転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
(………あと3分………………
いや、もっとかかるかもしれない。
とにかく それまでに少しでもチョーマジンを減らさなきゃ…………!)
ブレーブとフェリオは龍の里を走っていた。
リナが回復するまでの間、少しでも戦況を有利にしておく必要があったからだ。
(……私、あの鬼にどこまで飛ばされたんだろ。 この辺にはチョーマジンがいないけど、そんなに遠くに飛ばされたのかな………)
ブレーブは龍の里の地理を正確に把握出来てはいなかった。 だから、ここからどの方向にどれくらい進めばハッシュのいた武道場に行けるのか分からなかった。
『ブレーブ、あれを見るファ!!』
「!? あ、あれって!!」
ブレーブの目に入ってきたのはシェルターのような建物だった。
その周囲にチョーマジンが十数体群がっている。
「ま、まさかあの中にみんなが避難してて、狙われてるって事!!?」
『きっとそうファ!!
早く向かうファ!!!』
***
龍の里の人間は、基本的に地元愛が強い。故に、そこでは多種多様な独自の特産品や技術が生まれ、成長した。 その代表として、【玄武瓦】が挙げられる。
これは、龍の里から産出される様々な粘土を一定の比率で混ぜ合わせ、一定の時間と温度焼き上げる事で完成し、金属をも彷彿とさせる硬度を得る。
この比率や温度、そして時間のいずれかが少しでもずれてしまうと たちまち素の硬さは失われる。
そして、その玄武瓦を最大限に利用したシェルターが存在する。
この龍の里の英知の結晶によって、過去に何人もの人の命が天才から守られてきた。
しかし、そのシェルターが今、破壊されようとしていた。
『ブレーブ、まずいファ!!
あそことか完全にヒビ入ってるファよ!!!』
「分かった!! まずは最速で…………!!!」
ズドォン!!!! 「!!!?」
シェルターの外壁に拳を振るおうとしていたチョーマジンの頬をブレーブが蹴り飛ばした。
「フェリオ、
『もちろん 準備できてるファ!!』
ブレーブとフェリオは心の中で《
この
ブレーブは両手の平に
その場にいたチョーマジン 全員の注意は自分に向いている。
《プリキュア・ヘラクレスインパクト》!!!!!
ブレーブは身体を振るって向かってきたチョーマジンの腹に掌底を打ち込んだ。
体内に
(この中には龍の里だけじゃなくて、外から武道会を見に来た人もいるはず!!
こいつらはきっとそれを知ってて向かってくるんだ。
なら、ここを守ってればきっとチョーマジンを倒しながらリナちゃんが回復するまでの時間を稼げる!!!)
ブレーブはフェデスタルを展開して
「……フェリオ、ここを 一緒に乗り切ってくれるよね?」
『もちろんだファ!!』
「
『足りるかじゃないファ! たとえ足りなくても1匹でも多く減らすんだファ!!!』
「 フフっ。 間違いないね!!」
フェリオは
***
「ハァッ ハァッ ハァッ ハァッ………!!」
「おいリナ そんなに飛ばして大丈夫なのか!?
そんなんじゃ 向こうに着く前にぶっ倒れちまうぞ!!」
リナは近辺に逃げ遅れた人がいないことを確認してから武道場に向かって一直線に走っていた。 それもスタミナが心配になる程の全速力で。
「うるせぇや! あそこでグズグズしてられっか!!何かやらねぇと示しがつかねぇだろうがよ!!!」
「そんな話をしてるんじゃない!!
スタミナが切れたら元も子もないだろと言ってるんだ!!」
ヴェルドの忠告に耳を貸すことなくリナは依然として走っていた。 走らずにはいられなかった。
「この龍の里を奪われる事に比べりゃ 俺がここでガス欠でぶっ倒れることなんざ 虫の蚊ほどのことも無いぜ!!
それにスタミナなんざ 問題じゃねぇんだ。
ほんの少しだけ残ってりゃ ほんの一瞬だけ返信出来りゃそれでいいんだ。
その戦えるほんの少しの時間であのデカブツをブチ倒すだけだからなァ!!!!」