転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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67 魚人の素足が襲う! 武道場を包む大海原!!

カイは本気を出すと宣言した。

そして、1つの行動をとる。

 

靴を脱いだ。

 

嘘偽りなく、それが彼のとった行動だった。

 

「………………???」

 

ブレーブは意味を理解できず、呆然と彼を見ることしかできなかった。

それは観客席にいたハッシュも同じだった。

ハッシュはリュウの隣で試合を観ている。

 

「……ほう。もうあれを使うか。」

「…あれにどんな意味が?」

「まぁ 見ておきなさい。」

 

 

***

 

 

『カイ・エイシュウ

ここに来て遂に素足を解放した!! 未知の対戦は ここから更なる展開を見せるのか!!?』

 

 

『「……………………」』

 

ブレーブだけでなく、フェリオも呆然としていた。

 

「君は知らないだろうが、言っておこう。

 

この靴を脱ぐという行為は、例えるなら真剣使いが峰打ちから持ち替えて、刃を相手に向ける行為に同じ。

 

私が素足を晒すのは それほど危険、そして相手がそれほどだということだ!!!」

 

カイは構えを変えた。

半身で伸脚の体勢をとり、重心は後方に向いている。

 

『裸足です!!!

カイ・エイシュウが、今大会を通じて初めて靴という名のグローブを外したのです!!!!

 

この状態となったカイ選手から白星をとった者は1人としていません!!!

果たして 未知の職業戦ウ乙女(プリキュア)がその第一号となるのか!!!?』

 

 

「……………………!!!!!」

 

ブレーブは再び えもいえない緊張感に包まれた。あの奇妙な行動にどれほど 恐ろしい意味があるか 直感で理解していた。

 

 

カイの足の甲には血管が浮かび、全筋力がこもっていた。

 

「……参るぞ。」

「!!!!!」

 

先に仕掛けたのはカイだった。

地面を全力で蹴り、走った。

 

 

ブレーブとは反対側に。

 

そして外枠に足をかけ━━━━━━━━━━

 

 

ブォッ!!!! 「!!!??」

 

『と、跳んだ!!!!

カイ・エイシュウ 外枠を踏み台に大きく空へ!!!!』

 

 

そのまま全体重を乗せ

 

「はいやァッッッ!!!!!」

ズドォン!!!! 「!!!!?」

 

 

放たれたカイの蹴りをブレーブは腕に強固盾(ガラディーン)を纏って受けた。

 

(~~~~~~~~ッッッ!!!!!

お、重い………!!!!)

 

カイの追撃は止まらない。

右上半身を狙った鋭い蹴りを咄嗟に躱した。

 

 

━━━だが、

 

「!!!? こ、これは!!!」

 

『つ、掴んだ!!!

足でホタル選手の指を掴んでいる!!!』

 

カイはそのまま脚力でブレーブの指を引き、身体が引っ張られた。

そのまま追い討ちの蹴りあげが顎を襲う。

 

「!!!?」 ヒュカッ!!!!

 

顎への攻撃はかろうじて躱した。

これをチャンスだと言わんばかりにブレーブは反撃に転ずる。

 

「おりゃァッッ!!!!!」 「ムッ!!?」

 

逆にカイの足首を掴み、そのまま背負って投げた。 だが地面に激突するのを両腕で着地をとった。

 

「!!?」

 

「甘いッッ!!!!」

「!!!? ああっ!!!」

 

ブレーブの投げを切り返し、脚を振るってブレーブを投げ飛ばした。

そのまま外枠に激突した。

 

 

「はあァァァァァッッッ!!!!!」

 

カイの勝利宣言のような叫びが場内に響いた。ブレーブはダメージを負って ダウンしている。

 

『シューズを脱ぎ捨てたカイ・エイシュウ!!!

その蹴りはやはり鋭利にして多彩!!!

その魚人の足技が 戦ウ乙女(プリキュア)の情熱までも打ち砕いてしまうのか!!!?』

 

 

「……………!!!!」

『ブレーブ、大丈夫ファ!!?』

「………もちろんだよ。 負ける訳には………!!!!」

 

ブレーブは意識を取り戻し、立ち上がった。

そして、両手に乙女剣(ディバイスワン)を纏い、手刀を構える。

 

『ホタル選手 ダメージを意に返す事無く構え直した!!!

これまで 数多の強豪から白星を勝ち取ってきたキュアブレーブ その手に宿る剣は 魚人までも一太刀にしてしまうのか!!!?』

 

ブレーブは再び向き合った。

 

「……キュアブレーブ

君にならば、私の修行の極致を見せてやろう。」

「…………!!?」

 

 

「………かァァァァァァァッッ……………!!!!!」

 

その静かな叫びと共に、カイの周りの地面がだんだんと変化していった。

それは次第に濃い青色の水へと変化していく。

 

「ま、まさか…………!!!!」

「そうだ。これこそが私が10年の修行(自分との闘い)で手に入れた究極贈物(アルティメットギフト)

 

名を【海原之神(ポセイドン)】と云う!!!!!」

 

『な、なんとカイ選手 ここに来て贈物 (ギフト)を解放だァ!!!!

しかし、龍神武道会のルールでは 贈物(ギフト)の使用は反則ではありません!!!

試合はなんの問題もなく 続行します!!!』

 

会場はざわついていたが、その実況の一言で再び静寂に戻った。

 

「私はこれまで 武道家が贈物(ギフト)を使うのは御法度だと決めつけていたが、

 

君にならば それを投げ捨てても良かろう!!!!」


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