転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
その始まりは、キュアブレイブがシャルディアとの手合わせの中で発現させた《
そして明くる日、戦闘が本格化する中でブレイブを筆頭に様々な人間が窮地を脱する為に新たな能力を覚醒させた。
その理論に準えて言うならば、今回のキュアグラトニーの攻撃もその一環に過ぎない。しかしそれは、リルゾールの目には極めて不条理なものに映った。
幾重にも仕掛けた戦略、か細い糸を手繰る様な尽力の末にその指先が触れた、世界樹を機能停止させるという目的が、たった一つの攻撃によって潰えた。
*
「・・・・・・・・・・・・・・!!!!!」
「こ、これは━━━━!!!
そうか!! そうなんだなこれは!!!」
《
対するグラトニーは、世界樹が元に戻ったのを見てようやく、自分の手に握られている槍がどのような代物であるかを理解した。
それまで満足の行く結果を残せなかった自分が、友の住む故郷を守り抜く事が出来た。その実感が深まり、グラトニーの口角は自然に上がった。
「浮かれるなよ此の老兵が!!!!!」
「!!!」
瞬間、リルゾールの怒声がグラトニーを目の前の現実へ引き戻した。
その表情は憤怒に染まっていたが、一方で次なる目標を見据えてもいた。その目標はグラトニー自身だった。
「其の程度の槍一本どうという事は無い!!! 貴様が最早虫の息である事は変わらん!!!
世界樹の代わりに貴様の首を手土産にしてくれる!!!!!」
「!!!」
リルゾールの言葉を聞いて、グラトニーは自分が置かれている状況を理解した。
先程、巨体のチョーマジンを撃退する為に体に残る《
実際に、グラトニーの体力は限界に届きつつある。その点においては、リルゾールの言った事は正しかった。
(其の槍が
今の貴様に此れを防ぐだけの力は残っておるまい!!!)
リルゾールは突き出した手に魔法陣を発現させ、魔力を込めた。言うまでもなくそれは、魔界樹魔法を発動する構えだ。
しかし、リルゾールは冷静さを完全に取り戻せてはいなかった。自分が今戦っている相手が一人ではないという当然の事実を失念していたのだから。
「ッ!!!」
「グラトニーにも世界樹にも、これ以上手出しはさせません!!!」
グラトニーの背後から姿を表したのはカーベルだった。その手には既に旋風が渦巻いている。その目は真っ直ぐに、リルゾールの息の根を見据えていた。
「《
「!!?」
カーベルの両手から突風が放たれ、リルゾールに向けて吹き荒れた。しかしそれはそれまでのものとは違い、細く長い旋風だった。
しかし着弾した瞬間、リルゾールはカーベルの攻撃の意図を理解した。
『ビュゴオオオオオオッッッ!!!!!』
「!!!!? 此れは━━━━!!!」
風の先端が触れた瞬間、リルゾールの身体は幾重にも捻れ、内部から引き千切れた。
カーベルは《
「はあああああああああッッッ!!!!!」
『ギュルルルルルルルルッッッ!!!!!』
「!!! グ、グオオオオオオオオオ!!!!!」
自分の風がリルゾールに有効だと分かり、カーベルは更に暴風の出力を引き上げた。まるで円い穴に水が流れ込むかのように、リルゾールの肉体は何粒にも引き裂かれ、周囲に撒き散らされた。加えて風に付与した
(このまま全身を粉々にする!!!)
「ガアアァァァ━━━━!!!」
カーベルの暴風の攻撃は、遂にリルゾールの頭部や足にも届いた。カーベルは更に攻撃の出力を引き上げ、リルゾールの息の根を止めに掛かる。
この場で決着を付けなければどのような危険があるか分からない事に加え、これ以上グラトニーに旧友の肉体を攻撃させたくないという意識もあった。
そして永遠とも思える数秒が経った後、リルゾールの肉体は完全に消失した。スライムの性質上、細胞が一定以下の大きさになれば再生が不可能となる。リルゾールの遺伝子を盗み取った分身体も、その例外ではなかった。
「・・・・・・・!!! やった、のか・・・・・・・!!?」
世界樹を狙う悪しきスライムの消失。即ち世界樹を守るこの戦いの勝利をグラトニー達は実感した。
無論、この勝利が