転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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08 ギルド結成! 勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)!!

夢崎蛍は都市に来ている。

仲間になった妖精フェリオと魔王ギリスと一緒にギルドを組むためだ。

しかし、

 

「だから なんでできないのか聞いてるんですよ!!」

「ですから、ギルドマスターになれるのは17歳以上からなんです。14歳のあなたには許可できません。」

 

「第一あなたには力がありません。

職業もただの一般人でしたし、贈物(ギフト)も一般的な普通贈物(ノーマルギフト)がふたつあるだけ。

それでは装備してギルドの一員はなんとかなっても、ギルドのリーダーは務まりません。」

 

そうだった。忘れていた。

戦ウ乙女(プリキュア)の職業証明や贈物(ギフト)の表示は変身しないと出来ないのだ。

かといって戦ウ乙女(プリキュア)は忘れられた職業だ。ましてやこんな人が沢山いる場所で変身などしたら誰に何を言われるかわかったものでは無い。

 

(………じゃあ諦めるか………)

蛍の脳裏にそんな思考がよぎった。

 

「…なら、俺がギルドマスターになろう。」

そう言ってギリスが出てきた。

「ん? ギリス?

……エッッ!!?」

 

蛍が自分の目を疑ったのは、彼の姿はダクリュールを撃退する時に見せた10代後半の青年になっていたからだ。

 

 

「………わかりました。

では別室で水晶による魔力測定をしますのでこちらへ。」

 

***

 

「……ここか。」

3人が連れたれのは本当に机に置かれた水晶以外 何も無い部屋だった。

 

「この水晶に触れることで魔力を測定できます。その数値に応じて最初のクラスを決めていきます。」

 

ギリスがそれに答えることをせずにその水晶に触れると━━━━━━

 

 

パリィン

 

 

「「!!!!?」」

 

水晶は跡形もなく砕け散った。

 

「これはどうなんだ?」

「えっ ああはいはい すぐに」

 

ギルドの受付はたじろぎながら奥に走っていった。

 

 

「ちょっとギリスあれはやりすぎだって!!!」

「あれでもかなり魔力は抑えているぞ。

それに最初のクラスは高い方が高い依頼(クエスト)も受けやすいだろ。」

「にしても悪目立ちしすぎだよ!!!」

 

こうして3人はギルドとしてのスタートを切った。

蛍は心の底で不安を抱いていた。

 

 

―――――

 

 

「ん〜〜

どーしよっかなー」

 

3人は今ギルド名を決めるために話し合いをしている。

 

「そもそも私ここのギルドのことほとんど知らないからな〜」

「そんなもの知らなくてもいいんじゃないか?

知ってしまうと逆に独創性に欠けてしまうぞ?」

「やっぱり戦ウ乙女(プリキュア)の要素は入れたいファ!」

 

話がまとまらないまま時間がすぎていく。

 

戦ウ乙女(プリキュア)………

勇者………

ブレーブ………

 

 

「………じゃあこんなのはどう?」

 

 

蛍がそう言って紙に書いたのは、

勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)

 

 

「………なるほどな。」

「ちゃんと戦ウ乙女(プリキュア)らしさがあるファね!」

「じゃあもうこれにする?」

「待て。もう2つほど候補を挙げた方が……」

 

 

「失礼します。ギルド名はお決まりでしょうか?」

「もうちょっと待ってください。今話し合ってますので。」

「それから、あなたがたのギルドは少数精鋭ということでよろしいですか?」

 

「いや。今はまだ2人と1匹だが、これからメンバーを増やしていくつもりだ。」

「かしこまりました。では発展途上のギルドとして登録させていただきます。」

 

そう言うとギルドの職員は部屋を出ていった。

 

 

「なあ、やっぱりその【勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)】にしようか?」

「ギリスさえいいならフェリオも賛成ファ!」

「いいの?これ結構ありだと思ってたんだよね〜」

 

こうしてギルド【勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)】が誕生の運びとなったのである。

 

 

 

―――――

蛍達がギルドを結成する数時間前

 

 

「ヤッ!ハッ!」

ここは兵士達の訓練所。

兵士達が剣の素振りを繰り返している。

 

「……………」

1人の男が窓際で深刻そうな顔をしている。

彼の名はトム・シルバ。

蛍がこの世界で出会った最初の人間である。

 

「……おい、トム。

お前まだ昨日のこと気にしてるのか?」

「……あぁ。突然消え失せたあの魔物ももちろんなんだが、あの市民の子のことが心配でならないんだ………。」

「心配するな。その子はお前に離れろと言われてから1度もお前と会ってないんだろ?きっと林の外に避難したんだ。」

「そうだといいんだが………」

「お前がこんな所で悩んでたって仕方ないだろ?

早く稽古に戻るぞ。」

「わかった………」

 

このトムという兵士は蛍という名も知らない少女を守るべき民衆として心配している。

しかし、彼は知る由もない。

彼女こそが自分が手を焼いている魔物を救う(・・)ことの出来る唯一の希望なのだということを。

 

 

――――――

 

「間違いありゃせん。親分が俺に話してくれた特徴をあのガキは全部持ってましたから。」

 

ダクリュールがはるか上の玉座に向けて自分がこの目で見たことを正確に話していた。

 

 

そうか。

 

ならいずれ始まることになるな。

 

ダクリュール。他の者共にも伝えろ。

 

ここが正念場だとな。

 

 

 

この声の主こそが

 

厄災【ヴェルダーズ】なのである。


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