転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
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これはリルアがニトルと初めて対面し、彼の能力の詳細を聞いた際に出た言葉だ。
ニトルが今この話を思い返しているのは、スキュアにこの点を、この制限故に彼の攻撃は読みやすいと指摘されたからである。
通常の彼ならばその性格故に、スキュアの指摘にも真っ向から反発しただろう。しかし今の彼はその指摘を純然たる事実として受け止めてしまっていた。
それは現実に死角からの攻撃を悠然と防がれ、今正に窮地に陥っていたからだ。
(クソッ!! とにかくこいつから離れて━━━━!!!)
「放すとでも思っているのか?」
「!!!」
ニトルの拳を受けたスキュアの影の腕が変形し、彼の腕全体を包み込むように流動化して動いた。
それはまるで漆黒のスライムのようであり、スライム状の物体に体を掴まれる体験はニトルの、かつてフォラスに肉体を生きたまま溶かされるという恐怖体験を否応無く想起させた。
「テメェ!!!! 離しやがれ!!!!!」
「ほう? 何かトラウマでもあるのか? ならばもっとやってやる!!」
「!!!」
忘れようもない恐怖と屈辱が脳内で入り交じったニトルは半ば反射的にスキュアの脇腹を狙って蹴りを放った。
しかしその蹴りよりも早く、スキュアは影の腕を更に伸ばし、ニトルの顔面を掴んだ。その攻撃にはニトルを拘束する他に、彼の視界を塞いで《
「・・・・・・・・・・・・!!!」
「今度こそ本当に終わりだな。 お前はシャルディアへの土産になるんだ。その首を落として、奴に見せ付けてやろう。
この男はお前が無力なばかりに死んだのだとな!!!」
「!!!!!」
それはニトルに襲い掛かった、彼への二度目の死の宣告。再び相手に生殺与奪の全権を握られたニトルは、死への恐怖心と、それを押し退けて逃れてやるという気概が同時に巻き起こった。
(畜生!!!!! このままむざむざと殺されてたまるかよ!!! 俺だって
!!?)
ニトルの視界はスキュアの魔法で練り上げられた影に覆われ、何一つ見える筈の無い状態だった。
しかしニトルの視界に小さく光るものが映った。その光は自分の
(━━━━!!?
な、なんだこりゃ!!? 一体何が見えて━━━━)
「ニトルさんっ!!!!!」
『!!!』
上空から突如として聞こえて来たのは二人にとって最も耳馴染みのある声だった。上空を見上げてスキュアは顔を顰めた。その人物は今この場においてスキュアが最も会いたくない人物だったからだ。
『ズバァンッ!!!!!』
「!!!」
上空から飛来したのはキュアブレイブだった。
ブレイブはニトルの顔面を掴んでいた影の腕を一刀の元に斬り伏せ、彼の命を救った。
それを認識した瞬間、スキュアは後方に跳んでブレイブと距離を取った。先程《
「ニトルさん、大丈夫!!?」
「あぁ。さっきの木の根とか今とか危ない事は多かったが何とか大丈夫だ。
それより分かった事がある。さっきの族長さんが腕へし折られたあれはやっぱり影の能力だった。ヤツは影を変形させて体をへし折ったり動きを止めたりするんだ!!!」
「!!!」
ニトルの言葉に、スキュアは更に顔を顰めた。
それは彼が先程言った、スキュアの能力の情報をブレイブに伝えるという宣言が実行された瞬間だからだ。
それで自分が負けるとは信じていなかったが、出来るならば避けたい事態ではあった。
「・・・そうなんだ。こっちが言えるのは今までで一番強いチョーマジンが現れたって事と、今ルベドさんが戦ってるって事くらいかな・・・・・・!」
「やっぱりな。んな事だろうと思ったぜ。さっき思い切りぶん殴られてたのは大丈夫なのかよ。」
「うん。少なくとも骨が折れてたり腕が動かないって事は無いよ。
それよりも今私が切ったあの腕みたいな触手、あれはなんなの・・・・・・!?」
「あいつァあの女の影の魔法らしい。さしずめ、テメェの
ッ!!!」
そこまで言ってニトルははっとした。自分の発言と先程自分の視界に起こった異変が、ある仮説で繋がったからだ。
(いやまさかそんな、俺にそんな事が出来るのか・・・・・・!?
けどそうだとしたら、俺は更にもう一段階強くなれる・・・・・・!!)
「どうしたのニトルさん、急に喋らなくなっちゃって!」
「・・・・・・ブレイブ。俺に少しだけ時間をくれ。それが上手く行きゃ、俺はお前を勝たせられる!!!」