転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
『こ、これはまさか━━━━━━━━━』
アナウンサーもブレーブの
「……あの構え…………」
「……ここに来て………」
「……そ、そう来たか………」
ハッシュとゲルドフ、そしてリナが各々の反応を示している中、シーホースは別の思考を巡らせていた。
***
この構えは、防御を考慮しない攻撃特化の構えである。
両拳を顔面で構えるのは、体勢を低くしやすくするのと同時に蹴りの狙いを正確にするためのもの。
体勢を低くすれば突進力を稼ぐことが出来る。
そして曲げて上げる足は攻撃、地面につける足は突進用に構える。
これは、脚力が発達している馬の獣人族だからこそ成立する構えだ。
(……いつからか、
編み出したと言うよりゲルドフ先生との修行の中で無駄をどんどん無くしていって自然と身についていた構え………)
シーホースは驚きと同時にこの構えに至った経緯を振り返っていたのだ。
(……あいつは、付け焼き刃をするようなタマじゃねぇ……
なら、何をやる気だ!!?)
***
『両者の実力は五分!!
両者、再び向かい合った!!!
キュアブレーブ、ホタル・ユメザキ選手はソラ・トリノ選手の空中蹴りやサブミッションに対し、なんとシーホース選手の構えで応えます!!!』
場内に緊張が走る中、ブレーブは口を開いた。
「…………行くよ。」
「!!!」
ボッ!!!!
その音は、ブレーブが地面を蹴った音だった。人間族の片足での脚力とは到底思えない程の轟音が響き、地面にまるでモグラの住処のような穴が空いた。
「やあああああああああぁぁぁッッッ!!!!!」
『行ったァーーーーー!!!!
キュアブレーブ、まるでシーホース選手の生き写しかのような蹴りを放つ!!!!!』
ソラはこれを見切り、脚に蹴りが直撃する直前で前宙の要領で飛び上がり、ブレーブの蹴りを躱した。
そして━━━━━━━━━━━━
ソラは空中で身体を捻り、
鳥人武術!!!
《
ズダァン!!!!!
下方向のブレーブに全体重を乗せた蹴りを見舞う。しかし、ブレーブは体勢を変えてソラの蹴りを足で迎撃した。
『す、凄い!!!!
鳥人武術 ソラ・トリノ!!!
両者とも、一歩も譲らない!!!!』
(まだまだ!!!)
鳥人武術!!!
《
ズドドドォッッッ!!!!
(ッッ!!!?)
ソラは続けざまに空中から踏み蹴りを5発、つるべ打ちした。
何発かガードできずにダメージを負う。しかし、ブレーブもこれでは終わらない。
カウンターの回し蹴りをソラの顔面に見舞う。
「!!!!?」
不意の蹴りが直撃し、ソラは武道場端まで回転しながら吹き飛ばされた。
『決まったァ!!!!
キュアブレーブ渾身のカウンターキックがソラ選手を直撃だ!!!
これは効くぞぉ!!!!!』
武道場端からもくもくと上がる土煙の中から何かが猛スピードで突っ込んでくる。
「!!!!」 ブレーブは咄嗟にガードを固めた。
鳥人武術 《
「!!!!?」
ソラが全速力でブレーブに飛び蹴りを放った。
ズドォン!!!!!
と、けたたましい衝撃音が場内に炸裂した。
ブレーブの身体には、ガードの上からでもものすごい衝撃が迸る。
(まだまだだ!!!) ソラの追い打ちは止まらない。
鳥人武術 《
ズドドドトドドドォン!!!!!
「!!!!? ウッ!!ウッ!!!ウッ!!!!」
ソラの突進を乗せた連続蹴りがブレーブを強襲する。
『強烈な追い打ちだァ!!!!
連蹴り 連蹴り 連蹴りィ!!!!!
このまま決まってしまうのか!!!!?』
(これで終わりだ!!!!!)
「!!!?」 ソラは空中で身体を捻った。
鳥人武術 奥義
《
「!!!!!」 ソラの飛び後ろ回し蹴りによって、ブレーブはさらに吹き飛ばされた。
『決まったァーーーーーーー!!!!!
ソラ選手の鳥人武術!!!!
その奥義が今、
ブレーブが激突した外枠の土煙が晴れていく。
「…………… !!!??」
『い、いない!!!!
ホタル選手がいません!!!!』
「私はここだよ!!!!!」 『「!!!!?」』
ブレーブは上空で身体を捻っていた。
その姿勢はさながら オーバーヘッドキックの構えだった。そして脚には
『ホ、ホタル選手 ふっか━━━━━━━
実況の声をかき消して、ブレーブの渾身の一撃が放たれた。
《プリキュア・ブレーブガリバー》!!!!!
「!!!!?」
ズバァン!!!!!
という武道の試合では聞くはずのない