転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ハニがダクリュールという強大な相手を前にしてここまで命を繋ぎ止められたのは、その手に持った剣の占める割合が大きい。
ハニの
そして今回、その剣はダクリュールの足に巻き付いて固定されていた。その一瞬に限り、ハニに攻撃を防ぐ術は無い。故にダクリュールは今度こそ己の勝利を確信し攻撃を仕掛けた。
その時の彼の頭の中には自分の拳で頭部を砕かれたハニの姿がはっきりと像を結んでいた。それだけの力を込めて放った拳だった。
しかし、その思い描いた一瞬先の未来はハニが腕でダクリュールの拳を止めたという現実が否定した。
*
ハニが拳を止めてから僅か数瞬の間に、ダクリュールの脳内では様々な思考や情報が入り乱れた。それはダクリュールが不測の事態に直面しても思考を放棄しなかったが故であり、彼の精神の頑強さの現れとも言えるだろう。
(何が起こった!!?
こんな細腕で止められた!!?
骨も折れてねぇ!!
さっきなんて言った!!?
まさかこいつ━━━━!!!)
「!!!」
ダクリュールは目の前の光景の理由を理解しようとしたが、その一瞬をハニは攻撃に費やした。防御した腕を滑られてダクリュールの拳を掴み、そのまま腕を引いて彼の体を引き寄せた。
「やあああああああああッッッ!!!!!」
引き寄せたダクリュールの顔面を狙ってハニは渾身の拳を放った。
それを認識した瞬間、ダクリュールは《
(こいつは食らっちまう!!
だが問題はねぇ!!!
『ドゴッッッ!!!!!』
「!!!」
ハニの拳はダクリュールの頭部を覆っていた砂の兜に命中した。砂の兜はその衝撃を受け止め、打撃の衝撃が頭部に届く事は無かった。
『━━━━バキバキッ!!!』
「!!!?」
砂の兜は辛うじてダクリュールの頭部を守ったが、それで役目を終えた。拳を受けた箇所からヒビ割れが迸り、兜は砕けた。
それを理解した瞬間、ダクリュールは全速力で身を屈めて拳を回避した。未だにハニの変化の詳細は掴めていないが、この拳が直撃したら命が危ないという事は理解出来た。
「ッ!!!??」
回避の為に身を屈めた次の瞬間、ダクリュールの体は強力な力で上方向に持ち上げられた。
視界が上下反転し、そこに映った腕を振り上げたハニの姿を見て、ハニが何をしたのかを理解した。
(こいつ、俺の足に巻き付けた剣を振り上げたのか!! 俺の体を、縄の先に括り付けた重りみてぇに・・・・・・!!!)
「~~~~~~~!!!
調子乗ってんじゃねぇ ボゲェッッッ!!!!!」
苛立ちが臨界点に達したダクリュールは上下反転した体勢のまま、ハニの鳩尾を狙って突き刺すような蹴りを放った。
敵の体を持ち上げる事で地面の踏ん張りを奪う事に成功したハニの虚を衝くこの一撃は不可避。実際にその蹴りは
「んなッッッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!?」
ダクリュールの蹴り足から伝わってきた感覚には、手応えというものがまるで無かった。
ハニの腹部は鳩尾から物理法則を完全に無視して凹んでいた。まるで筋肉も骨も内臓も、一挙に
(馬鹿な!!! いくら
さっきの妙な
だとしたら能力は━━━━!!!)
「!!!」
ダクリュールの思考はそこで中断された。ハニが腹部に食らった蹴りを受け流し、その勢いのままに足を振り上げていたからだ。
空中での踏ん張りを失っているダクリュールは一瞬、この蹴りを避けられないと考えてしまった。時間と余裕さえあれば鎧に翼竜の翼を生やして空中へ逃れる事も出来ただろうが、立て続けに起こった状況の変化がその思考を吹き飛ばした。
「・・・・・・調子に乗ってるのはどっちなの?
急に現れて皆を怖がらせて里のお祭りもめちゃくちゃにして・・・・・・!!!
これ以上好き勝手にはさせないんだから!!!!!」
「!!!!!」
ハニの渾身の蹴りがダクリュールの腹部を捉えた。
足には通常、腕の数倍の力が備わっている。今回のハニも決して例外ではなく、故にその蹴りは砂の鎧を貫通しダクリュールの肉体へと届いた。
(ま、間違いねぇこいつ、自分の体や周囲のものの《硬度》を操ってやがる・・・・・・・・・・・・!!!!!)