転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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517 風妖精(エルフ)の里を突き刺す妖刀!! 悪鬼羅刹 殲國!!! (一蹴)

状況は圧倒的にこちらが優位の筈だった。それがグラトニー達四人の戦ウ乙女(プリキュア)の共通認識だった。

先の極彩色解呪(エターナル・ヒーリング)を使った事により彼女達の体には最早ほんの少しの体力しか残されていなかった。しかしその全てを一瞬に燃やし尽くす事による爆発力は並の者では相手にならない程の出力を誇っている。

増してや相手は無造作に両腕を垂らし何の構えも取っていない一人の男。戦闘において圧倒的に有利を確保している筈だった。

 

しかし、目の前の男、殲國に攻撃を加えようとした瞬間、彼女達の体に衝撃が走った。そして次の瞬間には後方から身を切る風を感じ、背中に強烈な衝撃を受けた。

一瞬の出来事故に、自分が何処を攻撃されて吹き飛ばされたのか理解出来なかった。否、それを考えるより早く彼女達の意識は薄れて行った。唯一理解出来たのは、自分の変身が解けていく事だけだった。

 

*

 

「━━━━━━━━えっ?」

 

目の前に広がるのは唯一(・・)、体を屈めた殲國の後ろ姿。それを視認し、視覚情報を処理し終えたブレイブの口からかろうじて出た言葉がそれだった。

そして、自分が耳を劈くような衝撃音を耳にした事を今頃になって理解した。自分が認識した情報が何を示しているのか、ブレイブは段階的に理解し、その度に表情は青ざめて行った。

 

(グ、グラトニー達が負けた!!!

一体何処に!!?

一発で!!?

何を、何をしたの!!!!?)

「・・・・・・・・・バサラによって消耗しているとは思っていたが、よもや一発づつで足りるとはな。此れでは先のオークの方がまだやりごたえがあった。

どうした? 何を驚く事がある。私の動きが見えなかったならば答えてやろう。攻撃される先の先を突いた。それ以上でもそれ以下でもない。」

『!!!』

 

後方に居るブレイブを含めたその場の全員に向けて、殲國はそう発した。その言葉に違わず、殲國は戦ウ乙女(プリキュア)達の意識が攻撃に集中するその一瞬を狙って先制攻撃を命中させたのである。

グラトニーの脇腹を、フォースの肩を、レオーナの鳩尾を、カーベルの頬を。以上四点を殲國は一瞬にも満たない時間の中で打突した。その音は重なり、一つの轟音としか聞こえなかった。

この攻撃で戦ウ乙女(プリキュア)達は一瞬の内に吹き飛び、森の中へと消えた。その姿を誰も見ていないが、もうこれで彼女達が戦線に復帰する事は無いだろうという事を、殲國は確信していた。

 

最高戦力たる戦ウ乙女(プリキュア)が一斉に敗走した。その事実を否応なく理解させられ、場は水を打ったように静まり返った。その沈黙を破ったのはブレイブの味方の人間では無かった。

 

「━━━━は、

ダハハハ!!! ッパネェ〜殲國さん! 最早こっちの背筋が凍るぜ!」

「同感だね。俺達が色々やって倒し切れなかった戦ウ乙女(プリキュア)をああもあっさりと吹っ飛ばしちゃうんだから。

まぁ、それだけ俺達が削ったからだってのが本音だけど━━━━」

 

殲國の一連の攻撃を目の当たりにしたダクリュールとダルーバが、口角を上げながら得意気にそう口にした。その表情には殲國の登場によって自分達の勝利が磐石のものとなったという揺ぎ無い確信があった。

 

「そう思ってるなら次からは自力で敵の首を取る事だな。だが尤も、此奴等に明日があるとも思えんが。」

『!!!!!』

 

殲國のその言葉は、ブレイブ達には『蹂躙の宣言』に聞こえた。否、自分達の耳と脳がそう変換してしまったのだ。

いくら体力の殆どを使い果たしているとはいえ、五人の戦ウ乙女(プリキュア)の決死の一撃と真っ向から相対しても尚、殲國は傷一つ負っていない。

 

その殲國が(自分達)に『明日は無い』と言う事は、誇大表現でも物の例えでも無く、純粋に自分達を殺せるという証明なのだ。

殲國の言葉をそう認識してしまっている時点で自分が敗北を認めてしまっているという事を、ブレイブ達は誰も理解していない。それだけの精神的余裕すら失われているのだ。

 

「来ないならば此方から征くぞ。恨むならばオオガイの忠告を聞いた時点で降伏しなかった自分達の判断を恨むと良い━━━━

!」

 

殲國が前方に一歩歩き出そうとした次の瞬間、突如として身体を左右に振った。その動きはまるで周囲を飛び回る何かを躱しているように見えた。

そう思考した瞬間、ブレイブの目は見た。殲國の周囲に飛び回る星型の刃を。そしてそれが何で、誰によって動かされているのかを。

 

(《七星之剣(グランシャリオ)》・・・・・・・・・!!! って事は!!)

「勇者ルベドか・・・・・・・・・!!」

 

殲國がその言葉と共に視線を送った方向に、その二人は居た。初代の勇者ルベドと風妖精(エルフ)の里の族長 シャルディア。現状において、戦ウ乙女(プリキュア)をも凌がんとする程の戦力をその身に宿す二人が姿を表していた。

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