転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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47 格闘家の情熱! 武に捧げた半生!!

龍の里においては、贈物(ギフト)はさほど重要なものでは無い。これは、龍の里 長老の理念だ。

 

贈物(ギフト)を持ってないって本当ですか!? だって今ブレーブを………」

「それは【武術】じゃよ。

この里においては、わしの作った武術が贈物(ギフト)と同じくらい強いものじゃ。」

 

リュウは得意げにそう語った。

 

「詳しい話は向こうでやろう。リナ、お前も立ち会いなさい。

それから君、ホタル・ユメザキを龍神武道会に登録してくれ。」

 

リナと男に指示を出し、蛍達 全員がそれに従った。

 

 

***

 

 

「この里に代々伝わるお茶じゃ。君らの言葉で言うならブランド茶 といったところかの。」

「「はい。いただきます。」」

 

蛍とハッシュは出されたお茶に口をつけた。2人ともお茶に詳しくはなかったが、とても美味しいと思った。

 

「さっきも言った通り、わしには贈物(ギフト)というものがない。

そのわしが何故これほどの力を持つか 教えてやろう。」

 

 

リュウ・シャオレンは、当時 鎖国国家だった生まれたばかりの龍の里に生まれた。

龍の里では、当時 贈物(ギフト)という存在すらなく、格闘だけが里の竜人族に伝わっていた。

 

それから彼はひたすらに鍛錬を積み、蛍と同等の年齢になる頃には龍の里で1番の力をつけた。そのことを利用して彼は、もっと強い者を求め、龍の里を出て、旅に出たのである。

 

 

「……あの、それってまるで竜人族には贈物(ギフト)がない みたいに聞こえるんですけど。」

「いやいや 決してそんなことは無い。

ただわしらの里に贈物(ギフト)を持つ者がおらんかったというだけじゃよ。」

 

蛍の質問を軽く流し、リュウは話を続ける。

 

 

その後 リュウは、贈物(ギフト)の存在を知り、それを持つ者に完膚なきまでに叩きのめされた。

それからというもの、リュウは自らの格闘術を対 贈物(ギフト)用に鍛え直した。そして、彼は再び実力と自信を取り戻したのだ。

 

 

「…なるほど。それで彼女を……」

 

ハッシュは未だにブレーブを吹き飛ばしたことが信じられなかったのだ。

 

「そうじゃ。【必要な時 必要な術を発揮する。さすれば贈物(ギフト)をも跳ね除ける力が宿る】

それがわしが作り、そしてこの里に伝わる信条じゃ。」

「………なるほど…………。しかし、それからどうして総隊長と知り合ったんですか?」

「そんなことは簡単じゃよ。あの後すぐ、現役勇者じゃったルベドにスカウトを受けたんじゃ。そしてわしもより強い者を求め、やつの誘いに応じた。

そして魔王ギリスを討伐する勇者パーティーの完成というわけじゃ。」

 

今度は蛍が手を挙げた。

 

「その勇者パーティーって、何人いたんですか?」

「4人じゃよ。」

「4人?ルベドさんとあなたと、あと2人は?」

 

聖騎士(パラディン)女子(おなご)と、とうに死んだビーストテイマーじゃ。」

「ビーストテイマー?」

「そうじゃよ。聞いたことないか?伝説と謳われたテイマーの存在を。

名を レイン・クロムウェルと呼ぶ。」

「レイン……? ハッシュ君、知ってる?」

「それなら聞いたことあるよ。なんでも【テイムのために存在する究極贈物(アルティメットギフト)】を持ってるって。

確か 名前が………」

 

「【従属之神(アルテミス)】じゃよ。

いかなる獣をも配下にする、テイムにおいて、それを持つ者の右に出る者は1人としておらん。」

 

リュウは熱弁を続ける。

 

「それでその人、どうして死んだんですか?

まさか ヴェルダーズに攻撃されたとか━━━━━━━━」

「いやいや。あいつはちゃんと寿命で亡くなったのじゃ。その葬式をやったのがわしなんじゃからな。」

 

「「………………」」

蛍もハッシュも聞き入っていた。

 

 

「…とまあ、これがしがない老人の半生って事じゃよ。

それより君たち、龍神武道会について何か聞いおきたいことはあるかね?」

 

「……じゃあ、その武道会がいつやるか 教えてくれますか?」

「うむ。武道会の予選及び開会式は3日後、本戦は5日後じゃな。」

「3日後ですか……… 分かりました。」

 

 

 

***

 

 

「もしもしギリス?私私。」

『おお、蛍か。そっちはどうなんだ。』

 

蛍はギリスに電話をかけている。泊まっているのはリュウの屋敷の客室だ。

 

「私ね、ここでリュウっていう人に会ったの。ルベドさんとパーティー組んでて、ギリスも知ってるはずだって。」

『そうか。リュウに会ったのか。あいつ、まだ生きてたとはな。』

「うん。まるでヨボヨボだったんだけど、私 吹っ飛ばされちゃったよー」

『そりゃそうだろ。あいつはこの俺が手を焼いた達人なんだからな。

 

それはそうと、良さそうなやつは見つかったのか?』

「うん。候補なら1人見つかったよ。戦ウ乙女(プリキュア)になれそうなのが。

それで私、その子を引き入れるために、

 

龍神武道会に出ることになったの。」


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