転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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70 経験者は語る! ダークホースの力の謎!!

会場は動揺とどよめきに包まれていた。

 

『一体全体 何が起きているのか!!?

リナ選手、不可解な挙動に出ている!!

これがハダル選手の作戦なのか!!!?』

 

 

 

***

 

 

龍神武道会 準決勝の試合

その序盤でリナ・シャオレンがとった不可解な行動

 

それについて、後にリナ自身がこうコメントする。

 

Q:最初にダッシュしようとしたあの動きは、レンジ選手に大して放った攻撃と同じだと考えていいんですよね?

A:「えぇ。先手必勝で土手っ腹にこう 両手の拳をぶち込んでマウントを取る

そういう作戦っした。」

 

Q:ではその時、一体何が起きたのか、説明して頂けますか?

A:「………振り向きざまに猛ダッシュで距離を詰めようとしたんス。

そしたら目の前に一瞬だけ()()()んですよ。こう…………

断崖絶壁……っつーか………ビルの屋上………っつーか、まぁとにかくチョー高い場所が。

俺の目の前に現れたんスよ。」

 

Q:その後の横っ飛びついては何が起きていたんですか?

A:「アンタらが思ってるように、俺もあのハダルってヤツが何かしたんだと思いました。そしたらその時ですよ、()()()()()んス。

 

何が降ってきたと思います?

《鉄柱》ですよ。 ………こう、俺のタッパを軽く超えちまう位デカくて長い それが俺目掛けて一直線にね。

理屈とかじゃなく直感で分かりましたよ。

当たったら一瞬でオダブツだってね。」

 

Q:今考えて、ハダル選手が何をしたと思いますか?

A:「俺が聞きたいくらいですよ。

あん時は動揺とか興奮とか恐怖とか、色んな感情(モン)が混ざりあってグチャグチャになってたんスから。」

 

 

***

 

 

会場は依然として緊張に覆われている。

その最中、ハダルが口を開いた。

 

「……………………フンっ。」 「ア??」

「危なかったねぇ。もし当たってたらくたばってたよ。」

「………ナメてんのか、テメェ…………!!」

 

「ナメてるのはそっちだろ?いつまでじっとしてるつもりだ?

何なら俺が仕掛けてやろうか?」 「!!?」

 

その時 ハダルが地面を蹴った。

姿勢を低く保ち、そのままリナの懐に潜った。

 

ガッ!! 「!!?」

『こ、これは━━━━━━━━━━━』

 

ハダルはリナの腰に両腕を回し、全体重を掛けた。

 

『これは1回戦でハダル選手と対峙したフリジオ・ゴール選手が見せたタックル技だァーーーーー!!!!』

 

ハダルの体重に押されてリナは姿勢を崩すが、すぐに冷静さを取り戻した。

 

「…………バーロー

その技の対処法を教えてくれたのもテメェだろォ!!!!!」

 

リナは地面に足をつけて踏みとどまり、その勢いを利用して強引にハダルの身体を振るった。

 

『な、投げ返した!!』

 

「オラァっ!!!!」

空中で無防備になったハダルの頬を目掛けて蹴りを見舞った。

丁度 1回戦でハダルがフリジオにやったようにだ。

 

ドゴッ!!!! 「うぐっ!!!!?」

『こ、これは━━━━━━━━━━』

 

リナの回し蹴りを躱し、逆にハダルがリナの顎を目掛けて蹴りを打った。

 

「どわぁっ!!!?」

 

咄嗟に両腕でガードを取ったが、その上でも吹き飛ばされ、外枠に激突した。

 

(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!

っザケンな!! あのモヤシのどこにこんな力が…………!!!!)

 

ダメージを隠しきれないリナに追い討ちが襲う。

 

ドゴッ!!!! 「おあっ!!!?」

 

ハダルのつま先による蹴りをかろうじて躱した。そしてその後、彼女の背筋を恐怖が貫通した。

 

『あ、あれは━━━━━━━━━━━━

 

穴だ!!!! ハダル選手の蹴りが、外枠の硬い材木に風穴を開けてしまった!!!!』

 

「…………………終わりだね。」 「!!!」

 

ハダルは間髪入れずにリナに止めの蹴りを見舞った。

━━━━━━━━━━━━━しかし、

 

ドゴッ!!!!! 「!!!!?」

『ああっ!!!!』

 

リナはハダルの蹴りを屈んで躱し、逆に回転を掛けた蹴りをハダルの顎に直撃させた。

ハダルの身体はそのまま宙を舞った。

そしてリナはその無防備になった腹に蹴りを振るう。

 

ズドッ!!!! 「!!!!?」

『そ、そして今度はリナ選手の蹴りが腹を貫通したァーーーー!!!!』

 

鳩尾に直撃したが、ハダルはすぐに意識を取り戻し、リナの蹴り足を掴んだ。

そしてそのまま身体を捻り、リナの身体を宙に飛ばす。

 

『な、投げ━━━━━━━━━━━

い、いや!!』

 

リナは咄嗟に両腕で地面に踏みとどまり、ハダルの拘束から抜け出した。

 

リナとハダルは再び向かい合った。

蛍とハッシュを含めた観客の全員がえもいえない緊張に包まれていた。


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