転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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495 狙われた世界樹!! カーベルとグラトニーの防衛戦!!! (宣言)

リルゾールの目的は敵である戦ウ乙女(プリキュア)達を始末する事に限らない。彼女に限っては、それ以外にもこの勝負の体勢を決する方法がある。

そして今、リルゾールはトレントを利用した影武者という策を取った。それによって得られるリルゾールの利益と彼我が置かれている状況を照らし合わせれば、この次に何が起こるかは予想出来た。

 

「グラトニー!!! これは相手の策です!!!

彼女はこの隙に世界樹を落とそうとしているのです!!!」

「!!!」

 

カーベルの言う通り、リルゾールのこの一連の動きの全てが作戦だったのだ。

まず、種を割りながら木の根を繰り出す事で攻撃の出処が魔法か贈物(ギフト)か特定出来なくする事でカーベルに《旋風之神(ミカエル)》という安全策を取らせる。

そしてその旋風に向けて花粉を打ち込む事で二人の視界を奪った。視界を奪われたカーベルは当然の摂理として全方向を警戒せざるを得なくなる。

その状況で前方の煙幕に揺らぎが起こった事で、カーベルは咄嗟に前方を攻撃した。目の前の煙幕を揺らした者がリルゾール以外の()である可能性に至れなかったのだ。

 

(恐らくこの影武者は私を安心させて足を止める為の物!! だとしたら間違い無く、彼女は今━━━━!!!!)

「《暴風之神(ルドラ)》!!!」

 

カーベルは己の四方に暴風を巻き起こし、纏わり付いている花粉の煙幕を一斉に吹き飛ばした。

花粉が晴れるや否や、カーベルは周囲を見回し、程なくしてその目にリルゾールの姿が映った。

リルゾールはカーベルの予想通り、自分の後方、世界樹に向かっていた。花粉の煙幕をグラトニーにも向けた事も、確実に世界樹に向かう為の行動だった。

 

「その程度の時間稼ぎで私を出し抜いたつもりですか!? 思いどおりにはさせませ━━

ッ!!?」

 

リルゾールが世界樹に向かっているのを見たカーベルは当然の行動として、それを阻止しようと体を傾けた。

しかしカーベルの動きはそれで止まり、リルゾールを追う事が出来なかった。異変を感じて振り返ると、先程攻撃したトレントの背中から蔓が何本も伸び、カーベルの足に巻き付いていた。

 

(これは、あのトレントの背後に種を仕込んで━━━━!!!)

『ズババッ!!!』「!!」

 

足に巻き付いた蔓を視認した次の瞬間、その蔓が細かく切り刻まれた。

それを行ったのはグラトニーだった。掌に魔力を集中させて刃を形成し、カーベルの拘束を破った。

 

「━━━━んぐっ!!!」

「!!! グラトニー!!」

 

掌に少量の魔力を纏わせた。それだけの行動でグラトニーは顔を顰め、よろけそうになった。それ程までに今までの戦い、特にリルゾールの植物で魔力を吸収された事で、体力を激しく激しく消耗している事を理解した。

 

「カーベル!! お前があいつを止めてくれ!!!

お前の風が出せる速度なら追い付ける!!! 絶対に世界樹だけは落としてはならない!!!」

「!!! はいっ!!!」

 

その言葉が、グラトニーが己の自尊心を捨ててまで友の住む場を守ろうとしているが故である事をカーベルは理解した。

それを聞くや否や、カーベルは両腕を上下に突き出し、《旋風之神(ミカエル)》の能力で筒状の風を巻き起こした。

その風の動きは、外側が自分の方へ、内側が向こう側へ吹く構造になっている。それに飛び込む事で自分の移動速度を極限まで引き上げる事がカーベルの策だった。

 

『ビュゴオオオオッ!!!』

 

カーベルは自分が吹き起こした筒状の風に飛び込み、一直線にリルゾールの方へと向かった。

カーベルの見立てでは、リルゾールが世界樹に到達するより早く自分の方がリルゾールに辿り着く勝算があった。

 

「愚かな!!! 儂が其の程度の追撃を想定しておらんとでも思うてか!!!

魔物召喚(サクリファイス)》!!!!!」

「!!!!?」

 

リルゾールはそう叫んだ直後、肉薄して来るカーベルに向けて種を投げた。その種には動植物をチョーマジンに変える魔法陣が付けられていた。

リルゾールが力を込めた瞬間、それらの種は急成長し、植物を素体とした十数体のチョーマジンに変わった。

通常であればどうという事も無い敵だったが、この一刻を争う状況であれば脅威的な存在へと変貌する。それを誰よりも早く理解したのはカーベルだった。

 

「━━━━ぐぅっ!!!

暴風之神(ルドラ)》!!!!!」

 

カーベルは向かって来るチョーマジンの群勢を最速で撃退する為に暴風を巻き起こした。

その攻撃はチョーマジンには有効だったが、その攻撃によって前進が分断された事が致命的だった。

その一瞬の猶予がリルゾールに目的へ辿り着かせた(・・・・・・)。世界樹の幹に手を触れた瞬間、リルゾールはまるで宣言するかのように声高に叫んだ。

 

「《魔樹之王(ゴエティア)》!!!!!」

『!!!!!』

 

リルゾールのその声は世界樹、延いては風妖精(エルフ)の里の破滅の始まりを告げる声だった。

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