転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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07 王都到着! 私たちの第一歩!!

シャアーーーーーッ

「フーーッ」

 

蛍はシャワーを浴びている。

といっても施設の個室でギリスの水魔法と熱魔法を掛け合わせた簡易的なものだ。

 

(そういや初めて朝シャンなんてしたな……)

 

昨夜はヘトヘトだったから、食事を済ませたらすぐに眠ってしまった。

 

ジューっ

 

ギリスは蛍がシャワーを浴びている時間を使って朝食を用意している。

蛍がリクエストしたフレンチトーストだ。

 

「ギリスってホントに面倒見いいファね。」

「あくまで自分のためだ。あいつの戦ウ乙女(プリキュア)としての力はヴェルダーズを倒す唯一の希望なんだ。

あいつを理解できるのはこの世界で俺だけ。

俺が面倒見るしかないだろ。」

「ツンデレファね。」

「黙れ女狐。

お前なら殴ることくらいできるんだぞ。」

 

そんな冗談交じりの会話をしながら朝食の準備は進む。

 

 

「いただきまーす!」

蛍がフレンチトーストをパクパクと食べる。

 

「……なぁ 蛍、

俺たちはこれからここを出て、都市へ向かおうと思っているんだ。」

「うんうん。 それで?」

「それからそこでギルド登録をしてもらいたい。」

「ギルド?それと戦ウ乙女(プリキュア)になんの関係が?」

 

「世間じゃチョーマジンの発生は問題になっている。討伐依頼もゴロゴロ出ているはずだ。だから一般に認めてもらった方が活動もしやすいというものだ。」

「なるほど。」

 

そう納得して蛍はデザートのヨーグルトに手をつけた。

 

 

***

 

 

「荷造りは済んだか?」

「うん。」

蛍とギリスは一般的な服に身を包み、ショルダーバッグに生活品を詰め込んで肩から下げた。

食料などはギリスが作った異空間に入れておいてある。

 

「じゃあ出発するぞ。」

ギリスを先頭に3人は施設の階段を登っていく。

「でもよく何年もバレなかったね。開発が進んだらこんな階段や施設、すぐにバレそうなもんなのに。」

「隠蔽魔法で気配を消していたんだ。

元々軍の施設だったんだ。そんな簡単に見つかってはたまったもんじゃない。」

 

3人は階段を上って地上へ出た。

 

「じゃあ行くぞ。」

 

そう言うとギリスは階段に手を向け、

 

 

ドォン!!!

「!!!?」

 

階段と施設を爆破したのだ。

 

「ちょっと何を!!!?」

「こんなものを残していたら足がつくかもしれないだろ。あいつらは戦ウ乙女(プリキュア)の存在はわかっても、俺が魔王だという確証はまだ得られていないはずだ。」

 

「……それに

今日まで有無を言わさずにこき使ってしまったんだ。この施設も楽になるべきだろ。」

「………」

 

蛍はそれ以上何も言わなかった。ギリスの哀愁漂う横顔に気づいたからだ。

考えてみれば、自分はあそこには半日にも満たない時間いただけなのだ。ギリスの方が愛着が大きいことは当然だ。

 

これはギリスの覚悟だ。ギリスはこれから名誉を取り戻す戦いに身を投じる。

その覚悟の始まりがあの施設の破壊なのだと、蛍はそう確信した。

 

 

「…わかった。行こう。」

「ファ!」

 

 

―――――――――

 

 

「やっと着いたーー!!!!」

「おいおいあまり騒ぐな。」

 

施設を出て歩いて何時間くらいたっただろう。やっと林をぬけた。

 

「それで、すぐにギルドってことに行くの?」

「いや、その前に飯にしよう。もう昼時だ。

何、金なら心配するな。しばらく何とかなるだけの貯金はできている。

元々散財するような隠遁生活は送ってないからな。」

 

「わかった。じゃああのお店なんかどう?」

「結構だ。よし、再出発記念だ。俺も久しぶりに腹いっぱい食べるとするか!」

 

この2人が女神から力を託された戦士と魔界を統べる魔王だと言って、どれだけの人間がそれを信用できるだろう。

そんな日常的な会話を交わしながら蛍とギリス、そしてフェリオは食事処へと入った。

 

 

 

「じゃあ私、このオムライスで!」

「俺はこのマッシュルームのグラタンを頼もう。あとこのトマトパスタも。

2人で食べるから取り皿も頼む。」

 

内装は西部劇に出てきそうな酒場とファミレスが合わさったようだ。蛍はそう思った。

 

「意外だねー。ギリスがグラタン頼むなんて。」

「グラタンもきのこも魔王時代からの好物だ。お前の方こそオムライスとは随分ありきたりだな。」

「私、卵とか好きなんだよねー

それに異世界(ここ)でご飯食べるの慣れてないから、あまり冒険したくないんだ。」

 

そうだった。

今目の前にいるのは異世界から来た右も左も分からないいたいけな少女なのだ。

 

魔王の地位やヴェルダーズを倒すこと以前に、自分には彼女の安全を守る義務がある。

ギリスはそう確信した。

もっとも今の自分にそれだけの力はまだないが。

 

「…お待たせしました。

オムライスとマッシュルームのグラタンです。トマトパスタは少々お待ち下さい。

ごゆっくりどうぞ。」

眉が隠れるほど長い前髪のボブカットの店員が無表情で料理を運んできた。

 

「きたきた!じゃ 食べよっか!」

「…………………」

「? どしたのギリス。

あの店員さん?確かにちょっと髪長かったかもだけど、別にそこまで気にすることじゃないでしょ?

さ!食べよ食べよ!」

「おお。そうだな。」

 

3人は黙々と料理を口に運ぶ。

これから第一歩としてギルドに登録をし、様々な依頼をこなしながら目的に向かう。そのための英気を養うのだ。

 

 

***

 

ギルドにて

「エエッ!? それってどういうことですか!!?」

「ですから、それは出来ないと言ってるんです。」

 

早くも問題発生である。

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