転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
シャルディアの負傷は主に、スキュアから受けた胸部と左腕にある。通常の人間ならばそれだけで戦闘は疎か立っている事すらままならなかっただろう。
しかしシャルディアは
*
シャルディアも既に限界を迎えていた。そもそも胸部を貫かれて意識を保っていられる事が異常なのだ。その上での
「・・・・・・シャルディア、お前も同じ事を繰り返すのか。」
「!?」
「お前とて既に限界だろう。其の身体で出来る事など高が知れている。其れで何れ死ぬ運命にある人間の寿命をほんの少し先延ばしにする事に何の意義がある。」
「何を言う!!! 寿命を先延ばしにするだと!!? 私がその程度の事で満足すると思っているのか!!!?
この里を守る為に貴様を殺さなければならんと言うならば迷わずそうする!!! それが
『グオオオオオオ!!!』
シャルディアの咆哮と同時にそれは起こった。森の周囲に生えていた木が、神経や意志を与えられたように蠢き、伸び、そして殲國に襲いかかった。
それだけではなく、殲國の足元から生えていた木の枝も同様に動き、そして殲國の周囲を取り囲むように変形した。程なくして、大木の天辺に殲國を包み込む枝の球体が完成した。それは殲國の視界を、動きを、全ての自由を奪う《檻》だった。
(これで逃げ場はもう無い!!! 最低でも心臓!! 加えて喉、頭部も破壊する!!! これ以上こいつを野放しにしたら本当に
「食らえ『ズバアッ!!!!!』
シャルディアが殲國の命、正確には心臓、喉、脳を狙って枝の槍を放とうとした瞬間、それは起こった。
シャルディアが操っている全ての植物、即ち殲國を取り囲む枝の檻と、殲國の命を狙って放たれた枝の槍が一斉に両断されたのだ。
それも一太刀ではない。枝の槍は何十個もの輪切りにされ、枝の檻はさいの目状に切り刻まれていた。
「・・・・・・・・・・・・!!!!!」
自分の残る体力を全て乗せた攻撃が為す術も無く両断された。シャルディアは否応なくそれを理解させられた。次に、その直後に視界に映った殲國の姿を見てその現象の所以を理解させられる。
さいの目状に切り刻まれた枝の塊の一つを蹴り出して見えた殲國は、その手に刀を握っていた。それは先程ユージーンの左腕を両断したものとはまた異なる、鍔と長い刃の付いた《日本刀》だった。
(・・・・・・・・・・・・!!! あ、有り得ん!!! 私の《
「!!!」
シャルディアの視界から突如として、殲國の姿が消えた。視界の端に僅かな変化を認識し視線を下げると、既に殲國がシャルディアの足元で屈んでいた。
シャルディアの反応速度すら超越する脚力で大木から降り、一瞬にして彼女の足元へ移動したのだ。そしてその手は刀を構え、既に発車の準備を終えている。殲國の目はひたすらにシャルディアの命を見据えていた。
「━━━━然らば。」
『ズバァッッッ!!!!!』「!!!!!」
殲國が刀を振り上げたと思った瞬間、既に攻撃は終わっていた。殲國の凶刃はシャルディアの右目を破壊し、左足を根元から両断した。
シャルディアが攻撃を発動させてから僅か数十秒の出来事。その場に居た全員が反応する事も助けを出す事も出来ない程の一瞬でシャルディアの鮮血が周囲を赤く染め上げた。
「ンガッ━━━━!!!!!」
「終わりだな。」
シャルディアに致命傷を与えるだけでは殲國は満足などしなかった。彼女の右目と左足を両断したその返す刀でその首に刃を走らせる。
妖精族の長と言えども、首には生命活動に不可欠な器官が密集している。そこを両断されて生きていられる道理は無い。
だからこそ、彼等は辛うじて反応する事が出来たのだろう。しかしその誰もがあまりにも遅すぎると己を責めていた。シャルディアの危機に駆け付ける事も、殲國の凶悪さを理解する事もだ。
「・・・・・・ほう。」
殲國の凶刃はシャルディアの命には届かなかった。彼の周囲を男達が取り囲み、各々の武器を向けていたからだ。
カイの水を纏った手刀が、マキの燃える掌が、ハッシュの拳が、タロスの刃が、そしてニトルの炎が殲國に向けられていた。総勢五人の
「此処迄力の差を見せ付けても尚向かって来るとは、其れ程に里と心中する気が強いのか。良いだろう。全員を纏めて相手をしてやろう・・・・・・!!」