転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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60 誇り高き柔道家! キュアブレーブ、宙を舞う!!

『お待たせ致しました!!!

空前絶後の32名から勝ち上がった8名!!

 

ただ今より、龍神武道会 3回戦を始めたいと思います!!!』

 

遂にキュアブレーブ 3回戦の幕が上がろうとしていた。

 

対戦相手は全身 傷だらけの大男

名前をウツ・ロッキー と言った。

 

『さあまずは東の方角!!!

この龍神武道会に名乗りを上げ、止まらない快進撃を魅せる戦ウ乙女(プリキュア)!!! 戦場の天使が舞い降りた!!!

 

ホタル・ユメザキィィ!!!!』

 

蛍は既にこの大歓声に慣れていた。

 

『対しまして、裏格闘技で百戦無敗!!!

孤高の武道家がこの龍神武道会に殴り込む!!!!

その身に宿したゴーレムの細胞を武器に、この龍神武道会に鉄槌を下す!!!!

ウツ・ロッキィィーーー!!!!』

 

アナウンサーの紹介が終わるとウツはどういう訳か蛍に近づいて行った。

 

『さあご覧下さい この体格差を!!!

文字通り大人と子ども!! 否、それ以上はありましょう!!! こんな対戦が許されていいのでしょうか!!?』

 

そして、ウツは蛍の前に膝を着いて座った。

 

「…………???」

 

その意図が分からずに困惑しているとウツが口を開いた。

 

「……よくぞここまで勝ち上がってきた。

君の戦いぶりは存分に見させてもらっている。

俺は君を全力で相手取る。

全力で来い!!!」

「………!!!! はい!!!!」

 

『ご覧下さい!!! この美しい姿を!!!

試合の前のこの美しい儀式を!!!

果たしてどのような試合が見られるのか、乞うご期待です!!!!』

 

「武器の使用 以外の全てを認めます。

両者 元の位置へ!!!」

 

遂にゴングが鳴らされる。

 

蛍はその姿をキュアブレーブへと変えて、試合のモードに入る。

 

「始めぇ!!!!」

 

 

3回戦の火蓋が切って落とされた。

先に仕掛けたのはウツだった。

 

「いっ!!!!」

 

ウツの下段蹴りがブレーブの膝を強襲する。

ブレーブは何とかこれを躱した。しかしウツはこれを読んでいた。

 

『ウツ選手、強烈な先制攻撃!!!

キュアブレーブ、何とかこれを躱した!!!』

 

ガッ!!! 「!!?」

 

『く、組み付いた!!!』

 

ウツがブレーブの胸ぐらを掴んで組み付いた。さっきの蹴りを起点にしたのだ。

 

 

「ッそぉい!!!!!」 「!!!?」

『投げたァーーーー!!!!

ウツ選手のお家芸 背負い投げが戦ウ乙女(プリキュア)を襲う!!!!』

 

(━━━━━━まずい!!!)

 

 

ブレーブ受身を取ろうと自分で加速をつけて体勢を崩す。

地面への激突は強固盾(ガラディーン)を地面に展開して受けた。

 

それでもウツの追撃は止まらなかった。

 

『ブレーブ!!! 来るファ!!!!』 「!!!?」

 

ウツは地面に倒れたブレーブに全体重を乗せた肘を見舞った。

ブレーブはそれを胸に強固盾(ガラディーン)を展開させて迎撃する。

 

ガキィン!!!!

 

という軽い衝撃音とともにウツの身体は仰け反った。ブレーブはその隙をついて体勢を整えてウツと向かい合う。

 

何とか彼にマウントポジションを取られるという最悪の事態は回避出来た。

 

『何という凄惨な攻撃!!!

それを脱したキュアブレーブ選手 再び向かい合った!!!』

 

やっぱりこの男はただ者ではない。

ダクリュールともハッシュともテュポーンとも違う緊張感がブレーブの中にはあった。

 

『ブレーブ、肩は大丈夫ファ!!?』

『うん。それは大丈夫。 ハッシュ君に手当して貰ったから!!』

 

ハッシュは星聖騎士団(クルセイダーズ)隊長として、本部の医療施設の手術や司法解剖に立ち会って、人体にも詳しくなっていた。そのハッシュなら外れた肩をはめることくらい簡単な事なんだと言う。

 

実際、今のブレーブの腕は問題なく動いていた。

 

『さぁ両者 動かない!!!

次に仕掛けるのはどちらか!!!?』

 

「ハッ!!!」 「!!?」

 

次に仕掛けたのはブレーブだった。

 

『と、飛んだ!!!

ホタル選手、大きく空へ!!!』

 

ズドォン!!!! 「!!!?」

 

ブレーブは上空からウツに対して蹴りを撃ち込んだ。

 

『こ、これはソラ選手がキュアブレーブ使用した鳥人武術

翡翠(かわせみ)蹴り》だ!!!!』

 

人間は上空からの攻撃には反撃できない。

だから、ブレーブは攻撃を続けた。

 

ズドズドズドズド!!!!

 

ブレーブはそのままウツに対し 踏み蹴りを続ける。このまま押し切れそうな感じすらあった

 

 

かに思えた。

 

 

バチィン!!!!! 「!!!!?」

 

ウツの腕の一振でブレーブは飛ばされた。

何とか着地するが、明らかに変わったウツの気迫に押しつぶされそうになる。

 

「………!!!?」

 

ブレーブは異変を感じた。

 

パキパキと音を立てて、ウツの両拳が変化していく。

これがウツの本領 ゴーレムの力なのである。


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