転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「ねえ、そのハダルってどの人?」
「ほら、そこの右から3番目の人だよ。」
蛍とハッシュは試合会場の外枠から会場を見ていた。
ハッシュがマークしたハダルという人物は、黒髪で肌色という、いかにも蛍と同じ人間族と言うべき容姿をしていた。
しかし、ハッシュが言うには彼は【魔人族】としてエントリーしたということだった。
服装は上下 黒色の肌着という、まるでハッシュと同じような格好だった。
「それで、次の試合はその人のなんだよね?」
「そう。 1回戦の第11試合。
Cブロックが終わってくる頃だよ。」
***
『さぁ皆様。この龍神武道会の1回戦も、後半に入って参りました!!
ただいまより、1回戦 第11試合 を始めたいと思います!!!』
アナウンサーの宣言が観客席を程よく沸かせる。
『両雄 出揃いました!!!
東の方角!!!
一族に脈々と受け継がれてきた柔術を引っ提げて、この龍神武道会に名乗りを上げる新生!!
フリジオ・ゴール!!!!』
フリジオ・ゴール
刈り込んだ金髪の20代後半に見える男だった。
『対しまして、西の方角!!
素性経歴 一切不明!!!
闘うためにここまで来た
ハダル・バーン!!!!』
ハダルという男も試合会場で対戦相手と向かい合った。
蛍はこれから一体 何が起こるのか と固唾を飲んでいる。
「武器の使用以外の全てを認めます。
両者、下がって!!」
『さぁ、いよいよ試合開始だ!!!!』
レフェリーの指示で2人はそれぞれ 外枠に向かった。
フリジオは十分なまでに腕や足をストレッチしているのに対し、ハダルはなんの準備運動を見せない。
「両者 構えて、
始めぇ!!!!!」
試合のゴングが鳴らされた。
2人とも、少しばかり出方を伺っていたが、それは直ぐに終わることになる。
『フ、フリジオ選手 仕掛けます!!!』
フリジオがハダルに向かって一直線に駆け出した。
そして低く屈んでハダルの腰を両腕でホールドし、片足を膝裏にかけて全体重を掛けた。
しかし、
(な、何っ!!!?)
ハダルは全く動かない。
フリジオの全体重を乗せたタックルを足一本で支えている。
『お、驚きました!!!
一体、あの華奢な体躯のどこにあそこまでの力があるというのか!!!?』
「……………終わらせるか。」 「何っ!!?」
ハダルは唐突に口を開いた。
フリジオにしか聞こえないくらいの小声で。
グリンッッ!!!!
ハダルの体勢が崩れた。 否、崩したのだ。
フリジオのタックルを切り返し、彼の身体が宙を舞った。
そして、体勢が崩れた隙をついて、
フリジオの頬にハダルの
フリジオの体躯は空中を横断し、外枠にまで一直線に激突した。
「しょ、勝負ありィ!!!!!」
終幕は突然だった。
『け、決着!!!!
信じられない光景だ!!!
柔術というなんでもありの格闘試合において最も有利とされた技術が、たったの蹴り 1発の前に 無残に崩れ去ったのです!!!!!』
あまりの瞬殺劇に蛍は言葉を失った。
「……………!!!!!
す、凄い…………!!!!!」
「あれじゃあ、彼とぶつかって、
「ちょっと 怖いこと言わないでよ!!」
そうは言ったものの、そうなる可能性も濃厚だ。新しい
***
「蛍、彼女、リナ
2回戦 進出だって。」
「………そう。次は私の番だね。」
リナ・シャオレンはDブロック 出場だ。
そのブロックはたった今終わり、そして1回戦も終わりを告げた。
いよいよ2回戦の幕が上がる。
「……次の対戦相手のこと、調べておいたよ。」
「どんな人なの?」
ハッシュは懐から1枚のメモを取り出した。
「名前はソラ・トリノ。
種族は普通の人間族 なんだけど………」
「だけど?」
「育ちが
「特殊?」
ハッシュは目を瞑って口を開いた。
「両親を早くに亡くしたそうでね、その後に【鳥人族】の里で育ったそうなんだ。」
「それで?」
「その戦い方に問題があるんだ。
1回戦 彼は完封で勝ったんだよ。」
「完封!!?」
ハッシュの説明はこうだった。
彼、ソラは対戦相手を上空からのストンピング だけで勝ち上がった のだと言う。
ハッシュの説明では、人間というものは格闘においては上からの攻撃には対応する術を持ちえないのだという。
ソラという男は鳥人族の動きにヒントを得て、格闘術に跳躍という武器を備えてこの龍神武道会に名乗りを上げた。
ハッシュ曰く、彼の説明はそうなのだという。