転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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522 風妖精(エルフ)の里を突き刺す妖刀!! 悪鬼羅刹 殲國!!! (孤軍)

カイやハッシュ達は、殲國の姿を一目見ただけで彼が尋常ではない身体能力の持ち主である事を見抜いていた。

その身を着物で覆っていた殲國の身体能力を一目で見抜く事が出来た理由は、その()()にある。鍛えられた筋肉を持っている事は、譬えその身を衣服で覆い隠していたとしても首筋に顕著に現れる。

 

しかしそれはあくまで、知識を持っている事が前提となる。武術の世界に精通しているカイ達はそれを見抜き、そうでない者達は為す術無く殲國に不覚を取ってしまった。

カイ達が、彼が本気を出してないとはいえ、殲國と渡り合えている理由はそこにある。それは貴重な情報であり、一方で自分と相対する者の力量を事前に突き付ける恐怖の源でもあった。

 

 

 

***

 

 

影之龍王(バハムート)》の存在は、ガミラの死と共に殲國の耳にも入っている。魔法警備団の中に彼等と交戦して生き抜いた者が居り、尚且つ戦ウ乙女(プリキュア)の味方をしている事は重要な事項だった。

しかし殲國は龍王系究極贈物(アルティメットギフト)の持ち主という単語や情報でタロスを判断してはいなかった。そして今、実際に彼と撃ち合ってそれを確信した。

 

「ガミラの襲撃を生き抜いた実力は称賛するが、其れで私達に刃向かう決断をしたのは思い上がりが過ぎたな。増してや団からの指示などという受動的な理由ではな!!!」

「!!!」

 

殲國は《影之龍王(バハムート)》の防御を突破する為の策を講じ、タロスに向けた。それは先程、ユージーンの左腕を切り落とした小刀による刺突だった。

それは素手では倒し切れないとタロスの実力を認める行為であると同時に、タロスに向けられた確実な死の宣告だった。

 

(避け切れない!!! 喉に刺さるッ━━━━!!!)

「《陽光之神(アマテラス)》!!!!」『!!!?』

 

凶刃が最短距離でタロスの喉を穿とうとしたその瞬間、横から眩い光が襲い掛かった。しかし、一番それに驚いたのは殲國ではなくタロス達だった。その理由は()()が加勢する見込みが無いと理解していたからだ。

 

(フェ、フェリオ!? 何で━━━━)

「《迅雷之神(インドラ)》ァ!!!!!」

 

陽光之神(アマテラス)》による強烈な光。それを放ったのは蛍変ずるキュアブレイブの戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー) フェリオである。

何故フェリオが()()()()で動けるのか。白けた視界の中でそれを考えようとしたタロス達の耳に、間髪入れずに野太い声が飛び込んで来た。その声も、彼等には聞き馴染みのあるものだった。

 

「ラァッ!!!」

『ビガッ!!!』

 

自分の拳や肉体に強力な雷を纏わせる究極贈物(アルティメットギフト)迅雷之神(インドラ)》。その雷を纏わせた強烈な蹴りをその持ち主である、リナ変ずるキュアフォースの戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)、ヴェルドは放った。

タロスの攻撃に意識が集中した瞬間を狙い、フェリオの《陽光之神(アマテラス)》で視界も封じた。急所の塊も同然の頭部を狙ったヴェルドの蹴りは命中すると確信していた。

 

「ふっ!」『ヒュカッ!!!』

「んなっ!!!?」

 

当たると確信していたヴェルドの蹴りを、殲國は首を軽く振っただけで躱した。そして身を引いた勢いのままに後方に跳んで距離を取った。

程なくして視界は戻り、集結したカイ達と、数歩分の距離を取った殲國という状況が明らかになった。緊張の走る状況のなかで、殲國は一切の動揺を見せずに口を開いた。

 

(・・・・・・こいつ・・・・・・・・・・・・!!!)

「ヴェルド・ラゴ・テンペスト。お前の実力と能力の程は良く理解している。オオガイやマーズが世話になったようだな。」

「・・・・・・蹴りを軽々と躱しといて言われても嫌味にしか聞こえねぇよ!!」

「其れは又別の問題だ。あれだけ殺気を垂れ流した攻撃を避けられないようでは最早武術家ではあるまい。

 

其れより私が疑問なのは、何故戦ウ乙女(プリキュア)達が動けない此の状態でお前達が変身して動けるのか、という事だ。」

『・・・・・・・・・・・・!!』

 

自分達の連携攻撃を軽々と躱されたという事実が、フェリオ達に殲國の実力を改めて理解させる。もはやこの状況で言葉を発する事すら危険に感じられた。

 

「答える気は無い、か。だが見当は付いている。大方、其の身に宿した力を無理矢理消耗させて戦ウ乙女(プリキュア)から与えられる力の代わりにしているのだろう。」

『!!!』

「此の仮説が当たっているならば、其のような悪足掻きが何時迄続くか見物だな。」

 

殲國の推論は当たっている。フェリオ達は今、戦ウ乙女(プリキュア)の力に頼らず、自らの力だけで強引に変身状態を維持している。

しかしその変身は強烈に体力を消耗する。フェリオ達が変身状態を保っていられるのは、後二分程度が限界だった。

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