転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「・・・・・・・これだね、例のものと言うのは・・・・・・・。」
「はい。俺達が来た時には既にこの状態でした。一応動かしたりはしてません。」
場所は
彼等の視線は一様に、足元にあるものに向いていた。そこには両断されたオークの死体が倒れていた。この森の中では稀にしか見ない、超大型の個体だ。
「・・・・・・・確かにこれは刃物で斬られた痕だな。魔物の牙も刃物と同じくらい鋭利ではあるがこうは行かない。
そもそもこの森の中にここまでのオークを倒せるような魔物はそう居ない。増してや
ギルドの男の推論の根拠は周囲に散乱した血液にある。地面に染み込んでいたのはオークの血だけだった。即ち、相手は無傷でオークを倒したという事になる。
「とにかくこいつを調べない事には何も━━━━
!!!」
「こ、これは━━━━!!!」
オークを調べる為にその場に居た全員で身体を返し、目に飛び込んできた光景に全員が驚愕した。オークの背中に四角い大穴が空いていたからだ。
「これ、肉を切り出した痕ですよね? ロースとかの部位を、200グラム位・・・・・・・」
オークは凶悪な魔物としての地位を確立しているが、一方でその肉は庶民的な食材として流通している。当人にその気があればオークを倒し、肉を切り出し、下処理をして、食べるという事も理論上は可能だ。
(つまりこういう事か!!? そいつは森の中で食い扶持を確保する為にオークを狩って、肉を切り出して食べたと言うのか!!? そんな馬鹿な事が━━━━!!)
「あの、これなんでしょうか・・・・・・・?」
『!』
冒険者パーティの一人の少女が地面を指差して言った。そこにあったのは不自然に細長く散った血の跡だった。パーティのリーダー格とギルドの男は同時に、その血痕の正体を理解した。
「こ、これは、剣の刃に着いた血を振って払った痕だ!! やはりこいつをやったのは人間か・・・・・・・!!」
「しかもこれ、刀身はそこまで長く無いですよね!?」
「あぁ。軽く測ってもこのオークの胴の半分程度しかない。それでこいつを両断したと言うのか・・・・・・・!!!」
ギルドの男の脳内では、普通の体格の人物が剣を持ってオークと対峙する光景が再生されていた。その人物がオークを両断するには最低でも二回刃を命中させなければならない。
そして周囲を捜索して、更なる痕跡が見つかった。
*
『・・・・・・・!!』
見つかった新たな痕跡とは、オークの死体から数十メートル程離れた場所にあった焚き火の跡だった。その側には黒く平たい石もあった。
「これって・・・・・・・!!」
「決まってるだろ。そいつはここでオーク肉を石焼きにして食べたんだ。
おい!! 今すぐ周囲を捜索して必ず犯人を捕まえろ!! 罪状はオークの密猟と無許可での力の行使だ!!
何より、あのオークを無傷で倒せるような力を持った奴を野放しにしてはならない!!!」
それから数週間、ギルドは総力を挙げて森の周囲や近辺の町を徹底的に捜索した。しかし遂にオークを討伐した人物は見付からなかった。
その人物はオーク肉を食して英気を養った後、即座に目的地へと向かった。その森から移動可能な距離に限りなく数が減った妖精族の住処がある事は誰も知らない。
*
「・・・・・・・・・・・・・・!!!」
殲國と名乗った男と相対したブレイブはバサラとはまた違う緊張感に襲われていた。バサラは全身から目の前の敵を排除するという強烈な殺気を垂れ流していたが、殲國にはそれが無い。
身なりも背格好も普通の人間と大差無い。それでいて研ぎ澄まされた殺傷力をその身に内包している事を確信させた。
「引導を渡すって、とどめを刺すって意味だよね? だけどそんな事にはならないよ!!
私達はついさっき、最強のチョーマジンに勝ったんだから!! 今の私達五人が力を合わせれば勝てない相手なんて居ないよ!!!」
「・・・・・・・バサラを五人掛りでやっと倒した。
何より、自分の命の拠り所を自分以外に置くのは愚鈍者のする事だ。
「!? ッ!!!」
背後に僅かな気配を感じてブレイブは振り返った。そしてそこに広がっていた光景を見て、自分が何処に投げ落とされたのかを理解した。
そこには即席で建設されたテントが数十個あり、その下で大勢の妖精族の一般人が身を寄せ合っていた。
(ここって、妖精族の避難場所・・・・・・・!!?)
「勝てない相手など居ないと言ったな。其の言葉に偽りが無いか否かを、お前の後ろの屍の数で確かめるとしよう。」