転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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482 守る者としての力!! 守護天使 ハニ・ミツクナリ!!! (庇護)

ここに一人の女性が居る。名を《アレスティア・オーゼイル(24)》。彼女の現在の(・・・)所属は星聖騎士団(クルセイダーズ) 九番隊副隊長である。

彼女は数年前まで星聖騎士団(クルセイダーズ)の九番隊隊長を就任していた。そして現在、その地位に就いているのはハニである。

 

しかし、その隊長の交代劇に一切の確執は無い。彼女、アレスティアは己の意思で隊長の座を退き、ハニに譲ったのだ。

それを決めた時の様子を、彼女はこう語っている。

 

「ハニ隊長に初めて会った時の事ですか?

そうですね。誤解のないように願いたいですが、正直に言いますと才能と伸び代を持っている、そんな印象を受けました。

元々の筋力もありましたし、剣の扱いも日を追う事に目に見えて成長していきましたから。

 

・・・こんな言い方をしてしまうとまるで子供扱いしているように聞こえるでしょう。ですが当時の隊長は成人もしていない、まだ何者でもない一人の少女だったのです。そう言えば私の言いたい事も分かるでしょうか。

 

しかしそれから数ヶ月後、私の認識は改められる事になります。隊長が鍛錬や実戦経験を積み、九番隊総出で魔物の生態を調査する遠征に出た時、私は隊長の力の真髄を見ました。

 

本来、その地域に出る筈の無いオークの大群が現れたのです。出し抜けの遭遇でしたからね、当然市民の皆様の避難など完了している筈もありません。

ですが結論から言いますと、死傷者は出ませんでした。数十体は居たオークの大群、その殆どを隊長が討伐したのです。隊長は後日、『自分が倒れたら後ろにいる人達が皆死んでしまう。そう考えたら体の奥から力が湧いてきた。』と語りました。

 

それを聞いた瞬間に私は理解したのです。ハニ・ミツクナリという女性は誰かを守る為にその力を発揮出来る、聖騎士(パラディン)になるべくして生まれてきた人だったのだと。数年後には私も超える力を身に付けるのだとね。

故に私は隊長の座を退き、ハニ隊長に譲りました。その決断を後悔はしていません。今の九番隊の姿を見て、誰が私の決断を否定出来ると言うのでしょうか━━━━」

 

 

***

 

 

アレスティアが語ったオークの大群に出くわした時の事を、ハニも同様に思い起こしていた。

無論、ダクリュールの力はたとえオークの力を数百倍にしても届き得ない。ダクリュールと言う男はハニがこれまで戦ってきた相手の中で最強の座に就くだろう。

しかし、ハニの精神は動揺していなかった。キュアブレイブ(ホタル・ユメザキ)という自分より若年で、戦闘経験も浅い少女が窮地に陥っている。再びそれを見た瞬間に、ハニはようやく理解した。

 

自分の命の燃やし方を、力の発揮の仕方をだ。自分が倒れたら他の誰かが死んでしまう。その窮地こそがハニの精神を前へと進めるのだ。

今、ダクリュールに立ち向かう闘志を呼び起こしているものこそが、ハニ・ミツクナリの初期衝動である。

 

「何度も何度も鬱陶しいなァ!!! そんなにあの勇者の肉壁になりてぇならもう容赦は要らねぇ。

今度こそその小綺麗な面を挽き肉にしてやるぜ!!!!!」

 

ハニの身の上や心中など知る由もないダクリュールは、彼女の行動を蛮勇と断定しその代償を払わせんとする為に攻撃を繰り出した。

それは単純明快、砂の翼竜が崩壊して形成された足場を爆発的な脚力で蹴り飛ばし、一気に距離を詰めて拳を叩き込むというものだ。

 

(頼みの綱の剣は俺の足に巻き付いてる!! 今のお前にこいつを防ぐ方法はねぇ!!!

散々し続けた舐めたマネのツケはテメェの命で払ってもらうぜ!!!)

(そう、そうだ。私はホタルちゃんもこの里の皆も守り抜く。だけどそれは肉壁なんてバカなやり方じゃない。

私のこの力は、たくさんの人を守る為に使うものなんだ。だからアレスティアさんは私に隊長を任せてくれたんだ。

じゃあ私は答えなくちゃいけない。私の力を認めてくれた人達の為に!!!!!)

 

ハニの思考が完了した時には、ダクリュールの拳がハニの顔面の射程距離に入っていた。

しかし、ハニの心には一切の恐怖は無く、あったのは何よりも強固な決意だった。それこそが、一瞬後の奇跡を引き起こした要因だった。

 

「食らええええッッッ!!!!!」

(私は勇者ルベドが認めてくれた聖騎士(パラディン)、ハニ・ミツクナリだから!!!!!)

「《庇護之神(ハニエル)》!!!!!」

『ガァンッッッ!!!!!』

「!!!!?」

 

ハニは両腕を顔面の前にかざし、ダクリュールの拳を防いだ。しかし彼の拳はその程度の防御で防げるものではなかった。

たとえ体で防御したとしても、その骨を粉砕しハニの体に決定的なダメージを負わせられるとダクリュールは確信していた。故に彼の表情は驚愕に染まった。

 

しかしそれ以上にダクリュールを驚愕させたのは、耳に入ってきた声と音、そして腕から伝わってくる奇妙な手応えだった。

それはまるで、ハニの腕が固くなった(・・・・・)かのようだった。

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