転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
キュアカーベルに発現した新たな
ダクリュールもそうだったように、この一連の敵の能力の覚醒は、ブレイブが刀剣系
何より、敵の力が増した不条理への苛立ちよりも、バサラの召喚に成功したのに何故カーベルが生きているのか、その謎が解けた事の方が大きかった。それこそがリルゾールの精神の動揺を防ぎ、自分が置かれた現状を切り抜けようという思考へ移動させたのだ。
(奴の新たな能力が魔法の起動を変化させると言うなら、自ずと奴が生きている謎も解ける。
恐らく、バサラが放つという時間差無しの魔法を彼の杖で捻じ曲げたのじゃろう。
何より、追い詰められた気になるなど馬鹿げておる。儂等には二の矢、
リルゾールは頭の中で思考する事と並行して、次の一手を組み立てた。次に放つ一手で
「貴様の能力はガミラの尊い犠牲と共に須らく分かっておる!!! 一度は割れている能力で此の儂を仕留められると思うておるなら貴様、痛い目では済まんぞ!!!」
「・・・・・・とんだ笑い話ですね。貴方のような下衆の口から、人の死を尊ぶような言葉を聞く事になるとは。」
「ハァッ!!! 儂等の高尚な思考など、女神に作られた歪な生命体には分かる筈も無いわ!!!
食らえぇッ!!!」
「!!!」
リルゾールの次の一手は先程と同じく、紫色の根を繰り出すものだった。しかし唯一、決定的に異なっていたのは根を繰り出す直前に種を投げた事だった。
木の根は種を破壊しながらカーベルへと向かって行った。それによって、カーベルはリルゾールの行動の意図を見抜いた。
(━━━━この種は、技の出処を見分けられないようにする為の━━━━!!!)
リルゾールが投げた種は、木の根という技が魔法によるものか
今回の状況であれば、魔界樹魔法で魔力を木の根に変えたとも、《
(この距離、《
「《
「!!!」
瞬間、カーベルの周囲に風が巻き起こり、球体の結界のような形状を取ってカーベルを守った。リルゾールが繰り出した木の根はその風に阻まれ、カーベルの肉体には届かなかった。
「━━━━やはり安全策に逃げ込んだな間抜けが!!! 博打一つ打てん腑抜けが儂を殺れると思うてか!!!」
『ブバッ!!!』「!!!!?」
リルゾールがそう叫んだ次の瞬間、カーベルの視界は薄紫の一色に染め上げられた。その薄紫が
(こ、これは、花粉・・・・・・!!?)
咄嗟の事でカーベルは視認出来なかったが、リルゾールは《
魔界の植物が発する花粉には、生物が吸い込めば呼吸困難で命の危険を伴う場合もある。しかしリルゾールの目的はカーベルの視界を奪う事にあった。
「くぅっ!!!」
「!!! グラトニー!!!」
リルゾールが放った花粉はカーベルだけでなく、グラトニーにも襲い掛かっていた。魔界の花粉の脅威性を知っている彼女は淀みない動きで自身の周囲を魔力で覆い、窒息の危機からは逃れた。しかしそれはカーベルを助けられないと自ら明かす事でもあった。
『━━━━ゆらっ』
「!!!」
全方向の視界を薄紫の
「《
前方の視界の揺らぎに向かって、カーベルは暴風の塊を打ち出した。その暴風はリルゾールを攻撃するだけでなく、己の周囲を覆う煙幕を晴らす役目も兼ねていた。
「!!!?」
「!!! あ、あれは━━━━!!!」
結論から言うと、カーベルが攻撃したのはリルゾールでは無かった。それは全身が濃い緑色で、人型の樹木の魔物だった。
それは奇しくもつい昨日、
(これは、《トレント》・・・・・・!!?
!!! しまった!!!)
それは人の形をした植物の魔物、トレントだった。それを影武者に使ってリルゾールが何をしようとしているのか、カーベルは見抜いて顔を青くさせた。