転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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510 キュアブレイブの妙案!! バサラ討伐作戦!! その⑧

『《プリキュア・セイグリッドパニッシャー》!!!!!』

 

ブレイブ達が叫んだその技名ですら、ブレイブ達が考えたものではない。しかし五人の誰もがまるで最初から記憶していたかのように、これこそがこの技の名前に相応しいと確信していた。

 

ブレイブ達五人の力の全てを結集させて放たれた極彩色解呪(エターナル・ヒーリング)は、真っ直ぐにバサラへと向かっていった。しかしその光の束はバサラに命中する直前、ブレイブ達自身も予測出来なかった変化を見せる。

 

『!!?』

「あれは━━━━!!!」

 

極彩色の光の束はバサラに命中する前に大きく広がった。それはブレイブ達の目には、バサラを飲み込む巨大な()のように見えた。

極彩色の光が変形し、ドラゴンの頭部のような形となってバサラを飲み込んだ。しかしそれは理性の無い野獣というよりは気高い聖獣のような印象を受けた。

 

『ジュアアアアアアアア!!!』

『ボゴッ!!! ボゴッ!!! ズガァッ!!!』

 

ドラゴンの頭がバサラを飲み込んだ瞬間、解呪(ヒーリング)のエネルギーがバサラの肉体を、魔法陣を、エネルギーを浄化し、分解し、蒸発する音が響き渡った。その最中にも、ドラゴンの頭が何度も衝撃音と共に内部から伸びた。バサラが逃れようと、力任せに暴れているのだ。

 

それを見ていたブレイブ達の心中は祈りの一色となった。この奥の手が実らなければ今度こそ、風妖精(エルフ)の里を救う手立ては完全に潰える。

 

『ジュアアッ!!!』

『!!!』

 

ドラゴンの形をした解呪(ヒーリング)の塊が唐突に崩れた。果たしてそれがバサラを浄化し終えたからなのか否か、それがブレイブ達の命運に直結する。彼女達の緊張は最高潮に達した。

 

「・・・・・・・あ、」

 

結論から言うと、そこにバサラは居なかった。魔法陣も、肉体の一片も残らず浄化されていた。

 

「━━━━終わっ、た・・・・・・・?」

 

視覚情報がバサラとの戦いが決着したという事に結び付くまで、数秒を要した。次の瞬間、ブレイブ達の胸に湧き上がってきた感情は『歓喜』だった。

自分達が勝利した事、バサラという魔の手から風妖精(エルフ)の里を救えた事、そして何より永遠に続くと思われたこの悪夢のような戦いが終わった事に対する歓喜だ。

 

『やった・・・・・・・!!

やった!! やったやったァ!!!!!』

 

勝利の認識が歓喜の感情に結び付き、それが言葉となって口から出力された。五人全員が年齢も立場も忘れて、諸手を上げて喝采した。

その空気の中で、誰が決めるでもなくブレイブが真っ先に自分の感情を言葉として吐露した。その意識は既に戦っている仲間達に向いていた。

 

「やったよ!! 私達、風妖精(エルフ)の里を守れたんだ・・・!!!

それに凄いよあの力!!! あれがあればきっとこの先どんな事があってもきっと大丈夫だよ!!!

 

あ、そうだ!! この事を皆に伝えないと!! バサラが居なくなったって知ったらあの人達もきっと諦めてくれ」

「そんなに嬉しいか? 十把一絡げの雑兵一人屠った事が。」

『!!!!?』

 

その言葉はブレイブの後方から聞こえて来た。ブレイブと対面していたグラトニー達四人はブレイブより一足早くその声の主の姿を認識した。

その人物は黒髪を頭頂部で結わえ、紫色の和服に身を包んだ長身の男だった。その頭部には三本の角が生え、眉間には三つ目の目が縦に開いている。一目で只者では無い存在だと理解させられた。

 

(な、何だ!!? 新手か!!?)

「だ、誰━━━━

ングッ!!!?」

 

ブレイブは声の主の姿を確認せんと後方を向いた。しかしそれより早く、声の主は振り返ったブレイブの顎を片手で掴んだ。それだけではなく、声の主は爆発的な脚力をもって跳び上がった。

時間にして僅か一秒未満。グラトニー達を置き去りにする早業だった。

 

「ブ、ブレイブゥ!!!」

 

ブレイブが立っていた場所に舞い上がった土埃がグラトニー達の追跡を許さなかった。彼女達の脳裏からは既にバサラの勝利は消え、新たな脅威だけが埋め尽くしていた。

 

*

 

時間にして数秒、ブレイブは男に無造作に掴まれたまま飛ばされた。翼や魔法によるものでは無い、純粋な脚力による芸当だ。

 

『ブンッ!!』

「うぐっ!! がっ!!!」

 

ブレイブは男に投げ落とされ、無防備に地面を転がった。着地して正対し、ようやく男の姿を視認する。

人間離れした外見もさる事ながら、その表情には感情のようなものが見受けられなかった。ただ淡々と、目の前の敵を排除する事だけに専念するような冷徹さが全身から滲み出ていた。

 

「な、何なのあなた・・・・・・・!!?」

「・・・私の名は殱國(せんごく)。お前達に引導を渡しに来た。」

「!!!」

 

たった二言。しかし確かに、『ブレイブ達を殺す』という意味合いの宣言を、殲國は確かに言った。

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