転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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63 冷静かつ豪快に! 龍人族の大ゲンカ!!

『ただ今より、3回戦 第4試合 Dブロック

リナ・シャオレン 対 レンジ・クリスタ 戦を行いたいと思います!!

なお、リナ選手 レンジ選手 両者の同意により、試合会場にこちらからの音声の一切を遮断する結界を張らせていただきます!!!』

 

 

「武器の使用以外 全てを認めます。

両者 構えて、

 

始めぇ!!!!!」

 

試合のゴングが鳴らされた。

 

(……さて、まずはお手並み拝見と行こうか………)

 

レンジはおもむろにサングラスを外してリナの方を向いた。

━━━━━━━━━━━その時、

 

 

 

ズッドォン!!!!!

「!!!!?」

 

いきなり レンジの腹に衝撃が走った。

 

『リ、リナ選手の強烈な先制攻撃!!!!

レンジ選手の腹に諸手突きが突き刺さった!!!!!』

 

「なっ……………!!!?」

「バーカ 敵に背中見してんじゃねぇよ!!!」

 

リナはそのまま全体重を乗せて外枠まで一直線に飛ぶ。

 

ズドゴォ!!!!! 「!!!!」

 

そのままレンジは外枠に激突した。

壁とリナの拳に挟まれて腹に無視できないダメージが入る。

 

ダメージによって隙の出来たレンジに対し、リナはダメ押しの攻撃を見舞う。

両足での連続蹴りだ。

 

「オラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!」

 

『リナ選手の猛攻だァーーーー!!!!

ここまでの絶対的な攻撃力!!! 稀代の産物 盲目拳法の命運もここまでか!!!?

 

……………い、いや!!!!!』

 

アナウンサー、レフェリー、観客 果ては蛍までもその光景に目を疑った。

レンジは全ての蹴りを完全に捌いていたのだ。

 

『あ、当たっていない!!!

レンジ選手、神業的ディフェンスでリナ選手の蹴りを封じている!!!!』

 

 

「………シュッ!!!」

 

その掛け声と共にレンジの起死回生のカウンターが放たれた。

拳はリナへと真っ直ぐに向かっている。

 

「へっ!!」

 

リナはその拳を難なく避けた。

そのまま回転して着地をとる。

 

「………思っていたより冷静だな。」

「バカ言ってんじゃねぇ。

こちとらジジイの血を継いでんだ。冷静()めててなんぼなんだよ。」

 

「……なるほどな。

やっぱり君は本物だ。」

「ケッ 好きなだけほざけや!!!」

 

リナが再び大地を蹴った。

 

『再びリナ選手が仕掛けます!!!

この未知の男を相手取り、如何なる闘いを魅せる!!!?』

 

「……リナ・シャオレン。

盲目を舐めてもらっては困る。」

「!!?」

 

バチィン!!!!! 「!!!?」

「失った視覚は、他の全てが満たしてくれる。」

 

『レ、レンジ選手の蹴りがリナ選手を直撃だ!!!!』

 

(…………!!!!

しならせて威力 上げようってハラか!!!)

 

片腕でガードしたが、ダメージは抑えきれない。そのままレンジの追撃が襲う。

 

「破ッッッ!!!!」 「!!!!」

『さらにレンジ選手の掌底がリナ選手に直撃!!! 吹っ飛ばされた!!!!』

 

リナはそのまま数メートル飛ばされ、大の字に倒れた。

 

『ダウーーーン!!!!

恐るべし 盲目拳法!!!! リュウ・シャオレン様が作り上げた格闘術すらも、正面から迎え撃つというのか!!!!?』

 

 

「私を倒したくば、【盲目が闘えない】という性根を変えなければ駄目だ。

どうする? まだ続けるかね?」

 

その質問には答えず、リナは立ち上がった。

 

「なるほどなァ……… よぉく分かったぜ。

道理で【ガキのやるケンカ】じゃ勝てねぇ訳だ。」

「!?」

 

『こ、これは驚きました!!!

ケンカ だと!!! リナ選手は今はっきりとさっきの猛攻を ケンカ と言い張ったのです!!!』

 

「アンタよぉ、俺が目ェ見えねぇヤツと戦い慣れてないって、そう言いてぇんだろ?

 

ならこの場で慣れてやる!!!

そして見せてやんよ!!! ジジイが作り上げた龍の里の格闘術ってヤツをよォ!!!!」

「…………!!!! それは楽しみだな。」

 

 

スルスルスル………… 「!!?」

 

それは、レンジがその時確かに聞いた音だった。これが何を意味するのか、すぐに知る事になる。

 

 

***

 

 

(こんなもんでいいだろ。

しっかし 観客の声が聞こえねぇと、張り合いが無ぇぜ。)

 

『これは一体なんの真似だ!!!?

リナ選手、なんとサラシとふんどし姿になり、果てはその目をサラシを巻いて隠してしまった!!!』

 

 

その異様な光景を、蛍とハッシュも観客席から見ていた。

 

「ハッシュ君、これってまさか…………」

「そのまさかだろうね。 彼女、レンジの居場所を肌で感じるつもりなんだ!!」

 

 

(………動いていない??

何だ………? 何をしている?

何をする気なんだ…………???)

 

レンジはリナの考えが全く分からなかった。それ故に動くことが出来ない。

 

(………視覚以外 フル稼働させて感じろってかぁ………? 無理難題を押し付けやがるぜ。

けど、俺の触覚がありゃ、それも…………

空気の動きを感じりゃ…………)

 

 

 

 

…………ニィ……………

 

……………見ィつけたァ…………………

 

リナは1人 ほくそ笑んだ。


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