転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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485 贈物(ギフト)と魔法の化学反応!? 入り乱れる影と爆炎!! その①

風妖精(エルフ)の里の森の中、世界樹の近くの何処か。そこで二人の男女が激闘を繰り広げていた。

何処か(・・・)と言ったのは、二人共に激闘の中で至る所を走り回り、最早正確な位置が分からなくなっているからだ。

 

しかし、二人の精神状態はまるで対照的だった。一人はこれから自分が勝利する事を確信し、一人は相手の能力の強大さに少しづつ精神を削られていた。

 

「・・・・・・・・・・・・!!!」

「ふっふっふ。最早手札も完全に尽きたようだな。後少しでこの私に歯向かった事を心の底から後悔させてやれそうだ。」

 

口から勝ち誇ったような言葉を発したのは髪も、身に纏った衣装も、そして背中から生えた羽も全てが黒一色に染まった女性。名を《スキュア・ノックストランド》。

彼女はシャルディアの首を取るべく風妖精(エルフ)の里に潜入した、絶滅した筈の妖精族の一種、影妖精(スプリガン)の生き残りである。

スキュアはシャルディアを襲撃し、その後フォラス達と言葉を交わし、成り行きでブレイブ達と敵対している。

 

その彼女と相対しているのは戦ウ乙女(プリキュア)達の仲間の一人であるニトル・フリーマ。彼はシャルディアやブレイブをスキュアから遠ざける為に、彼女との一対一の戦いに身を投じた。

 

「もう分かっているんだろう? 私とお前とでは能力の格が違う。

お前のような人間は黙ってシャルディアの首が落ちるのを見届けていれば良かったのだ。そうすれば後悔しながら惨めたらしく死ぬ事も無かった。」

「後悔だと? バカ言ってんじゃねぇ!!

俺が後悔するのァ俺にタダ酒振る舞ってくれた人を助けられねぇ時だ!!!

それに誰が死ぬだと!!? まだ俺の腕一本奪えてねぇクセに偉そうに勝ち誇ってんじゃねぇぞ!!!!!」

 

ニトルはスキュアの勝ち誇ったような言葉を真っ向から否定した。しかし一方で彼女が勝ち誇っているのも無理からぬ事だと認めていた。

ニトルの全身には痛々しい生傷が刻まれている。それは全てスキュアの攻撃で負ったものだ。

転換之王(ベリアル)》の能力などが功を奏し、未だに致命傷は負っていない。しかしスキュアに一発も有効打を与えられていないのもまた事実だ。

戦況は紛れも無く、スキュアの有利で進んでいる。そしてそれが覆らないという事は、他でも無いニトルが理解していた。

 

(クソッタレ!!! どうやってもアイツにロクな攻撃を当てられねぇ!!

俺の能力はブレイブ達とは違って体力の消耗は大した事ァねぇが、もう動きはほとんど読まれちまってる。それにもう爆弾も数えるくらいしかねぇしよ・・・・・・!!!)

 

ニトルは自分の発想の中で思い付く全ての攻撃をスキュアに向けて放った。

ある時は爆弾を投げ付け、ある時は死角から物理的な攻撃を見舞い、またある時は魔法攻撃を試みた。

しかし、そのどれもスキュアには通じなかった。彼女の影を支配する能力《冥暗之神(エレボス)》は影を操って防御を展開するのに加え、影の中へ潜って自在に移動する事も可能となる。防御力でも機動力でも、スキュアは完全にニトルの上を行っていた。

 

「・・・・・・そうだ、そういえばお前、私の情報を持って帰ってあの、キュアブレイブとかいう奴に伝えれば私の勝ち筋は消えるとか言っていたな。

それで、今の所はどうだ? 私の情報は持って帰れそうか? 私の見間違いでなければあの女、さっき無様に殴り飛ばされていたように見えたがな。」

「!!!」

 

風妖精(エルフ)の里の上空で、ブレイブがバサラに殴り飛ばされた衝撃的な光景。それを一瞬とはいえニトルとスキュアも目撃していた。

バサラの気迫と余りに異質な風貌、そしてブレイブが殴り飛ばされたという事実に、二人共に里の中に尋常では無い何かが現れたという事を感じ取っていた。

しかしニトルは頭の中に浮かぶ危機的な予感を意識の内から追い出した。それは目の前のスキュアに集中しなければならないという使命感とブレイブならどうにか切り抜けられるという信頼故だ。

 

「━━━━お前は何も分かっちゃいねぇよ。

あいつは、キュアブレイブは、いや、夢崎蛍(ホタル・ユメザキ)はな、お前のちっぽけな価値観で測れるような人間じゃねぇ。

あいつはこんな俺を見捨てねぇで、あろう事か仲間にならねぇかって言ってくれたんだぜ? あいつはそんな強いやつなんだ。一発殴られたくらいじゃビクともしねぇよ。

断言するぜ。お前にあの族長さんは殺せねぇ。俺とあいつがこの命に代えても守り抜くからな!!!!!」

「・・・・・・お前が救いようの無い馬鹿だという事はもう十分に分かった。お前はつまりあの女の精神が頑強だと言いたいのだな?

ならばお前の首を目の当たりにしてもその精神が崩れないかどうか、確かめてやろう!!!」

「!!!」

 

その言葉と共に、スキュアの身体の周囲から漆黒の腕が十数本生えた。そしてその腕の一本一本がニトルの命を狙って伸びている。

その瞬間、ニトルは理解した。この場を生きて切り抜けるには自分が進化しなけらばならない と。

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