転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ルベドとシャルディアの二人に、明確にブレイブより勝っている点があるとすれば、それは熟練の能力と精神だろう。
二人が異変を感じたのは先程、殲國が《
そして殲國が居る場所に到着した二人の目に飛び込んで来たのは和服姿で唯ならぬ雰囲気を発する殲國の姿。そして腕を切断されて蹲るユージーンとその後ろに倒れているブレイブの姿だった。
ユージーンやブレイブ、そしてこの場に居ない
しかし即座にその感情を心の奥底に抑え込む。怒りに任せて力を振るって勝てる相手ではないと、長年の経験と勘が訴えていたからだ。
*
ルベドとシャルディアはその場を一目見ただけで殲國がヴェルダーズに仕える者の中で最強の力を持っている事を見抜いた。
消耗しているとはいえ、ブレイブやユージーンと戦って傷一つ負っていない事に加え、前方に居たダクリュール達が不敵に口角を上げていたからだ。それは殲國の強さに全幅の信頼を置き、
ルベド達二人には、能力の射程距離に入っていたダクリュール達を攻撃し、止めを指すという選択肢もあった。しかし殲國という存在の方が遥かに危険性が高いと思い直す。その判断が彼等の次の行動を決定させた。
「《
「《
ルベドは手に発現させた炎魔法を槍の形に練り上げ、シャルディアは森に生えていた木を龍の姿に変形させて殲國に見舞った。
ブレイブ達がそうであるように、今のルベド達も決して本調子ではない。ルベドはバサラとの戦い、特に《
その最悪と言っても過言ではない状態で二人が見いだした勝ち筋は、短期決戦だった。相手に攻撃する隙すら与えず倒し切る事が唯一残された勝機だと、そう確信した。
しかし二人は知る由もない。今まで殲國に敗れた者達が皆、一様にその戦法を取った事を。殲國がそれらの攻撃を無傷で切り抜けてきた事を。
『ヒュアッ!!』
『ズガァンッ!!!!!』
『!!!!?』
炎の槍と樹木の龍が殲國に命中する瞬間、二つの軌道があらぬ方向へ曲がり、地面と森にそれぞれ激突した。土煙が晴れて顕になった殲國の姿を見て、ルベド達は彼が何をやったのかを理解した。
殲國は両手を開いた状態で左右に、まるで振り抜いた後のような形で構えていた。それが示しているのは、殲國が素手で攻撃の軌道を曲げ、受け流したという事だ。
「(馬鹿な!! いくら消耗しているからと言って僕達二人の
!!! うぐぅッ!!!」
この一撃で決めるつもりで放った攻撃が
その精神的な落差と肉体の反動が一気に襲い掛かり、ルベドとシャルディアは同時に膝を着いた。それですら彼等の消耗具合を考えれば持ち堪えた方だと言えるだろう。
一方の殲國は、この一撃を凌ぎ切った以上もうルベド達に脅威性は無いと考えて手の平を払っていた。そして周囲を見渡し、口を開く。
「━━━━こんなもの、か。かつての勇者や族長と言えど、絞り粕の様な能力で私の首を取るなど不可能な話だったという事だ。
其処迄シャルディアを攻撃し削ったのは、君だな。
「!」
殲國は広場の隅で立っていた
スキュアも、彼女の隣に居たニトルも、その場に居た全員が声も出せず動けずに居た。今この場は完全に殲國に支配されており、下手な行動をすればそれだけで命を奪われるという確信めいたものが彼等の共通認識としてあった。
「彼処迄シャルディアを削ってくれた君の力量と献身、賞賛しよう。私の名は殲國。此の機に君の名を聞いておこう。」
「・・・ス、スキュア・ノックストランド・・・・・・です。」
「スキュアか。単刀直入に言う。私達と共にヴェルダーズ陛下の下に就け。さすれば君の望む景色を見せてやろう。
シャルディアの首でも、妖精族の屍でもな。」
『!!!!!』
スキュアを仲間に引き入れ、シャルディアを始めとする妖精族を殲滅する。殲國は確かにそう宣言した。