転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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76 迫り来る巨大な蹴り! 巨人と大群の陣営!!

ハッシュの前に大量のチョーマジンが大群となって立ちはだかって来た。

 

「……………葉っぱ……?!」

 

そのチョーマジンは一様に黒緑の薄い身体を持ち、胸に魔法陣が刻まれていた。

おそらく、すぐに100体 用意するのは簡単ではなく、そこらにあった葉っぱで間に合わせたのだろう とハッシュは結論付けた。

 

「……リナ・シャオレン。」

「あ? 何だよ?」

「さっき お腹にもらってたけど、動ける?」

「そ、そりゃまぁ動けっけど、それがどうしたんだよ?」

 

そのリナの返答によってハッシュは完全に腹を括った。

 

「……そう。 じゃあ今すぐ避難して、逃げ遅れた観客席の人達を連れてくれない?」

「………………!!!

……………わーった。」

 

一瞬 感じた武道家としてのプライドより、身に迫っている危険と観客達の安全の方が勝った。

 

リナはハッシュの傍を離れて観客席の方へ駆けていく。それを見届けてハッシュは目の前の巨人と向かい合った。

 

「 うわっ!!!」 「「!!?」」

 

その時、ブレーブが向こうから飛んできて壁にぶつかった。

 

「イテテテ……………」

『ブレーブ、大丈夫ファ!?』

「う、うん。 ちょっと背中が痛いだけだから。」

 

ブレーブは背中を擦りながら姿勢を立て直した。

 

「………やっぱり弱ぇなぁ。お前。

あの時から何も変わっちゃいねぇよ。」

「…………………!!!」

 

ブレーブは歩き寄ってくるダクリュールに怯えを隠せずにいた。

ハッシュと真っ向から殴り合い、それでいて自分に対して有利を保っているのは脅威と言う他 無かった。

 

「……おい、ダクリュール、撤収だ。」

「あぁ? んだと!?

まだコイツらを殺ってねぇだろうがよ!!」

「上からの命令だ。

竜の里はオオガイさんに任せて、早々に帰って来いってな。」

 

「……………!! 分かったよ。

行きゃァ良いんだろ!?」

 

「!!! 待って!!」

 

ブレーブは咄嗟にダクリュール達を逃がしてはならないという思想に入り、立ち塞がろうとしたが、ぞろぞろと出てきたチョーマジンの大群に阻まれてしまう。

 

「!!!? な、なにこれ!!?」

『チ、チョーマジン ファ!!』

 

ブレーブは大群に押し返されて情けなくも尻もちをついた。そして、傍にハッシュが居ることに気付く。

 

「ブレーブ、大丈夫!?」

「あ、うん。 大丈夫。」

 

ブレーブとハッシュを他所にチョーマジンの大群はオオガイの傍に集まり、陣形をとった。

 

「な、何なのあれ……………!!?」

「多分、葉っぱから作ったチョーマジンだ。」

「は、葉っぱ?!!」

「うん。 きっと ここに来て急ごしらえで作ったんだよ。」

 

『……ブレーブ、僕に解呪(ヒーリング)の分けて。僕があの大群を始末する!』

『!! 分かった。』

 

ハッシュに促されてブレーブは差し出された手のひらに触れた。

 

解呪(ヒーリング)》!!

 

ブレーブはハッシュに解呪(ヒーリング)の力を流し込んだ。

それを確認したハッシュは唐突に地面をけって陣形を取る大群に急接近する。

一気に中央を崩して混乱を誘いブレーブにオオガイを攻撃させる

という作戦だった。

 

 

《プリキュア・ヘラクレスインパクト》!!!!!

 

ハッシュは中央を陣取っているチョーマジンの大群に対して掌を振るった。

 

バチィン!!!!! 「!!!!?」

 

しかし、その攻撃は謎の赤褐色の壁に阻まれた。

 

「一気に中央を崩す作戦か。

単調だな。」 「!!!」

 

その壁はオオガイの足首だった。

ハッシュがそれを理解した上で感じたのは【硬さ】だった。 [解呪(ヒーリング)の力を余すことなく叩き込んだのにも関わらず、その身体はうんともすんともいう気配が無かった。

 

ドゴッッ!!!! 「!!!!」

 

ハッシュの身体に巨大な衝撃が走った。

それがオオガイの()()である事は考えるより先に分かった。

 

「うあッッ!!?」

 

脚が振り上げられ、ハッシュは後方に飛ばされた。その衝撃を咄嗟に後ろに飛ぶ事で緩和させる。

 

ハッシュはブレーブの傍に着地した。

 

「だ、大丈夫!!?」

「うん。」

 

ブレーブは咄嗟にハッシュの方に注意を向けた。しかし、その一瞬が仇になった。

 

ガっ!!! 「!!!?」

 

ブレーブは まるで悪さをした猫のように襟を掴まれて浮かんだ。

 

「戦場で他人(ひと)に気を取られるとは。

こんなガキが親分の脅威とは笑わせるな。」 「!!!!」

 

ブレーブはオオガイに掴まれていることに気付いた。しかし、それを意に返す暇もなく攻撃が飛んできた。

 

ブオォン!!!! と、ブレーブは振り上げられた。

 

(!!!!! ま、まさか!!!!)

 

ブレーブの悪い予感は的中した。

 

「飛べ!!!!!」

「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ブレーブはオオガイに武道場を越えて遥か遠くまで投げ飛ばされた。


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