転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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86 現れた厄災ヴェルダーズ!! キュアブレーブ、刃を剥く!!!

ヴェルダーズ

その名前は何人もの人から聞かされていた。

そして蛍はそれは絶対に倒さなければならない相手であると強く心に言い聞かせていた。

 

しかしそれでも現実は厳しいものである。

 

目の前にいるこの《腕》に足がすくんで動けないのだ。

 

『…………ブ、ブレーブ……………!!!!』

 

フェリオも震えていた。

彼女はヴェルダーズに出し抜かれた女神ラジェルから生み出された存在である。

故に彼女の中にある細胞の一つ一つが直感的に恐怖していたのだ。

 

「蛍殿!!

そのヴェルダーズとは 一体何者なのだ!?」

「説明してる暇はないよ! カイさんはリナちゃんと2人を連れてここを離れて!!」

「!! 委細承知!」

 

カイに離れるように伝え、ブレーブは乙女剣(ディバイスワン)に手を掛けた。

 

 

「止めておけ 女神の狗よ。」

「!!!」

 

「その剣を抜いて我に鋒を向けようものなら、貴様を容赦なく始末する。 第一我はオオガイを撤収させるためだけに来たのだ。

潔く身を引けば、まだ何もしない。

 

もっとも、いずれ死ぬ運命ではあるがな。」

 

「!!!!」

 

ヴェルダーズの言葉に反応するより先にブレーブは地面を蹴っていた。

 

「ああああああああぁぁぁ!!!!!」

『ブレーブ、 待つファ!!!!』

 

 

「でやァ!!!!!」

 

ガキィン!!!!! 「!!!!」

 

ブレーブの振り下ろした乙女剣(ディバイスワン)の刃を魔法陣から出る両腕が軽々と受け止めた。

 

刃と腕が接触して震え、ガチガチと音が響く。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」

 

「理由を聞いておきたい。

戦ウ乙女(プリキュア) キュアブレーブ。」 「!?」

 

「どういうつもりなのだ?

何故 無関係の人間に過ぎない貴様が手助けをして共に戦う?

我に刃を振るってまで邪魔立てする理由は何だ?」

 

「……………守りたいから。 お礼がしたいから。」

「?? 守るだと? 何をだ?」

 

「……………この世界をだよ。

私は、死ぬはずの所を助けて貰った!!!!

だから女神様に、いや、この世界の全てをあなた達から助け出して お礼がしたいの!!!!!」

「笑止!!!!!」

 

 

「!!!!」

 

ヴェルダーズの腕がブレーブの首を掴んだ。

 

「一体何を言うかと思えば、まるでそんじょそこらのガキが喜劇家の真似事をして作った戯言のような話を長々と話してくれたな。」

「…………!!!!」

『ブレーブを離すファ!!!!!』

 

フェリオはたまらずブレーブの身体から飛び出してヴェルダーズの腕に攻撃をしようとした。

 

 

バチッ! 『!!!!!』

「フェ、フェリオ!!!」

 

ヴェルダーズの手から放たれた攻撃は、ただの【デコピン】だった。 それでもその衝撃はフェリオを反対側の外枠まで軽々と弾き飛ばした。

 

「死んではいないだろう。

頭を拳銃で撃たれたみたいに脳髄が地面にぶちまけられていなければな。」

「…………!!!!」

 

ブレーブは呼吸がままならなくなり、意識が朦朧としてきた。

 

「そしてっ!」 「!!」

 

ブレーブは地面に組み伏せられた。

 

「貴様、覚悟は出来てきるだろうな?」

「!!?」

 

「我々の邪魔立てをし、始末しようとするということは、返り討ちにあって殺されるかもしれないという危険くらいは覚悟できているよな?」

「………………!!!!」

 

「そこまでの覚悟を持ってして 我の薄皮一枚剥ぐこともできなかったと言うなら、心から同情しよう。

 

ちなみに 我はちゃんと覚悟はできている。

あの時もそうだ。 魔王ギリスとリルア そして女神ラジェルを屠り去った時も、『もししくじったら確実に返り討ちにあって殺される』という覚悟があったから、我は成し遂げることが出来たのだ。」

「………!!!!!」

 

「我が崇高な計画の礎となれ!!!!

戦ウ乙女(プリキュア)!!!!!」

 

 

ヴェルダーズの爪がブレーブの命を狩り取ろうとした━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

バチィン!!!!!

「「!!!!?」」

 

ヴェルダーズとブレーブの間を強烈な何かが走った。

 

「な、何!!?」

 

 

「………『屠り去る』と言う言葉は、相手を殺すという意味で使われる言葉だぞ?

もし相手が生きていたら、それは『屠り去る』とは言わない。

 

お前はいつもそうだ。

 

俺の命を狙っていた時も、そして今も お前はただの半端者だ

 

そうだろ? 厄災ヴェルダーズ」

「「!!!!!」」

 

ブレーブの目の前にはギリスが立っていた。

 

「ギ、ギリス!!!!」

「魔王 ギリス・オブリゴード・クリムゾン!!!!! 貴様 本当に生きていたか!!!!」

「この俺を呼び捨てとは偉くなったな。

俺が鳴りを潜めていた時間はさぞ居心地が良かっただろう?

 

嬉しいぞ。 今 俺の力がどれくらい残っているか お前をものさしにして試すとするか」


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