転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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464 風妖精(エルフ)の里に降臨する悪夢!! 厄災大魔人バサラ!!! その⑥

ギリスが蹴り飛ばされたその瞬間、ブレイブは人の手を借りる事を放棄していた。今や戦場に現れた新たな敵、バサラを相手取れるのは自分以外にいない と。

だからこそ、戦ウ乙女(プリキュア)が三人も一斉に現れるなどというこの状況はブレイブにとって予想外であり、その一方で僥倖でもあった。

 

バサラが渾身の拳を地面に外し、それによって一瞬生まれた隙を突いてブレイブはフォース達の元へ駆け寄る。幸運にもバサラの意識は新たに眼前に現れたフォース達に向いた。

 

「おいおいお前、ボロボロじゃねぇか!! やっぱさっき上空(うえ)でぶん殴られてたのはお前だったかよ!!!」

「大丈夫だよこんなの、ギリスやシャルディアさんに比べたら・・・・・・!!!

それよりフォース達は何でここに!? そっちも戦ってたんじゃ━━━━!!?」

「それなんだよ! あいつら、舐めた真似しやがったぜ!!

野郎共、トンズラこきやがったんだ!!!」

「!!?」

 

 

 

***

 

 

時はブレイブがバサラに殴り飛ばされた直後まで遡る。

風妖精(エルフ)の里の各地でその事実は一瞬の内に駆け巡った。それを確かに認識した者も居れば、目の端で朧気に見ただけの者も居たが、その誰もが自分達にとって良からぬ事が起こったのだと理解した。

 

そして上空を見上げて、不敵に口角を上げる者が居た。

その人物は魔王ギリスと勇者ブレイブが盤上から排除された事に少なからず達成感を抱いていた。

 

彼の名はオオガイ。全身、特に右腕を負傷しているがその心は凪のように穏やかだった。呼び寄せたロック鳥のチョーマジンの背中に乗り、空高く飛び上がる。そして里全体に響き渡る程の大声で宣言した。

 

「お前達!!!! もう分かっているだろうが俺達の作戦は遂行された!!!

俺は撤退する!!! 負傷している者、戦闘の必要性を感じない者は、三人まで随行を許可してやる!!!」

 

オオガイの宣言を聞いた瞬間、爆発的な脚力で跳び上がった者が三人居た。フォラスとゼシオン、そしてディスハーツの三人だ。フォラスが肩からアギラの翼を生やし、それにゼシオンが掴まって飛んだのだ。

それまでフォラスとゼシオンを相手取っていたフォースとフェリオは当然、精神を動揺させて制止を試みたが、それには反応が遅かった。

 

「!!! ま、待ちやがれテメェら!!!!」

「ガッハッハ!! 待てと言われて待つ阿呆が居るか!!! 貴様等はまたしても此の儂を取り逃がすのじゃよ!!!」

「キュアフォース。貴様の腕は悪くはなかった。ラド・シャオレンの妹なだけの事はあると、思っておいてやろう。」

「!!!!!」

 

フォースの精神を激昂させる言葉を吐き捨てながら、二人は眼前のオオガイに向かって行く。それと同時にディスハーツも向かっていた。残る体力を費やして、《重力之神(ネメシス)》の能力で空中を移動したのだ。

 

「おうおうディスハーツ、随分派手にやられたなァ。 メガネがお釈迦じゃねぇか!」

「軽く肉球で小突かれただけの事ですよ。

それよりサーオオガイの方が重症じゃないですか。特にその右腕が。」

「キツい事言うなよな。あのギリス相手にこれなら御の字だろ。お前なら四肢がもがれる程度じゃすまねぇぞ。」

「それはそうですね。口が過ぎたようです。」

 

バサラの召喚に成功し、ギリスとブレイブに決定打を与えられた事でオオガイ達の間に精神的な余裕が生まれている。

フォラスもその口角を更に釣り上げ、厳格なゼシオンも黙認していた。

 

「希望者はお前等か。駄目とは言わんが理由を聞いておくぞ。」

「えぇ。儂の分体が既にリルアと交戦しつつ世界樹を狙っております。此処は儂が撤退する事で身の安全を確保するのが賢明かと。」

「私の目的であるキュアブレイブの力量は測り終えました。バサラの召喚が完了した今、奴に加えて三人も居れば戦力として十二分だと判断させていただきました。

無論、残れと言われれば従う用意があります。」

「いや 十分だろう。ダクリュール達は、血の気がまだ抜けてねぇみたいだな。余程あの女が気に入ったらしい。」

 

オオガイは数十秒待っても撤退希望者が出てこない事からこの里の現状を分析していた。

 

「あぁ、そうでしたオオガイ殿。ご報告しなければならない事があるのでした。」

「何だ?」

 

フォラスはスキュアという、絶滅した筈の影妖精(スプリガン)の少女が現れた事、彼女がシャルディア達に復讐心を抱き、今はニトルと交戦している事を手短に話した。

 

「ほぅ。そんな事があったとはな。」

「えぇ。上手く抱き込めば新たな戦力にできる可能性もあるかと。今迄に三人も討ち取られているのです。人手を増やしておくのも悪くはないでしょう?」

「・・・・・・そうだなァ・・・・・・・・・!」

 

ロック鳥の背上から風妖精(エルフ)の里を見下ろし、そしてこれからの自分達の未来を思い描き、オオガイは不敵な笑みを浮かべた。

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