転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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69 大白熱の準決勝! 拳法家とダークホース!!

『こ、これはなんという光景だ!!!

この龍神武道会 準決勝第1試合!! その激闘を戦い抜いた両者の全力の攻撃が今、ぶつかり合いました!!!!

 

さぁ決勝戦への切符を掴むのは、果たして戦士か!? それとも拳勇か!!?』

 

 

場内は緊張に包まれていた。

会場には悶々と土煙が立ち込め、状況を理解することが出来ない。そして、遂にその時が来た。

 

『さぁ 土煙がだんだんと晴れていきます!!

勝者は果たしてどちらか!!?

 

 

━━━━━━━━━━━━━あぁっ!!!!』

 

 

立っていたのはキュアブレーブ もとい蛍だった。対するカイは意識はあるものの地面にうつ伏せに倒れ伏している。

 

「しょ、勝負あり!!!!」

 

審判の宣言に連鎖するかのように会場は熱気に包まれた。

 

『勝負あったァーーーーーー!!!!!

なんと魚人武術の至宝 ここに敗れる!!!

勝ったのは人間族の少女、 ホタル・ユメザキ選手だァーーーーーー!!!!!』

 

 

ドサッ 「!!?」

 

蛍は膝をついた。 既に《解呪(ヒーリング)》を2回も使った身体は限界を迎えようとしていた。

それでも何とか立ち上がり、会場を後にする。

 

『両者の健闘を称える声が鳴り止みません!!!

信念と信念とがぶつかり合ったこの一戦!!

本当に、本当に素晴らしい試合でした!!!!』

 

 

***

 

 

控え室

 

蛍は再び個室のシャワーを浴びて汗を流していた。頭にあるのはカイの想いだけだ。

 

「蛍、大丈夫ファ!?」

「うん。 かなり疲れてるけど まだやれる。ここまで来たら、絶対にリナちゃんを仲間にするよ!!!

 

……それからさ、フェリオ、」

「ん? 何ファ?」

「何も仲間にするの、一人だけじゃなくてもいいよね?」

「? 何が言いたいファ?」

 

「カイさんを従属官(フランシオン)にするってのはどう?」

「………………… 本人次第ファね。」

「だよね。」

 

今までの勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)のメンバーは、厄災 ヴェルダーズに敵対する者か、その関係者だけだった。しかし、カイはそのどちらでも無い。

故に、仲間に引き入れるのは容易ではなかった。

 

「……それで、リナちゃんはいつから?」

「あと15分くらいファ。」

「じゃあそろそろ上がらないとね。」

 

蛍とフェリオはシャワー室を出て試合会場へと向かっていった。

 

 

「いいものを見たね。

ここって贈物(ギフト) 使ってもいいんだ。」

 

しかし、柱の陰にいた人物の発言には気づかなかった。

 

 

***

 

 

『セミファイナル 第2試合!!

両者 出揃いました!!!』

 

蛍の準決勝の試合からまだ10数分しか経っていない会場からは未だに熱気が抜けていなかった。むしろこれから起きるであろう勝負への期待で更に盛り上がりを見せている。

 

『さぁさぁご覧下さい!!

今回もまた異色にして胸踊る対戦カードが揃っております!!!

 

片や、リュウ・シャオレン氏の血を引き、初出場にして準決勝までその駒を進めた荒ぶる新星!!!

リナ・シャオレン!!!!

 

片や、ここまでの試合の全てをその長い脚から放たれる蹴り 1発で勝ち上がった謎多きダークホース!!!

ハダル・バーン!!!!』

 

「ハッシュ君、これはどっちが勝つと思う?」

「……正直な所、僕にも分からない。」

 

確かな血筋を持つ者と、謎多き故に期待値の多い者 この2人が相見える試合に並々ならないものを2人も直感で感じていた。

 

『両者、力を誇示するデモンストレーションも無く、挑発の言葉もなく、ただただ 向かい合っています!!

しかし、これから何が起きるのかは、想像に難くありません!!』

 

「武器の使用以外 全てを認めます。

両者、元の位置へ!!」

 

リナとハダル

2人は間合いをとって背を向けあった。

 

(……またさっき見てぇに腹に打ち込んで、俺のペースに持ち込むとするか…………)

 

リナの作戦はまとまった。

先程の試合で盲目の拳法家、レンジ・クリスタに対して打った突進攻撃で先手を取る と。

 

「始めぇ!!!!!」

 

リナは振り向きざまに突進の構えをとった。

(1発でケリだ━━━━━━━━━━━━

 

!!!!?)

 

『こ、これは一体どうしたことだ!!!?

リナ選手が、突如として突進を止め、その場に踏みとどまってしまった!!!』

 

「な、何だこりゃ!!!??」

 

「何!!? 何が起きたの!!?」

「分からない!! 僕の目にもおかしなことは起きてないとしか見えなかった!!」

 

蛍とハッシュ、そして会場にいた全員がリナが何も無い地面で突然 立ち止まったようにしか見えなかった。

 

「テメェ!! 何しやがった!!?」

「答えるわけがないだろ?

それより 上に気をつけたらどう?」

「? ━━━━━━━━━!!!!?

 

ウオッ!!!!?」

 

『こ、今度はリナ選手 意味不明の横っ飛びだ!!!

何かある!! 何かあるぞ ハダル・バーン!!!』


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