転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
グラトニーが喀血した事が示すのは、
しかしその場にいた誰も、グラトニーを攻める気など微塵も無かった。それは既に、グラトニーが十分過ぎる程に奮闘していた事を知っているからだ。
特に、リルゾール(のフォラスの分身体)を撃退し、世界樹を守り抜いた事は目を見張るような戦果と言えるだろう。しかしそれは、飽くまでも傍から見た上での評価である。
グラトニーに人の思考を読むような力は無い。しかしその当時の、ブレイブ達の突発的な思考を読んだならば、余計な気遣いだと憤怒したであろう。
『良くやった。』
『もう十分だ。』
『ゆっくり休め。』
『君は悪くない。』
それらは確かに、グラトニーの労を労う言葉である。しかし仮にそれらの言葉がグラトニーの耳に届いたならば彼女はそれを『妥協』と呼んだだろう。
グラトニーにそのような思考はなかった。あったのは、何がなんでもこの怪物から友達を守り抜くという、揺るぎない決意だけだった。
そしてそれは、肉体の限界すらも超える。
(振り抜け!!! 振り抜け!!! 投げろ!!! 投げろ!!!! 投げろ!!!!!
さっき言ったばかりではないか!!! 決して満足などするなと!!! この程度の苦痛、友を守れない事に比べればどうという事は無い!!!
ここで皆を守れなければ力を得た意味など無い!!!
魔王だのと
「私は!!! リルア・ナヴァストラだ!!!!!」
『!!!!!』
文字通り血反吐を吐きながら、グラトニーは自分の身体に残された渾身の力を振り絞って槍を投げた。
それは真っ直ぐにバサラへと向かい、そして脇腹へ命中した。しかしバサラは顔色一つ変えずに、飛んで来るルベドの刀剣系だけを真っ直ぐに見据えた。
『━━━━ブルブルっ』「!!!!?」
バサラの体が小刻みに震えた。それは《
ルベドの七つの刃を全て効率的に躱すには《
(能力の発動は阻害された!!! 行けるッ!!!)
「ぬおおおおおおおおッッッ!!!!!」
『ズバズバズバァッ!!!』
ルベドが操る七つの刃がバサラの腕を、脚を、胴体を一斉に切り付けて行く。そしてその内の一振が、目的の所へと届いた。
『バギャッ!!!!!』「!!!!!」
(良しっ!!!)
《
しかしこの一撃によって、ブレイブ達の大勢が決した。
『ボゴボゴボゴッ!!!
グジュグジュグジュゥッ!!!』
瞬間、バサラの肉体が溶け、崩れ、そして泡立って行った。
バサラの肉体は全て、魔法陣を通して供給されるエネルギーで構成されている。その供給源に傷が付けば当然、バサラの肉体も崩壊し始める。
「・・・・・・・!!!
やった・・・!! やったぞぉ・・・・・・・!!!」
「いや、まだだよ!!!」
「!!?」
肉体の崩壊を始めるバサラを見て、グラトニーは口から出た血を拭いながら自分達の勝利を確信した。しかしその中で、ブレイブだけが鬼気迫る表情でバサラに向かって駆け出していた。
バサラの恐ろしさを誰よりも理解しているブレイブの目は、その肉体が再構成を始めている事を見逃さなかった。既に魔法陣の損傷から回復しつつある事を見逃さなかった。
(グラトニーの
今なら決まる!!!!!)
「今度こそ終わりだよォ!!!!!」
ブレイブはバサラに対し、飛び上がって一気に距離を詰めた。両手には彼女の刀剣系
本来ならば剣を振り下ろすという、次の動作があからさまな構えである。しかし今のバサラは肉体を切り刻まれ、崩壊も完全に回復していない。そして十八番である《
「でりゃあああああああああッッッ!!!!!」
『ズバァンッッッ!!!!!』
それは、永劫続くと思われた
ブレイブの全てを断ち切る刀剣系