転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
それは元々、オオガイが
彼は確かに、『
オオガイ達には確かに妖精族を滅ぼすという決意があり、その為に全力で行動するだろうという確信があった。故にブレイブ達は奮闘し、数多の死線をくぐり抜けてきたからこそ今がある。
しかし、その危機はまだ去っていない。それどころかここからがその本領なのだとブレイブは強く確信した。目の前の殲國という男には自分達と妖精族を纏めて皆殺しにする力と気の両方が備わっているのだ と。
*
「・・・・・・・・・・・・・・!!!!!」
殲國は今、手に刃渡り10数センチ程の小刀を持っている。つい先程、ユージーンの左腕を両断した凶器だ。
ブレイブと殲國の距離はその小刀の射程の数倍以上も離れている。それを理解しているのに、ブレイブには喉元に刃を突きつけられているような寒気を伴った緊張感が染み付いて離れなかった。
「━━━━グッ!!?」
「!」
緊張が最高潮に達しようとしたその刹那、ブレイブの体が均衡を失った。最初、ブレイブは片足を付いている地面がいきなり消失したのだと錯覚した。
しかし即座にその正体を理解し、強引に踏み留まる。ブレイブの体勢が崩れたのは、単純に膝の力が抜けたからだ。
(エ、
「ほぅ。バサラを消し飛ばす程のエネルギーを放出して其の程度で済むとはな。お前達に与えられた力は心底驚嘆に値する。
だがバサラのあの単純な動きは頂けないな。動きが些か単調過ぎる。帰ったら思考回路と挙動の修正を、陛下に進言しなくてはなるまい。」
(!!
だけどもう体にまともに力が入らない!!! こんな体でどこまでやれるか・・・・・・・!!!)
そのブレイブの視界に、目を疑う光景が映った。殲國が手に持っていた小刀を鞘に戻して懐へ入れ、空手となった。
「先ずは小手調べだ。お前が女神の力を、刀剣系
「!!!」
「お前が地に倒れ伏したならば、其の次は妖精族の駆除に取り掛かる。其れが嫌ならば全力で踠き抗え。」
ブレイブは最初、自分が挑発されたと感じた。しかし即座にこれは自分に与えられたチャンスだと思い直した。
殲國の力量が計り知れない事は、既に十分過ぎる程理解している。しかし自分に残されたこの一瞬、全力でぶつかれば撃退出来る見込みは残されている と。
(私がどうなったとしても、この男を戦闘不能にする!!! それさえ出来れば、残りの敵はきっと皆がやっつけてくれる。
私はその為だけに動けばそれで良い!!!)
「《
ブレイブに残された力は、最早出涸らしと言う事すら烏滸がましい程微々たるものである。しかしブレイブはその残された力を発揮し、その手に《
「カフッ・・・・・・・!!!」
刀剣系を発現させた反動だけで内臓の何処かが裂け、その血が口から吐き出される。しかしその痛みすら、今のブレイブには些事だった。
目の前の殲國という存在の方が遥かに強大で脅威的である。それが仲間達に向けられる恐怖が遥かに勝った。
「ヤアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」
ブレイブは残された全ての力を振り絞り、一気に殲國との距離を詰めた。踏み締めた反動で地面は大きく割れる。
両手で刀剣系を握り締め、頭上高く振り上げる。先程バサラを一刀両断した、最短最速で剣を振り下ろす構えである。
今のブレイブには最早、相手の命を気遣っている余裕すら無かった。この攻撃の果てにあるのが殲國の両断された姿であったとしても致し方ないと考えていた。
(行ける!!! このまま━━━━!!!)
『━━━━ガッ』「!!!!?」
《
殲國は真っ向から向かって来るブレイブに対し、自分からも距離を詰め、刀剣系の攻撃を発動前に防いだのだ。
「戯けが。其の様な動きが明らさまな技、私に見切れないとでも思ったか。
何より、相手の先の先を潰すなど兵法者であるならば基本中の基本だ。」
「・・・・・・・・!!!」
ブレイブはこの瞬間、否応なく理解させられた。自分が今相対しているこの男はバサラより遥かに強大で凶悪だと。