転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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461 風妖精(エルフ)の里に降臨する悪夢!! 厄災大魔人バサラ!!! その③

風妖精(エルフ)の里に居た人々は皆、半ば反射的に上空を見上げた。そして皆が一様に、目の前に広がる光景に目を見開いていた。

何故なら、キュアブレイブ、この風妖精(エルフ)の里において最重要人物の一人である彼女が謎の巨人の拳を諸に食らっていたからだ。

 

否、その新たな敵は巨人と言うには生物の理から大きく逸脱した外見をしていた。白い巨躯に十数個の眼球しか付いていない顔面は、見る者全てに本能的な恐怖を与えた。

 

新たに戦況に召喚されたその白い巨人はチョーマジンの最上位種、名は厄災大魔神バサラ。

誰もが否応無く理解させられる。自分達が置かれている戦況は最早一変した事を。今この場において最も警戒すべき敵はあの謎の巨人なのだという事を。

 

『ズガァンッッッ!!!!!』

「!!!!!」

 

バサラが拳を振り抜いた。言語化すればそれだけの動作だが、それによって生じた力は常軌を逸していた。

ブレイブの身体は吹き飛び、一瞬の内に風妖精(エルフ)の里の辺境へ叩き付けられた。自分より遥かに力に恵まれている彼女が為す術も無く吹き飛ばされるというその光景は、目撃していた者全員に強烈な衝撃を与えた。

そしてそれは、ブレイブと同じ戦ウ乙女(プリキュア)であっても例外ではなかった。

 

*

 

「ブレイブ!!!!!」

 

その声の主は、嘗ての魔王リルア・ナヴァストラが変身する戦ウ乙女(プリキュア) キュアグラトニー。

今、彼女は世界樹を守る為に奮闘している。本来世界樹はとてつもなく頑丈であり、物理的な力での破壊は困難を極める。

しかし世界樹の機能を奪うという意味では、それも可能になる。それが出来る人間がグラトニーの目の前に居る。

 

その敵はグラトニーが良く知る人物。その人間の力を悪用し、世界樹に牙を剥いている。その力は植物を魔界のものに変える究極贈物(アルティメットギフト)魔樹之王(ゴエティア)》。力の持ち主は嘗ての魔王の娘 リルゾール・ミストルティンの遺伝子を奪い取ったフォラスの分身体。二人はそれぞれ翼を羽ばたかせて熾烈な空中戦を繰り広げていた。

 

「な、なんだ、あれは・・・・・・・・・・・・・!!!」

「其れは儂に聞いておるのか? 人目見れば分かるじゃろう!? 彼れこそが儂等の真の奥の手じゃよ!!!

つまり貴様は、親友の故郷が窮地に陥っておる時に無為な時間を割いていたのじゃよ!!!」

 

フォラスの分身体は、リルゾールの美麗な表情を醜く歪めてグラトニーを笑い飛ばした。

バサラの召喚が成功した事で戦況は大きく一変した。リルゾールは世界樹を魔界の植物に変えるという脅迫でグラトニーを誘い、彼女を引き付けた。

その点においてリルゾールはバサラの召喚に大きく貢献したと自負している。その事実がグラトニーの精神を動揺させていた。

 

「儂は寛大であるから、貴様に選ばせてやる!!

今無様に殴り飛ばされたキュアブレイブに助太刀に行くか!!? 其れとも此の儘儂が世界樹に向かうのを邪魔立てするか!!?」

「・・・・・・・・・・・・・!!!」

「儂の言わんとしておる事が分からんなら言い換えてやる!!

キュアブレイブか此の里か!!! どちらを見捨てるか今此の場で貴様が決めろ!!!!」

「!!!!」

 

 

***

 

 

「━━━━ングッ・・・・・・・・・・・・・!!!

ゴハッ!!!」

 

里の辺境に横たわったブレイブは、口から血の塊を吐き出した。バサラに殴られた腹部の内側では内臓がひしゃげ、その出血が食道を通って口から吹き出た。

ブレイブの脳内は一抹の負の感情と、膨大な恐怖に覆い尽くされていた。しかしその一方、心のどこかで新たな敵であるバサラの力の程を冷静に分析してもいた。

 

(ギ、ギリスを蹴飛ばして、空に飛んでいた私に一発で跳び付く足の力、それに、私を吹き飛ばしたパンチ力、身体能力が尋常じゃない・・・・・・・・・・・!!!)

 

ブレイブは意識を現実へと持って行き、気合いで立ち上がった。それで辛うじて足が負傷していない事を理解する。不幸中の幸いにも、胸部にも、肋骨の骨折などの致命的なダメージは見られなかった。

その事実に安堵し、自分が今置かれている現状に目を向ける。

 

(ここは何処だろう。誰かが戦ってるような音は聞こえない。

って事は、殴られた角度や強さからして、風妖精(エルフ)の里の境・・・・・・・・!!?)

「!!!」

 

周囲の状況に目を向けていた最中、上空に唯ならない気配を感じた。上空に視線を向けると、バサラが一直線に迫って来ていた。

二対四枚の翼で空気を叩き、その推進力でブレイブに肉薄する。一瞬恐怖に頭を支配されたブレイブだったが、即座に意識を切り替えて闘争心を引き出す。

 

(あれが恐ろしい力を持ってるのは十分分かった。だけどやるしかない。それに、勝算はある!!!)

 

ブレイブは力強く右手を握りしめた。その手にあるものがバサラに通用する可能性に自分の命運を賭けた。

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