転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
キュアグラトニーが思うように力を発揮出来ていないという事は、他でもないリルア自身が一番よく理解していた。かつての魔王の勇姿など見る影もない、十把一絡げの雑兵にも苦戦する不甲斐無さを、リルアは日を追う度に感じていた。
それは能力の衰えというよりは寧ろ、肉体の衰えと言える。リルア・ナヴァストラの能力の本領は、その膨大な魔力量にある。魔法の放出も肉体の強化も、それによって行っている。
今でもリルアは
仮に今の状態で無理矢理魔力を全盛の状態まで引き上げれば、三十秒と持たずに肉体は崩壊する。それはリルア自身が良く理解していた。
そしてリルアについての
***
「七時の方向から来ます!! 翼で防いで下さい!!!」
「おう!!!」
『ズガガガガガガッッッ!!!』
場所は
それは敵が翼をもって完全に制空権を握り、上空から様々なものを落とす戦法を取っているからだ。
その敵、ダルーバの幻覚の能力による猛攻を、タロスとエミレは弾き、捌き、防ぐ事しか出来ずにいた。
「はっはっは! 全く惨めだねぇ。そうやって悪足掻きの延命しか出来ないってんだから魔法警備団も程度が知れるって話だ。
はっきり言っておくけど、お前等はあのカーベルって奴に見捨てられたんだよ。キュアブレイブの方が助けなきゃならないってな。」
「!!!
っざけんな!!! あの人がそんな真似するか!!! 俺達はこの場を託されたんだよ!!
お前を引き付けて他の人の所へ行かせないのが俺達の役目だ!!!」
「ふーんそうか。俺の時間稼ぎね。
じゃあこの一撃でお前等二人共消し飛ばして、他の所に行ってやるよ!!!」
『!!!!』
ダルーバはそう言って次の一手を繰り出した。
それは一言で言えば大岩の幻覚。それまでの数にものを言わせた攻撃ではなく、質量に重きを置いた攻撃だった。
*
「カァッ!!!!!」
「ヌンッ!!!」
『ガァンッ!!!!!』
カイ・エイシュウが拳を繰り出し、コキュートスがそれを氷塊の盾で受けた。カイの渾身の一撃の衝撃が空気を伝わり、ビリビリという音を響かせる。
しかし、それでもコキュートスの氷の防御を突破する事は出来なかった。
(ぬぅっ!!! やはり《
「無駄ナ足掻キハ止セ カイ・エイシュウ。
確カニ、故郷ヤ過去デノ貴様ハソノ磨キ上ゲタ肉体デ勝チ続ケテイタノダロウ。
ダガ、コノ場ハ
コキュートスの言葉はカイの心に深々と突き刺さった。それは発言の内容が正鵠を射ていたからだ。
カイはあの日、龍神武道会に出場して蛍に出会うまではヴェルダーズと戦う事など夢にも思っていなかった。亡き親友 ラドの一件で彼等に因縁こそあったが、蛍の口から語られなければ死ぬまでそれを知る事は無かっただろう。
しかしだからこそ、カイは後悔など一切していないのだ。己が得た筋力も技術も、そして能力もラドの為に発揮する事が出来る。それが嬉しく、そして誇らしかったのだ。
しかし、目の前の現実はそのような感情を許さなかった。氷の能力で《
「カイさん!! やっぱり私も戦うよ!!! 私の
「ならん!!!」
カイにそう言ったのはリルアの妹、リズハだった。彼女は自他共に認める戦闘能力の乏しさから後方への避難を余儀なくされていた。
「そんな事をしてみろ、触れた次の瞬間には氷漬けにされるぞ!!!
何より私に恥をかかせてくれるな!! 私はリルア殿にこの場を任されているのだ!!! 故に私は君の無事な姿を再びリルア殿にお見せする義務がある!!!」
「ソウカソウカ。大シタ忠義心ダナ。
ソイツノ姿ヲリルアニ見セル事ガ義務ト言ウナラバ、私モ貴様等ノ死二様ヲアイツニ見セル義務ガアル!!!」
『!!!!!』
その言葉と共に、コキュートスは力強く地面を踏み締めた。それは里を襲撃した当初に見せた大規模な氷塊を繰り出す前の動作だった。