転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
『さぁさぁ更なる局面を迎えようとしております 龍神武道会 2回戦 第1試合!!!
ソラ選手の空中からの猛攻を切り返しました
アナウンサーの実況が観客の興奮を煽る。
期待の新星に白星を勝ち取った少女と異種族の動きを取り入れた格闘家 という異色のカードは龍神武道会においても要注目だった。
***
観客席
「先生、あのソラってやつ、どう思います?」
「……あの動きは…かなり理にかなった戦法だな。」
そう会話を交わしたのはゲルドフとシーホースだ。
1回戦で敗れたシーホースも、蛍の活躍、そしてこの龍神武道会の行く末を見守ることにしたのだ。
***
『ブレーブ、あの蹴りをどうするつもりファ!?』
「今考えてるとこだよ!!」
ブレーブは焦っていた。
この試合も新しい
「……来ないつもりかい?
……なら、僕から行くよ」 『「!!!」』
ソラは再び宙に飛び上がった。
ブレーブは蹴りに対して構えを取る。
ソラはブレーブに対し、再び横薙ぎの蹴りの動きを取った。
しかし、今度もフェイントだった。
ガッ 『「!!!?」』
『これは一体なんだ!!!?
ソラ選手、ホタル選手の上で逆立ちをした!!!』
アナウンサーの解説の通り、ソラはブレーブの額に右手を着け、右腕だけで逆立ちをした。 その姿勢はさながら体操競技の鞍馬のようだった。
グリンッッ!!! 「ああっ!!!?」
ソラはブレーブの顔を掴んだまま体勢を崩した。それに巻き込まれてブレーブの体勢も崩れる。
ズダンッッ!!! 「うぐっ!!?」
ブレーブは背中から地面に叩きつけられた。
すぐに意識を戻して起き上がったが、その体に違和感を覚えた。
「!!?」 ブレーブの左手首をソラが掴んでいた。
「………ごめんね。」 「!!!?」
グキィッ!!!!!
「!!!!?
あああああぁぁぁッッッ!!!!!」
軋むような音が響き、ブレーブの肩があらぬ方向に曲がってしまった。
「あの野郎、へし折りやがった!!!!」
「いや違う。 外したんだ!!」
観客席で動揺するシーホースに対し、ゲルドフは冷静に判断をした。
『な、何と空中蹴りを専門と言われていたソラ・トリノ選手!!!
ここに来て未知の職業
キュアブレーブの左肩が、無残にも外されてしまった!!!!』
「うぐぐぐ………… アァッ…………!!!!」
『ブレーブ、大丈夫ファ!!!?』
ブレーブは何とか立っているが、誰の目から見ても試合続行はもう不可能だった。
「申し訳ない これしか方法はなかったんだ。
これ以上 君の身体を壊さずに決着を着けるには、これしかね。」
肩を抑えて苦しがるブレーブに、ソラは余裕をもってそう言った。
「今 降参して手当をすればすぐに治るだろう。
……もしまだ続けると言うのなら、これ以上は辛いことになるよ。
これからの僕の攻撃を右腕だけで凌げるとは思えないし、場合によっては完全に勝つためにその右腕も外さざるをえなくなる!!!」
深手を負ったブレーブに対し、追い討ちと言わんばかりに口撃を仕掛けるソラ。
しかし、ブレーブはそんなことを気にもとめない。
構え直そうと動く。
「……何が、何が君を支える!!?
情熱か!?それとも仲間を引き入れるという信念か!!? それが
ソラは理解に苦しんだ。
それは
しかし、それでもブレーブは価値を譲る気はさらさらなかった。
「………ねぇ、フェリオ。」
『!?』
「………この試合の間だけ、私の左腕をフェリオが動かしてくれない………?」
『ブレーブ………!?』
「リナちゃんを引き入れるためにもさ、
『!!!! ………………分かったファ!!!!!』
キュアブレーブは今度こそ構えを取ろうと動いた。それに誘発されたかのように観客席からも熱狂が巻き起こる。
『ホタル・ユメザキ選手、試合続行を宣言!!!! たとえ片腕でも挫けることの無い闘志!!!! それがこの龍神武道会で爆発するのか!!!!?』
動揺していたソラも落ち着きを取り戻した。
「……そうか。それが
なら、僕を倒して見せろ!!!」
そう凄むソラに対しキュアブレーブが取った構えは、
【両手の拳で顔面をガードし、体を屈めて片脚を上げる】構えだった。
それはさながら━━━━━━━━━━━━
お………ッ
俺の構え!!!??
驚いたのはやはりシーホースだった。