転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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523 風妖精(エルフ)の里を突き刺す妖刀!! 悪鬼羅刹 殲國!!! (独力)

そもそもの話、戦ウ乙女(プリキュア)戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)の関係は単なるパートナーに留まらない。両者は戦闘において絶大な相乗効果を発揮している。

 

まず、戦ウ乙女(プリキュア)に覚醒した少女達には一体の媒体(トリガー)が自動的に宛てがわれる。この時、媒体(トリガー)には膨大なエネルギーが蓄積されているがそのままでは使う事が出来ない。

媒体(トリガー)に蓄積されたエネルギーは、変身アイテム(フェデスタル)を通して少女に流し込まれ、戦ウ乙女(プリキュア)に変身する事で初めて使用可能になる。しかしエネルギーの移動はこれだけに留まらない。

戦ウ乙女(プリキュア)に変身する事で更に増幅したエネルギーは、再び媒体(トリガー)に移動して還元される。

 

これによって初めて、人間態への変身や身に宿った究極贈物(アルティメットギフト)の使用が可能となる。これが通常の媒体(トリガー)の戦闘の常識である。

しかし今、フェリオとヴェルドはその常識を真っ向から打ち破っていた。奇しくも殲國はその方法と弱点を一目で見抜いて言い当てた。

 

 

 

***

 

 

戦ウ乙女(プリキュア)媒体(トリガー)の戦闘におけるエネルギーの関係性は誰も知る事ではないし、増してや敵に共有する事など有り得ない。

それでも殲國を始めとする敵対している者達がそれを知っている理由は単純な話、それを自力で見抜いたからだ。少女が戦ウ乙女(プリキュア)に変身する際、そして媒体(トリガー)が人間態に変身する際、その体からは少なからずエネルギーが放出される。殲國を始めとする強者達は、その事実から逆算して両者の関係性と弱点を導き出した。

 

その弱点とは、媒体(トリガー)は変身している戦ウ乙女(プリキュア)という供給源が無ければ人間態に変身出来ない、即ち無力になるという事である。それを自力で見抜く事自体がそのまま、類い稀なる観察眼と実力の証明となっているのである。

 

そして今、殲國の眼前ではその()()を根底から覆す光景が広がっている。しかし一切の動揺を見せる事は無かった。それはある例外の情報を既に知っていたからだ。

 

「・・・・・・其の付け焼き刃、キュアカーベルの入れ知恵だな。」

『!!!』

 

キュアカーベル。殲國の口から出たその名前こそその例外であり、フェリオとヴェルドがこの状況で変身する方法を発見した所以である。

キュアカーベル元いフゥは戦ウ乙女(プリキュア)でありながら戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)でもあるという特異な存在である。その状態が成立している理由は自らのエネルギーを変身アイテム(フェデスタル)によって増幅させ、自分自身に適用させる事が出来るからである。

その前例があるからこそ、フェリオやヴェルドは自らのエネルギーを自身に流し込み、自力で人間態に変身する方法を編み出せたのである。

 

しかしこの状態はエネルギーの効率が極端に悪い。数分と経たない内にエネルギーを消耗し尽くしてしまう。それでも膠着状態に甘んじている理由は、殲國に飛び込む事が自殺行為であると分かっているからだ。

 

(撤退したディスハーツが言っていたキュアレオーナの眷獣が此の場に居ないのは、つい先程発現したばかりでキュアカーベルから何の情報も得られていないからだろう。

グラトニー(リルア・ナヴァストラ)の妹が居ないのは単純に戦力にならないと判断したからだろうな。)

「━━━━面白い。お前達が総力を挙げて挑んで来る気概がある事は十分分かった。

其の信念に殉ずる姿勢を称賛して、私も其れに相応しい力で相手をしてやるとしよう。」

『!!!!』

 

その言葉と共に、殲國は刀を抜いた。先程、シャルディアを全力の攻撃ごと切り刻んだ凶器である刀だ。

それを手にした瞬間、フェリオ達の背筋に冷たいものが走った。カイ達が素手でも有効打を与えられなかった相手が武器を持って襲って来る。それが如何に危険な状況であるかは言うまでもない。

 

『・・・・・・・・・・・・!!!』

「どうした? 奥の手を使っているというのに向かって来る気が無いのか。其の儘体力を燃やし尽くすまで動かないつもりでいるのか。

其方は構わんだろうが、私にはお前達全員の首を持って帰る必要があるのでな。端から容赦する気など無いぞ。」

(ッ!!! 来るッ!!!)

 

つい先程シャルディアを鯰に刻んだ凶刃が今度は自分達に向かって来る。それをフェリオ達は否応なく確信させられた。そして次の瞬間には殲國の姿はその視界から消えていた。

しかしそれは気の所為でも、増してや殲國が撤退したからでもない。つい先程同じ事が起こったからだ。

 

『ガァンッ!!!!!』「んぐっ!!!!!」

 

それは、ヴェルドの足元から鳴った音だった。

殲國は脱力による加速で一瞬の内にヴェルドの足元に潜り込んで下から切り上げた。それをヴェルドが雷を纏った足で受け止めたのである。

 

「~~~~~~~!!!」

「まぁ、此の程度は見切ってくるか。万全のお前と虫の息のシャルディアとでは、お前に軍配が上がったという事だな。」

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