転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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75 其の名はオオガイ! 威風堂々 巨人襲来!!

「…………オオガイ…………!!?」

 

ブレーブは漠然とだが その言葉に気迫されていた。

何か それこそ嫌な予感と言うべき物をひしひしと感じていた。

 

「 !!!!?」

 

ブレーブは咄嗟に上方向に気配を感じ、見上げた。 すると、そこに巨大な1つの影があった。

太陽の逆光で詳しくは分からなかったが、それが巨大な人であることは理解出来た。

 

 

ズドォン!!!!! 「!!!!」

 

それは武道場に降り立ち、辺りにおびただしい程の土煙が舞った。そして次第に土煙が晴れ、その容貌が露わになる。

 

「………………………!!!!!」

 

それの容貌を説明すると、《巨人》の《鬼》だった。

一番に目を引いたのは縦に四つ並んだ眼球。

そして、頭頂部の逞しくも捻れた2本の角だった。

 

身長は 星聖騎士団(クルセイダーズ)のイーラと並ぶ程であり、服装は単純な濃い茶色の道着だった。

 

「………………………!!!」

 

ブレーブは圧倒されていた。

その隙の無い佇まいに言葉を失っていた。

 

「…………懐かしいな。龍神武道会は。

()()()と何も変わってない。」

 

「……かなり遅かったですね。オオガイさん。 ダクリュールのヤツも待ちくたびれて先走っちゃいましたよ。」

「何、ダクリュールが?」

 

「ええ。 今 あの従属官(フランシオン)のヤツとドンパチやってます。」

 

 

***

 

 

「な、何だよ アイツ!!!!」

「分からない、 分からないけど、リナちゃんはここから動かないで!!」

 

ブレーブは突如 現れた謎の脅威に困惑しているリナをなだめる事に必死だった。

 

ズザッ!!! 「!!! ハッシュ君!!」

 

ブレーブのそばにハッシュが地面を滑りながら着地して来た。

 

「……トンズラこいて間合いとってんじゃねぇぞ タコ!!」

「…………!!!」

 

観客席からダクリュールが歩いてきた。

身体のあちらこちらに打撲痕が見られるが、戦意は崩れていない。

 

「……………ハッシュ君、リナちゃんをお願い。」 「!?」

 

ブレーブはリナを下ろし、地面を蹴った。

 

『ブレーブ 何やってるファ!!?』

(ダクリュールは、私が足止めする!!!!)

 

ブレーブは乙女剣(ディバイスワン)を展開した。 この中で一番 気性の荒いであろうダクリュールを倒せずとも足止めするべきだと判断したのだ。

 

「!! お前から来るか!!」

「あなたはここで私が止める!!!!!」

 

ズバァン!!!!!

 

ブレーブは全力で剣を振るい、その刃はダクリュールの右脚を捕らえ、切り飛ばした。

直ぐにその場に着地し、ダクリュールの方を向き直る。

 

(…………!!!

脚を奪った!! これでまともには動けないはず………!!!)

 

ブレーブの心には一筋の傷が付けられた。

ダクリュールは今まで戦ってきたチョーマジンとも、ルールに守られた試合とも違う。本気の殺し合いを強いられるのだ。

 

「……………!!!?

な、何で………………!!!!?」

「アン?どうした? 気分でも悪いかよ?」

 

ブレーブは1つの違和感に気付いた。

ダクリュールの脚の切り口から全く血が出ていないのだ。

 

「………惜しかったな。 キュアブレーブ。

気になるんだろ? この脚がよ。

 

教えてやるよ。」

 

ダクリュールは落ちた脚を持って、そこにくるまっていた布を剥がした。

 

「!!!!?」

「そういうこった。こいつはもうパチモンなんだよ。」

 

ダクリュールが見せつけたその脚は金属で出来ていた。それは正しく 義足と言うべき物だった。

 

「心底同情するぜ。 お前の運の無さによ。

もうお前は俺に一太刀も浴びせることは出来ねぇ。つまり、もうお前に勝ち目はねえってこった!!!」

「……………………!!!!!」

 

ブレーブの奥底に恐怖が渦巻いていた。

思い出されるのは彼と初めて対峙した時の忌まわしい記憶。

何とか押しつぶされないようにブレーブは己を鼓舞した。

 

 

***

 

 

(……いきなり現れたこいつ、かなり危険だな……………。身長は、 イーラさんと同じかそれ以上

何より 実力が計り知れない……………!!!)

 

ハッシュはブレーブから託されたリナを庇いながらオオガイと名乗る鬼と相対していた。

ハッシュの中にも 身の危険を感じる という思考が起こっていた。

 

その巨漢にダルーバが口を開く。

 

「……オオガイさん、ここでは戦力、何体作ってきたんです?」

「100体ほど用意して来た。」

 

(……100体?)

 

「ダルーバ、お前はダクリュールを連れて先に戻れ。この竜の里は俺一人で制圧する。」

「はい。」

 

(!!! まずい 逃げられる!!!)

 

ハッシュはダルーバ達を逃がさんと 地面に力を込めた。 その時、

 

 

ぞろぞろぞろぞろぞろぞろ!!!! 「!!!!?」

 

ハッシュの目の前に黒い何かが大量に立ちはだかった。

 

「!!!!? こ、これは━━━━━━━━!!!」

 

それは、全てチョーマジンだった。


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