転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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71 急転直下の第2試合! リナ・シャオレン 空中大旋回!!

リナとハダル

2人が向かい合って二人の間、そして会場全体に緊迫に包まれた時間が流れていた。

そして、リナは次第に焦燥に駆られていく。

 

(…………チクショー、

 

全く踏み出せねぇぜ………!!!)

 

そして、リナの頬に一筋の汗が垂れたその時、ハダルが口を開いた。

 

「…………なぁ、お前さ、」

「アァ?」

 

武道場(こーゆーとこ)で目が回った事はあるか?」

「あぁ? 何言ってやがんだ?」

 

 

***

 

 

そこから起きた1つの事件(こと)を、実況者を含めて全員が反応出来なかった。

起きた事が唐突かつ壮絶で 誰も言葉が出なかったのだ。

 

後に、その時起こった事について、1人の男が答えてくれる。

 

名前はマック・ジャーボン 28歳

龍の里から少し離れた町にある酒場で働いている。当時は休暇を利用して興味を持っていた龍神武道会を観戦するために龍の里に来ていたのだ。

 

「いや、その時ですよ。ハイ。あの〜、ハダルってあんちゃんがその言葉を言った後ですよ。唐突に駆け出したんです。

そしてね、殴りかかったんですよ。あの、リナって人の顔を狙ってね。

 

彼女、もガードはしたんですよ。

あんまりよく見えなかったけどこう、手を合わせて顔面に持っていってね、

 

そしたら何が起こったと思います?

 

その時 こう━━━━━━━━━━━━

なんて言うか、とにかくですね、()()()んですよ。

 

そう。空中を。

だいたい 30cmくらい上をかな?

グルグルグルグルっと。 顔とか首とかじゃなく 全身で。身体ごと。

いやいや 一回転とかじゃ全然無かったんですよ。 何度も何度もグルグルグルグルと。

 

私ゃ自分の目を疑いましたよ。なんでかって?だって、今でも信じられないんですから。」

 

 

***

 

「どぅおわああああああああああああぁぁぁぁぁッッッ!!!??」

 

マックの言った通り、リナはその場でグルグルと回ったのだ。全身が横回転で。

 

「「~~~~~~~~~!!!!!」」

 

観客席にいた蛍、そしてハッシュまでもその光景に言葉を失っていたのだ。

 

「あーあー なんてザマだ。

情けないなぁ。 」

 

観客の全員が動揺している中、ハッシュだけが理解していた。

ハダルはリナの顔を殴ると同時に、ローキックで彼女の足首を蹴ったのだ。

すると、彼女の身体には【偶力】という力が生じる。

 

その力が彼女の身体にあの奇妙な現象をもたらしたのだ。

 

(…………………ッざけんな!!

こんのクソガキがァッッッ!!!!)

 

回転の中でもリナは戦意を失うこと無く、反撃に転じた。

 

「ラァッッッ!!!!!」 「!!!?」

 

リナは回転を逆利用し、三半規管が揺らされている状態でハダルの顔面に蹴りを炸裂させた。

 

『な、なんとリナ選手、 あの回転の中で起死回生の蹴りを打ち込んだァ!!!!!』

 

しかし、 リナは弾かれた。

 

バチン と音が響き、身体が吹き飛ばされた が、身体を翻して着地を取った。

 

「……………!!!?」

「ハハ、 なんて顔してんだよ。

ひっどいことなってるぞ。」

 

 

「ハ、ハッシュ君、今のって………!!?」

「うん。間違いないよ。

あの時、僕が君に使った技だ。」

 

蛍とギリスがルベドに勧誘されて星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部に来た時に、自分達 勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)との仲を取り持つためにキュアブレーブこと蛍とハッシュが手合わせをしたことがある。

 

その時、ブレーブの最後の攻撃に対してハッシュが使ったのが、【筋肉で攻撃を迎撃する】というものである。

 

ハダルが今使ったのは、正しくそれだった。

 

 

「グッ……………!!?」

 

リナは唐突に膝をついた。

 

「あれぇ? どうしたの お嬢さん?

あれかな? ヘアピンでも落としちゃったかな?」

 

『これはどうした リナ選手!

まるで対戦相手に屈服するように、膝まづいてしまった!!』

 

リナの身体には既に無視できないダメージが刻まれていた。

 

1つが足首を蹴られたダメージで、1つが三半規管を揺らされた事による脳へのダメージである。

 

「俺は優しいから先に言っておくよ?

さっさと降参しろ。」 「!!!!!」

 

『こ、ここに来てなんという挑発だ ハダル・バーン!!!

これには会場からもブーイングの嵐だ!!!!』

 

 

「………やれやれ。なんも分かっちゃいないな。俺は彼女の身体を気遣って言ってんのにさ。

んで?どうするよ?」

 

ハダルはまるで兄が赤子の妹に話しかけるように中腰の姿勢でリナに詰め寄った。

 

「……………んなもんよ、

お断りだぜェッッッ!!!!!」

「うおっ!!?」

 

リナはがら空きになっていたハダルの顔面に蹴りを見舞った。しかし ハダルも咄嗟に躱して距離をとる。

 

『リナ・シャオレン 復活ゥーーーーー!!!!

やはりその身に流れるは長老、リュウの血筋!!!

ダークホースの卑劣な挑発には、決して屈さないのです!!!!』

 

「こちとら武道家よ!!

ここに立ったそん時から、べっぴんな面も腕も足も捨ててきてんだよ!!!!」

「…………吐いた唾は飲み込めないぞ。

それなら もうここからは全力でやらせて貰う。」


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