転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
勝算はある、と心の中では言いつつも戦況は最悪と言って良い程に分が悪い事をブレイブは自覚していた。
その勝算とは、ブレイブが賜った刀剣系
ならばバサラの肉体も同様に、刀剣系の刃が直撃すれば負傷は避けられない。それこそがブレイブの勝算である。
無論の事、これは非常に分の悪い賭けである。バサラは言わば、ヴェルダーズ達の奥の手である。ならばそれに、全く刀剣系の対策をしていない可能性は低い。
それ以前に、バサラに攻撃を命中させる事すら困難を極める。肉薄してくるバサラの攻撃を読み切り、刀剣系の刃を命中させる必要があるのだ。その為には一瞬の時間の狂いも許されない。読み違いの先に待っているものは、自身の死だ。
「・・・・・・・・・・・・・!!!」
バサラの顔面が、白い顔に十数個の眼球だけが付いた不気味な顔面が刻一刻と迫って来る。ギリスを蹴り飛ばした今、キュアブレイブを最重要警戒対象と見なして攻撃をしているのだろう。
ブレイブの度重なる戦闘経験が、バサラの肉体が自分の射程距離に入る瞬間を知らせる。その予測に確実性は無いが、自分を死の運命から救い勝機を切り開く可能性があるだけで十分だった。
(まだだ。ギリギリまで引き付けてから《
バサラに知能があるのかどうかは分からないが、一度でも刀剣系の攻撃を防御されると対策されてしまう可能性がある。それだけで自分達の勝率は格段に低下してしまう。その命運がこの一瞬に掛かっている。
「(来たッッッ!!!!!)
《
バサラが自分の刃の射程距離に入った瞬間、ブレイブは渾身の力で《
『ガァンッッ!!!!!』
「!!!!?」
その甲高い音は、《
その音の方向へ視線を向けると、バサラが右手に持った剣でブレイブの攻撃を受け止めていた。
一瞬の衝撃の先に、ブレイブはやはり敵が刀剣系の対策をしていたのだと理解した。
バサラはヴェルダーズの力そのものである。それは手に持った剣も例外ではない。ヴェルダーズは予め、バサラの剣に能力を付与していたのだ。
刀剣系
「グッ!!! まだまだァ!!!」
『ズガッ!!!』
ブレイブは意識を追撃のみに集中させた。
体を捻る事で剣同士の力の拮抗を崩し、バサラの剣を地面へ激突させる。その一瞬の隙をついて飛び上がり、再びバサラの顔面に《
(《
今度こそ真っ二つにする!!!!)
バサラはオオガイを軽く超える程の巨体の持ち主である。今回はその体格差が隙を生んだ。
唯一の刀剣系の防御策の可能性が高い、右手の剣が地面へ突き刺さった一瞬の隙を突いて懐へ飛び込む。その際の体の回転運動を剣に乗せて、必殺の一撃を見舞う。
『ギャンッッッ!!!!!』
「ッッッ!!!!?」
ブレイブの追撃は、バサラには届かなかった。
最初、ブレイブは自分の視界が白く潰れたと思った。殆ど反射的に《
視界の変化の直後、ブレイブが認識したのは身を焼くような熱と、押し戻されるような力だった。
その認識によって、ブレイブは今自分が魔力を放出する、そのような攻撃を受けたのだと理解する。真に恐れるべきはその攻撃の威力ではなく、一切の予備動作無くブレイブが攻撃するより早く魔力を打ち出した、その技の出の早さである。
「ウガッ!!!」
魔力の勢いに押し流され、ブレイブは遂に地面へと叩き付けられた。それを見計らったかのようにバサラの攻撃が止む。
バサラは顔面に魔法陣を展開していた。先程の魔力の放出はそこから放たれたものだったのだ。
ブレイブは苦悶の表情を浮かべて目の前のバサラを見上げる。自分は確かに恵まれた力を持っているが、それを以てしてもこの一変した戦況を変える事が出来ない。