった。

それは即ち、ギリスがオオガイをそれ程までに追い詰めていたという事である。だからこそ(・・・・・)ブレイブは戦慄した。

 

魔法陣の中心にオオガイが居るという事は、先程吹き飛ばされたのはやはりギリスという事になる。

そのギリスを、当時のブレイブが手も足も出なかったオオガイを追い詰めたギリスを軽々と吹き飛ばす程に、風妖精(エルフ)の里に現れた新兵の強さは圧倒的だという事だ。

 

「・・・・・・・・・・・・・!!!」

 

オオガイは新たに召喚したそれを、バサラと名付けた。その外見、特に頭部は凡その生物の道理からは明らかに逸脱している。髪も鼻も口も無い頭部に備わった十数個の眼球がブレイブを見た。

バサラと目が合って漸く理解する。自分が目の前のバサラに抱いていた恐怖の理由を。

 

今までのチョーマジンは、生物や人間を素体としていた。それ故に生物としての面影を残していた。

しかしバサラに素体は無く、純然たる厄災ヴェルダーズの力の塊である。故に生物の構造から外れているのだ。

 

まるで他人事のように、戦場という場において非合理な推測がブレイブの脳裏を埋め尽くしていた。それが命取りである事に気付いたのはほんの一瞬後だった。

 

『ゴッッッ・・・・・・・!!!!!』

「!!!!?」

 

ブレイブは焔之神鳥(ガルダ)の翼で空高く飛び上がっていた。しかし翼を携えたバサラにとってその距離など問題ではなく、ブレイブもまたバサラの射程距離の中に居た。

理解した時には全てが遅く、バサラの拳がブレイブの脇腹に直撃していた。

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