転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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506 キュアブレイブの妙案!! バサラ討伐作戦!! その④

キュアブレイブのこれまでは、ギリス達に助けられて来たと言っても過言では無い。特に魔法警備団本部でガミラの凶刃からギリスが身を呈して守ってくれた事は、今も彼女の脳裏に染み付いて離れない。

それでなくとも、ギリス達の権力に、人脈に、知識に、そしてその力にブレイブは助けられて来た。彼等が居なければ、生きてこの場に立っている事など叶わなかっただろうと断言出来る。

 

無論、ブレイブ達は恩の有無や利害などという浅ましい関係で繋がっている訳では無い。しかしブレイブには、いつか仲間達が窮地に陥ったら助けようと、それが叶わないならばせめて何か少しでも役に立とうと、使命感にも似た決意が常に湧き上がっていた。

 

そしてそれは今、確かに果たされた。バサラの強襲からルベドを守る事が出来た。

 

*

 

『ズガンッ!!! ズガンッ!!! ズガァンッ!!!!』

「くぅっ・・・・・・!!!」

 

バサラからルベドを守る事が出来た。しかしそれで戦況が好転した訳ではない。バサラは両腕を無秩序に振り回し、森の木々を薙ぎ倒しながらブレイブ達を狙っている。

その猛攻に対し、ブレイブ達四人は横並びの状態で後退しながら猛攻を防いでいる。縦に並ばない理由は、時間差無しで発射出来る魔法攻撃の動線に入らないようにする為だ。

 

「ブレイブ、さっき僕にもう一度(・・・・)刀剣系を振って欲しいと言ってたな。

それはつまり、次の一撃で奴を倒せる勝算があるって事なんだろ!?」

「! はいっ!!」

 

ブレイブは手短に語った。

グラトニーが相手の贈物(ギフト)を解除する究極贈物(アルティメットギフト)を発現させた事。それによってバサラの《変幻之神(ハヌマーン)》を解除し、今度こそ魔法陣を破壊する隙を作り出すと。

 

「・・・・・・成程、僕の《七星之剣(グランシャリオ)》はその隙を作る為か。

分かった。僕の力だけじゃ手詰まりだった相手だ。君達の賭けに乗ってあげよう!!!」

「・・・・・・!! ありがとうございます!!」

「おいっ!! 来るぞ!!!」

『!!!』

 

ブレイブ達に生まれた一瞬の隙を突いて、バサラが拳を振り上げた。それまでのものとは違う、確実に自分達を屠ろうという気迫めいたものがあった。

次の瞬間、それは襲いかかって来た。《変幻之神(ハヌマーン)》によって腕を伸ばす、射程外からの最速最短の拳の突きだ。

 

「ここは私が!! 《肉球之神(バステト)》!!!」

 

ブレイブは掌に肉球の形の力場(エネルギー)を発生させ、バサラの拳を真っ向から受け止めた。

肉球之神(バステト)》の肉球に触れようとするものには反発する力が働く。バサラの、相手に向かって真っ直ぐに突っ込んでくる傾向を利用した策だ。

 

『ポォンッッッ!!!!!』

(よしっ!!!)

 

ギリスやブレイブを軽々と殴り飛ばせる、自分の膂力が全てバサラへと跳ね返った。その衝撃は伸ばした腕を通して肉体へと伝わり、バサラの身体を宙へと打ち上げた。

 

(バサラの体勢は崩れた!! 後は━━━━!!!)

「ブレイブ!! 此処からなら十分にやれます!!!」

「!!」

 

ブレイブ達は、バサラから逃げ惑っていた訳では無い。目的の場所を目指してバサラを引き付けていたのだ。

この一撃には、ルベドやグラトニーの残る体力の全てを賭け金として差し出す必要がある。その賭けの成功率を少しでも上げるための場所に、遂にブレイブ達は辿り着いたのだ。

 

「ルベドさん!!!!!」

「ああっ!!! 《七星之剣(グランシャリオ)》!!!!!」

 

ルベドは体に残った体力の全てを注ぎ込み、腕を振るって刀剣系の刃を飛ばした。体勢の崩れたバサラは《変幻之神(ハヌマーン)》で回避するしかない。それは戦闘法として当然の判断である。

しかし、バサラは見誤っていた。自分の眼前から、排除すべき敵が一人消えている事を。そしてそれを見落としてはいけなかった事を。

 

「グラトニー!!!!!」

「おうっ!!! 《魔王之槍(ランサ・デル・デモニオ)》!!!!!」

 

バサラの右後方に生えた木の上から、グラトニーが声を張り上げた。そしてその手に、この戦いを集結させる鍵である槍が発現する。

この長く続いた悪夢のような戦いを終着させるべく、グラトニーはバサラに向けて槍を振り上げた。しかし次の瞬間、ブレイブ達の背筋を凍りつかせる出来事が起こった。

 

「━━━━ガフッ!!!!!」

『!!!!!』

 

グラトニーが口から血を吹き出した。それは言うまでもなく、究極贈物(アルティメットギフト)の酷使によって肉体が限界を迎えた証だ。

それを見た瞬間、ブレイブ達は自分達や風妖精(エルフ)の里ではなく、真っ先にグラトニーの身を案じた。

しかしその中で、グラトニーの戦意だけが燃え上がっていた。その瞬間、彼女の心にあったのは自分の事ではなく、友の事だった。

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