転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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龍の里 侵略編
73 龍の里に降り立つ悪魔! 武道会の乱入者!!


『こ、これは一体どうしたことか!?

ホタル選手、突如 試合開始に乱入して来た!!!』

 

会場は蛍が突如とった奇行に戸惑い、ざわついていた。

 

「……あの娘、一体何を………!!?」

「蛍のあの慌てよう、それに僕がずっと感じてた予感…………、

まさか!!!」

 

 

 

***

 

 

(……………………ん?

俺、何を…………………?

 

あぁ、そうだ。俺、負けちまったんだ。

………………………………………?)

 

リナが意識を回復していく中で感じたのは奇妙な浮遊感 だった。

そしてその直後、自分がお姫様抱っこされていることに気付く。

 

「!!!!? な、テ、テメェ!!!

何ケツ触ってんだ!!! 降ろせ!!!」

「リナちゃん! 起きた!?

悪いんだけど、大人しくしてて!!」

「……………はァ?

ってかお前、なんで試合会場(ここ)にいんだよ?」

「後で全部 説明するから!

今は大人しくしてて!!!」

 

ブレーブはリナを抱えたままハダルと対峙している。

 

「………何をしようとしていた だって?

どういうことかな? 言ってる意味が分からないんだけど?」

「とぼけないで!! 今、リナちゃんに止めを刺そうとしてたでしょ!!?」

 

ブレーブの言葉には反応せず、ハダルは上を指さした。

 

「言い掛かりをつけるのは良いけどさ、

上、気をつけた方が良いんじゃないの?」

「!?

!!!!?」

 

咄嗟に見上げると、ブレーブ目掛けて何かが降ってきた。

 

「ウワッ!!!!?」 ズドォン!!!!!

 

ブレーブはリナを抱えたまま、咄嗟に跳んで降ってきた何かを回避する。

 

「!!!? て、鉄柱!!!!?」

「!!! ま、まただ!!」

「!!? また!?

 

……そうか。さっき リナちゃんが1人で飛び回ってたのも全部 それだったんだ!!

あなた、贈物(ギフト)を持ってるんだね!!?」

 

「……危なかったね。 当たってたら死んでたよ。 それから正解だ。

確かに俺は贈物(ギフト)を持ってる。

だけどそれがどうしたっていうんだ?

 

使うのは反則じゃないし、第一 お前も使ってたじゃないか。」

「私が聞きたいのはそんなことじゃない!!!

あなた、一体 何者なの!!!!?」

 

ハダルはしばらく目を閉じた後、口を開いた。

 

「……………もう隠しておく必要も無いか。

俺は、()()()()()()()()()()()。」

「!!!!」

 

その時、ハダルの身体が黒い光に包まれた。

 

『な、何だ!!!??

ハダル選手の顔が豹変していく!!!!』

「…………………………!!!!!」

 

ハダルの黒かった髪は深い緑に染まっていき、肌は透き通るような青に変化して行った。

 

「ダルーバ・ヴァンペイド

それが俺の名前だ。」

 

そこには今までのハダルの姿は無く、ダルーバと名乗る悪魔の容貌をした少年が佇んでいた。

 

『い、一体何が起きているんだ!!!?

ハダル選手、その姿が悪魔そのものに変わってしまった!!!!』

 

ダルーバは会場中に響き渡るアナウンサーの声には耳を貸さず、蛍に口を開く。

 

「もう1つ 教えてやるよ。

さっきのは俺の究極贈物(アルティメットギフト)幻覚之神(アザゼル)》だ。」

「…………………………アザゼル………………!!?」

 

幻覚之神(アザゼル)

悪魔系 究極贈物(アルティメットギフト)

効果:相手の感覚神経に干渉し、自分の望む幻覚を見せる。幻覚で受けたダメージは現実にも反映される。

 

ダルーバは次に振り向いて天井方向に口を開いた。

 

「おい! もうお膳立ては十分だろ!

聞こえてんだろ!!

 

ダクリュール!!!!」 「!!!!!」

 

ダルーバの声の直後、突如 試合会場の天井が崩壊した。

そしてダルーバのそばにおびただしい程の土煙が舞う。

 

『!!!? こ、今度は何だ!!!?』

 

「………………………………………!!!!!」

 

土煙が晴れていき、そこに一人の男が立っていた。

 

「久しぶりだなァ キュアブレーブ。

元気そうで何よりだ。」

「……………!!!!!」

 

1度見たら決して忘れることの出来ない顔がそこにはあった。

青色の短髪で切れ長の目 そして獲物を淡々と狙う獅子のような風貌

 

ダクリュール・イルヴァン

ブレーブが最初に対峙したヴェルダーズの配下である。

 

「……………………………!!!!!」

「おいおい 何だその顔は。

安心しろよ。 今度はちゃんと息の根 止めてやっからよ。」

 

ブレーブの脳裏にあったのはこの世界に来て間も無い頃の忌まわしい記憶

この ダクリュールにまさに殺されそうになった あの日の記憶である。

 

「ダルーバ 作戦内容は 《龍の里の侵略》だったよな?」

「そうだよ。 何度も言わせるなよ。」

「………そうか。 だったらよ、」

 

ダクリュールは唐突に身を翻した。

 

「こいつらも 殺っちゃって良いんだよなァ!!!!!」

「!!!!! しまった!!!!!」

 

ダクリュールはひとっ飛びで一直線に観客席へ向かっていく。 その手にはジャックナイフを彷彿とさせる爪が備わっていた。

 

 

ガァン!!!!! 「!!!!!」

 

まさに その爪が観客を蹂躙しようとしたその時、ハッシュの脚がそれを止めた。

 

「!!! ハッシュ君!!!!

待ってて!! 私もすぐ そこに━━━━━━」

「行かせるわけ 無いだろ?」 「!!!」

 

ガキィン!!! 「!!!!」

 

ダルーバの脚がブレーブを襲った。

ブレーブは咄嗟に強固盾(ガラディーン)を展開して受け止める。

 

「悪いけど、この龍の里は貰っていくよ。

俺たちはそのためにこんな 回りくどいことをやってきたんだからね。」

「~~~~~~~~~!!!!」


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